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4月20日〜

4月17日〜4月19日

上海

4月17日

鑑真号の船内では、日本円が使え、バスに乗ったり、飲み物を飲んだりするくらいは、昨日交換した人民幣で充分事足りた。しかし、ホテルの宿泊代や列車の切符を買うためには、外貨兌換券(外国人用の中国元紙幣)が必要だ。円建てのトラベラーズチェック(旅行者用小切手)を持ってきていたので、和平飯店(Peace Hotel)内の中国銀行へ両替に出かけることにした。

行きはバスで行ったと思うが、忘れてしまった。和平飯店に着いて、ロビーにある中国銀行の出張所?に行くと、時間がまだだ、と言う。中国では、レストランでも何でも時間が決まっていて、そのとき以外は受け付けてくれない。銀行なら、なおさらだ。当たり前だと思うかもしれないが、このぐちっぽくなる気持ちは、当時の中国を旅行した人なら、わかってくれるはずだ。その話は、別の機会に。

和平飯店(中国語でHe-ping fandian)は、上海でも老舗(しにせ)中の老舗で、東西にのびる南京東路の東の端にあり、ある程度の階からは、黄浦江を見下ろすことができる。黄浦江は、長江に流れ込む支流で、ここからはすぐに長江に合流し、その長江もすぐに海に流れ出している。私たちもこの黄浦江の船着場で、鑑真号を下船した。また、和平飯店から歩いてすぐの黄浦江沿いは、外灘(Wai-tan)またはバンドと呼ばれる市民の憩いの場でもある。毎朝6時ともなると、市民が続々と集まり、いっせいに太極拳を始めるそうだ。中には、剣を持って舞っている人もいるとか。

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外灘を散策する人々
外灘で微笑む私、人民公園だったかも
外灘を散策する人々
外灘で微笑む私
人民公園だったかも

さて、時間つぶしに、和平飯店内をうろつきまわっていると、高級なみやげ物ばかりが並んでいる。思わず「高いなー」と声を発すると、隣にいた白人女性が、「東京はもっと高いでしょ(Much more expensive in Tokyo.)」と突っ込んできた。返す言葉がなかった。中国の他の商店に置いてある同質の物より、値段が高く設定されているのだが、日本と比べられては・・・。その白人女性は、日本にも出かけたことがあり、その物価の高さに辟易したそうだ。

宿泊客は、ほとんど外国人で、中国国際旅行社もロビーにある(あとで、地図で確認したら、旅行社は和平飯店の2軒離れた隣にあったようだ)。国際旅行社は、外国人旅行者の中国国内のホテル予約、飛行機・列車のチケット予約などを一手に引き受けている、国営の独占企業だ。大きな都市のNo.1ホテルには、だいたい支店がある。確かなことは確かなのだが、手数料が高くついたり、不必要にぜいたくな部屋や席を予約されたりするので、私たち貧乏旅行者には、敷居が高い。

中国銀行は、なかなか業務を開始してくれない。と、日本語で話しかけてくる若者がいた。もう、だまされません。その若者の話だと、近くに友諠商店(外国人用デパート)があって、そこで両替をしてくれるそうだ。一緒に上海友諠商店へ。5階建てのビルで、かつてのイギリス領事館の構内に建てられているそうだ。換金は無事終了。ついでなので、店内をいろいろ見て回った。みやげ物と食料を少々調達。若者と別れた。

昨日の盗難事件のことだが、私は財布を盗られたと書いたが、トラベラーズチェックは、パスポートとともに、肌身離さずに持っていたので、被害額は数万円だった。これは、日本に帰国して、空港から自宅にたどり着くだけあればいい、と思って持っていた日本円だった。もちろん、かなり余裕をみてあるが・・・。高い勉強代だと思って、あきらめるしかない。

しかし、Y君の小型高性能ラジオは、事情が違うのである。入国の際に、中国国内に持ち込む貴重品を、用紙に記入させられた。その貴重品が、出国の際にないと、まずいようなのだ。中国国内で、売りさばいたと解釈されるのだ。何の罪になるかは知らないが、とにかく、犯罪なのである。捕まらないように、公安局(gonganju 警察署)に、被害届を出しておかなければならない。

