■2006年7月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●モンサントのBtトウモロコシ、動物実験で異常


  5月22日、英国インディペンデント紙日曜版は、モンサント社の研究論文を入手し、殺虫性トウモロコシ「MON863」によってラットに異常が起きていた、と報道した。記事によると、報告書は1139ページに及び、MON863を与えたラットに、腎臓が縮小する異常と血液の成分に変化が起きていたとしている。
 MON863は、Bt毒素「Cry3Bb1」を細胞内につくる。この毒素は、それまでの殺虫毒素が蝶や蛾の幼虫に対して効果があるのと異なり、土壌昆虫の根切り虫に対して効果があることから、環境への影響が大きい点が問題であった。日本は世界で最初に、2002年に食品・飼料として承認し、2003年には栽培を承認している。現在、EUでは認可が焦点となっている。
 モンサント社は、この異常は個体変異の範囲内であり、偶然に起きたものと述べているものの、研究の全面的な公表を拒んでいる。 〔ロイター 2005/5/23 ほか〕