地図を頼りにさがしたが、見つからない。今後の旅行計画のことを考えて、列車の時刻表を買うために、新華書店(当時、中国で本屋といったら、新華書店。もちろん国営)へ入ったが、時刻表も見つからなかった。しかたないので、宿泊ホテルの華僑飯店の前の人民公園に入った。入園料1角(jiao 1元の10分の1=約4円)。いつのまにか、南京東路の東端の外灘から、西端(本当は西端を通り越して、もう南京西路に入っている)の華僑飯店まで、戻っていた。南京東路の北にそれたり、南の筋を歩いたりして来たので、2kmくらいは歩いたんじゃないだろうか。

人民公園(Renmin gongyuan)は、やたらとアベックが多い。ラヴラヴ(ラブラブ)で、いちゃつきどおし。勘弁してくれ。発見!小さな子供のズボンは、お尻のところが、丸く穴が空いている。どうやら、いつでもすぐに、用が足せるようにしてあるらしいのだ。私が座っている目の前で、子供が前のめりに倒れて、見てくれと言わんばかりに、お尻が丸出し。笑いが吹き出すのを、がまんできなかった。

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人民公園から見た国際飯店
人民公園から見た上海市図書館
人民公園から見た
国際飯店
人民公園から見た
上海市図書館?

時間が来たので、約束どおり、雑技場の受付前に行って待ったが、自称外語大出は、現れなかった。外語大出(がいごだいで)とは、外語大出身者とか外語大卒(業者)という意味だ。間違えているわけではない。まあ、来るはずはないか。結局、上海雑技団の公演は、観ずに帰った。

雑技場の近くの食堂で食べた夕食、チャーハンとトマトのスープは、美味しかった。很好吃了(Hen haochi le. とても美味しかった)9角(約36円)

いっぱい見て いっぱい食べてと 思ったのに いったい何を やっているのやら

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4月18日 曇り時々晴れ

日記代わりの大学ノートには、「4月18日 上海」と書かれているだけだ。おそらく疲れて、バタン、キューだったんだろう。こづかい帳を頼りに思い出して書いてみるが、行動した順序は、正確ではない。

日記を書いていたり、こづかい帳をつけていたりと、きちょうめんな性格のように思うかもしれないが、とんでもない。私の塾に通ってきてくれている塾生さん(うちでは、研究生と呼んでいる)は、それをよくご存知だ。私の机のある部屋の中ときたら、床にはコピー用紙の包み紙が、丸めて置いてあるし、机の上は書類やら本やらCDなどが、雑然と積んである。さらに、水筒・お弁当・みかんなども置いてあるから、たまったものではない。どこで作業しているかというと、必要なものを持っていって、講義室の生徒の机でやっている。そうだ、私の話はどうでもいい。

朝起きて、ホテル備え付けのラジオをつけると、流行歌?がかかっている。「一休さん」の中国語版が、何度も流れた。

上海市内のバスは、どこまで乗ろうが、4分(fen 1元の100分の1の単位、4分で約1.6円)なので楽だ。いちいち、いくらか訊ねなくてすむ。だだし、路線が本当にたくさんあり、どの番号のバスに乗ればいいのか、戸惑うばかり。何とか公安局を探し出して、苦労して被害届を済ませた。これで一安心。出国の際に、身柄を拘束されることはない。ちょっと大げさか。

すっかり予定が狂ってしまったが、気持ちがせいて、明日南京(Nan-jing)へ出発することにした。新しい土地で、気分一新だ。上海駅に切符を買いに行く。この駅は北站(beizhan)というらしい。すごい人である。南京まで14元6角(約600円)だった。・・・・・、大変な思い違いをしていた。いろいろ考えたら、切符は華僑飯店で手配してもらったのだ。華僑飯店なのか、華僑飯店内のロビーに入っている旅行社なのか、はっきりしないが。上海駅には、下見に出かけたのだった。失敬。

この日は、バスにも乗ったが、歩くことも歩いた。何階建てかのアパートの谷間の通りでは、上を見上げると、窓という窓から物干し竿が伸び、洗濯物がぶら下がっている。壮観だ。どういう仕組みなのか、竿は窓から向かいのビルに向かって、まっすぐに伸びているのだ。左右両側のアパートからにょきにょきと出ているので、洗濯物のトンネルの中を歩いているようだ。

南京路の歩道橋から見上げた上海市第一百貨商店 南京路の歩道橋から見上げた上海市第一百貨商店

上海で一番大きな上海市第一百貨商店内もぶらついたが、特に感想はない。夜は、和平飯店にジャズバンドの生演奏を聴きに行った。開演前に行ったので、席はとれたが、すぐに満席になった。外国人客が多く、私たちも合衆国から来ているビジネスマンと相席になった。口ひげをきれいにそろえている30代のアメリカンだ。実は、ジャズにはうとくて、曲名が全然わからないが、どれも聞いたことがあるような曲ばかり。スタンダードというのだそうだ。相席ビジネスマン氏がリクエストをした。「インザムード?(In the Mood?)」だったか。聞いたことある、ある。演奏はうまいのかどうかわからないが、ビールを飲みながら聴いてると、何か「上海にいる」という気分だ。共同租界の匂いとでも言おうか・・・。租界なんて知らないくせに・・・、雰囲気で書いてはいけない。42元9角。ちょっとぜいたく。

【鉄腕アトムのメロディーで】
♪カーンコーンラ ライチェコーン ラララ シャゥンチェンチン シンペィシャー
ライバー アトムー チャンカイニ チェリーティバー♪
♪シンヤゴ シャンンセー ラララ ウォームギ ハウボォウバー
シュウワーグ チャゴナーギ チャニチェーチィ アトーォムー♪

4月19日 晴れ

朝早くから起きて、上海火車站(駅)へ。この駅は、北站と呼ばれているのは、前に書いたが、中国では列車のことを「火車(huoche)」という。大きな荷物を肩から下げて、うろうろしながら、何とか目標の火車に乗り込めた。続々とホームに人がやってきて、長蛇の列をつくっている。全員が乗り込むまで、しばらく待たなければならなかった。「硬座(yingzuo)」という一番安い席なのだが、指定席なので座れる。初めてで、わけがわからなかったのだろう。違う席に座ってしまって、中国人にしかられた。

中国の火車の座席は、4種類ある。「軟臥(ruanwo)」というのは、軟らかい寝台で、上下二段二列の4人1部屋になっている。一説には飛行機よりも高い。「硬臥(yingwo)」は、上中下三段の2列、6人で1区画。なぜか下段が一番高く、上段は一番安い。仕切りカーテンはない。どちらの寝台にも魔法瓶が備え付けられている。「軟座(ruanzuo)」は、短距離列車専用の車両で、ゆったり優雅に移動できる。「硬座」は4人掛けか6人掛けの向かい合わせのボックスシート。前席との間隔が狭いので、かなり窮屈。

私たちが乗ったのは、4人掛けの車両だった。私の向かいの席はY君。斜め前の席には、日本語を話すおばさん。隣では、日本人と思われる女の子が、黙々とウォークマンを聴いていた。ユーミンを聴いていた。完全にバリアー(シールド)を張っていて、話しかけることができなかった。彼女は蘇州(Su-zhou)で降りていった。

蘇州は、上海から1時間半ほどの、運河が流れる水郷の町だ。寒山寺など、見所も多いようだが、私たちは行かなかった。船で出会ったK大の大学院生も同じ火車に乗っていたようで、ホームに降りていた。白人も数名降りて行った。

D02 地球の歩き方 上海 杭州・蘇州・水郷古鎮 2011〜2012

蘇州を出て約1時間、無錫(Wu-xi)を過ぎた。どこの駅だったか、ホームで干してある豆腐を名物として売っていて、みんなが窓から身を乗り出して買っていた。私たちは、斜め前のおばさんに、少し分けてもらっていただいた。カリカリした菓子風で甘いのだ。まずくはなかった。

線路沿いには、田園風景が広がり、農村と思われる集落が点在する。黄色い菜の花のカーペット。江南の春だなー。

上海から快客(急行列車)で約5時間、南京火車站に到着。あまり体勢を変えることができなかったので、お尻が痛い。

南京火車站 サムネイル 南京火車站

南京

上海北站は町のほぼ中心街にあったが、南京站は高原のリゾート地の駅といった感じで、周りに建物が少ない。目の前に玄武湖が美しく広がっている。ここは、バス5路線の発着站にもなっている。南京は2泊の予定なので、洛陽(Luo-yang)行きの前売り券を購入しておく。今度は距離があるので、快客の軟臥で優雅に行ってみることにする。一泊節約できるしね。98元2角。

本日の宿泊予定の丁山賓館(Dingshan binguan)は、2路線のバスを乗り継いでいかなければならない。1路線目のバスを下車したが、次のバスがすぐ来そうにないので、とりあえず路線沿いに歩くことにした。重い荷物を抱えているので、つらかった。K大大学院のお兄さんがいうように、バックパック(リュックサックなど背中に背負うかばん)で来ればよかった。後悔先に立たず。しかも、このホテル、小高い丘の上に建っているので最後の上り坂が・・・。

江南春 Jiang nan chun  杜牧 Du Mu
千里鶯啼緑映紅   Qian li ying ti lu ying hong.
水村山郭酒旗風   Shui cun shan guo jiu qi feng.
南朝四百八十寺   Nan chao si bai ba shi si.
多少樓臺烟雨中   Duo shao lou tai yan yu zhong.

千里四方もあろうかと思われる広い野原の
いたるところでうぐいすが鳴いている。
柳の緑と桃の実の紅が対照的できれいだ。
湖のほとりの村や山のふもとの村には、
ところどころ一杯飲み屋の旗が見える。
南朝時代には、四百八十寺ともいわれる
たくさんの寺があったそうだが、今でも
そのいくつかの建物が、春の霧雨の中に
けむって見えている。

4月19日補足

私の記憶とノートに、一部誤りがあった。Y君より指摘してもらった。またノートに記載されていなくて、私の記憶から跳んでいた部分も教えていただいた。そのまま引用させてもらおうかとも思ったが、私の作業がやりやすいので、内容を汲み取った文章で書き直させていただいた。なお、『』部分は指摘された内容。謝謝(Xiexie)。

『南京站で、物乞いの子供たちに囲まれた』ようだ。調べたら、こづかい帳にも2角寄付したように記されている。10路のバスに乗って、四平路というバス停で降りた。5区間ほどだった。地図では、バス停は交差点なのだが、100mほども前で降ろされた。その交差点で、別方向から来たバスに乗り換えるのだ。「そのくらい何なのさ」と思うかもしれないが、『4月というのに、真夏並みのうだるような暑さ』が襲ってきた。ここは「中国3大かまど」の1つに数えられているのだ。真夏には、どうなってしまうのか。

重い荷物を、右手に左手に、持ちかえ持ちかえして、ようやく交差点へ。この交差点を左に折れて、バスの時刻表を見るが、すぐに来そうもない。ここからはホテルもそんなに遠いことはないので、バス路線沿いに歩く。大きな交差点を1つ越えて、その道沿いにある双門楼賓館というホテルに入る。『このホテルが宿泊予定』の所だったのだ。元イギリス領事館だということだ。

しかし、「部屋が空いてない」と断られた。仕方がないので、引き続き歩いて、丁山賓館に向かった。そう、あの丘の上のホテルだ。Y君の話によると、『丁山賓館にたどり着いた時は、値段が高かったけど、暑さに妥協した感じ』ということだ。確かに、ロビーに座り込んでしまい、もうそれ以上動きたくなかった。

このホテル、景色が良いということだったが、私たちの部屋からは、茂った木が邪魔で、余り見えなかったような気がする。

4月20日〜
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