I Love China トップへ
5月8日〜

5月6日〜5月7日

昆明

5月6日 晴れ

まだ薄暗い朝7時半に、ホテル前からツアーバスに乗り込み、石林(Shilin)へ。

石林

石林は、2億8千万年前は海底だった。石が林のように突き出ているカルスト地形から、その名がつけられた。路南彝(イ)族自治県にある。バスに3時間半ほど揺られて到着。このバスは「日野ブランド」で快適だった。

クリックすると、拡大画像が別のウインドウで開きます。
石林と刻まれた巨石
石林遠景
石林と刻まれた巨石
石林遠景

バスが停まるや否や、サニ族(彝族の一部族)の娘が押し寄せてきた。振り払うように歩き出すと、「オニイサン」「チョトマテクダサイ」と、うまい日本語をしゃべりながらついてくる。「アッチイキマショウ」「ソチライキマセン」と、うるさく指示する。

石林の景観はすばらしく、圧倒された。しかし、それ以上に、サニ族の娘の強引なまでの熱心さには、負けた。地名からもわかるように、少数民族には、ある程度の自治が認められており、自由競争の経済原理が働いている。外国語をより話せて、商売のうまい者は、それだけ実入りが多くなる。特に日本語・英語を熱心に学ぼうとしている。帰る間際ではあったが、少々教えさせてもらった。ちゃんとノートに書きとめてくれていた。そのノートを見せてもらうと、彼女たちに日本語を教えたと思われる日本人の住所と名前も書き込まれていた。某大学の教授の名刺も貼られていた。お礼に、彼女たちの売り物を数枚貰った。きれいな刺繍の施されたポシェットと財布である。

Y君とサニ族の女性
刺繍の施されたポシェットと財布など
Y君とサニ族の女性
刺繍の施されたポシェットと財布など

中国に着いたばかりのころ、漢民族のやる気のなさには、あきれた。物を買ってもニコリともしない。それどころか、面倒そうに商品を取り出す。ひどいのになると、そこに商品があるのに、「没有(meiyou ない)」と素っ気ない。信じられない。当時の中国を旅した外国人は、これを揶揄(やゆ)して、「没有Tシャツ」を着ていた。シャツに文字を書き込んでくれる店があり、そこで好きな字を書いてもらうのだ。「没有」は人気があり、注文しなくてもすでに吊り下げられているのだ。

やる気のなさの原因は、もちろん社会の仕組みにある。社会(共産)主義が全面的に悪いとはいわないが、少なくとも、その悪い点が現れている。多くの国営企業・共同企業では、個人が努力して、成績が伸びても、実力が上がっても、給料があがるわけでもなく、出世できるわけでもないらしい。そんなことなら、一生懸命やればやるだけバカみたいだ。漢民族は決して、無愛想でも不親切でもない。今日も、石林で道に迷っていると、ある漢人が、地図を見せてくれた。服務員でも、数は少ないが親切な人もいる。中国共産党も、このような人が優遇されるような社会体制をつくっていってもらいたい。そうすれば、国全体も、もっと豊かになるはずだ。ここの少数民族たちが、その良い例を示してくれている。そんなこと言われずともわかっているか。

南国の澄んだ青空が広がっている。高所のためか、気温はさほど高くならない。非常に過ごしやすかった。

記念撮影用に民族衣装を着てくれているサニ族の女性たち
私
記念撮影用に民族衣装を着てくれている
サニ族の女性たち
石林の私

同じツアーバスに、香港人が乗っていた。車内では、私たちや西洋人に、英語でガイドしてくれた。バスガイドのように。その発想は、私にはなかった。もちろん、そんな語学力もないが。

昆明

昆明飯店に戻り、ホテルのレストランで食事をした。関東方面から日本人の団体さんが来ていた。ビールとお酒をいただいた。アルコール度が強い中国のお酒だった。名前は、わからなかった。


赤と白 目立つ衣装を まといし娘(こ) 石の林に 見え隠れする

5月7日 晴れ

朝、雲1つない青空の下、ホテルを出る。9日に出発する大理(Dali)行きのバスの切符を買うために、市西北部にある西站汽車客運站へ、バスで向かう。昆明のバスは、料金も安いし、空いている。たまたま空いているのに乗っただけかもしれないが。

西站に着くと、馬が人や荷車を運んでいる。何か、のどかな気分になる。大理まで、バスで行くと、10時間以上かかるらしい。バス代は17元8角(約710円)した。2日前の朝で、もう10名ほどが切符を購入していた。スイカが石ころのように、無造作に積まれて売られていた。北の方の町でも、スイカは売られていたが、やはりこちらの方が多いようだ。

西站の東にある翠湖(Cuihu)公園へ、徒歩で向かった。この北のあたりは、雲南大学をはじめ、雲南民族学院・雲南師範大学・昆明工学院・省教育学院などの教育機関が集中している。昆明動物園も近い。翠湖公園では、年配の人が太極拳をやっていた。公園の東側には、翠湖賓館というホテルがある。日本人の建てたホテルで、中にはCITS・銀行・郵便局・友諠商店・喫茶店・バーなどあるそうだ。参考のために中をのぞく。学生と思われる外国人旅行者が、軽快に行き来していた。すべて見てきたわけではないのだが、かなり昔に建てられたようで、やや古くなってきたか。おそらく今後、昆明でも新しいホテルが2・3、建設されるはずだ。

バスで塘子巷という交差点まで戻り、東風広場で火鍋(huoguo)を食べようとしたが、店が見当たらない。火鍋というのは、炭火を仕込んである鍋に、肉・シラタキ・豆腐・ねぎなどが入って、味付けされているものだ。何としても火鍋ということで、実験飯店で再トライ。ダメだった。例の「没有(meiyou)」という返事が返ってきた。

肉のスープと炒飯をたのんだ。スープは、すり鉢ほどの大きな入れ物で出され、飲み干すのはしんどかった。むむっ、炒飯には、ハエが。ひ弱な日本人の私とすると、皿が汚かったり、小石が入っていたりすると、美味しくいただいていた場合でも、とたんに気分が悪くなる。屈強な中国人は、ほこりのたっぷりかかった包子(肉まん)やアイスクリームを平然と口にしている。見習わないと、日本が滅んでしまう。それとも、中国が日本に付き合ってくれるようになるのか。

昨日書いたTシャツ屋。そう、客の注文に応じて「漢字」を書き入れてくれる店である。そこへ行き、Tシャツを数枚つくってもらった。品質はよくないが、1枚約160円。割合スムーズにやってくれるので、ありがたい。オーストラリア人も、いろいろ注文をつけて、何枚もつくっていった。

少し興味がわき、中国人民銀行をのぞいてみた。月々の積立預金や、半年から8年くらいまでの、さまざまな期間の定期預金などがあった。日本の利率よりはいいようだ。

街のうどん屋で、川面(chuanmian)というものだったと思うが、唐辛子色のスープの麺を食べた。辛いが、成都の麻婆豆腐できたえられているので、食べきることができた。量はさほど多くはなかった。3角(約12円)

夕食としては、やや物足りなかったので、体育館のそばの、そう、実験飯店の隣にあるオリンピック(奥林匹克)レストランへ。ここでは、何とケーキやパン・シュークリーム・パイが食べられるというのだ。そうか、日本でも人気のあるパンやケーキは、午前中に売切れてしまう。むうー。ろくなのが残っていなかった。でも、中国でケーキにありつけるとは、ありがたい。明日の朝、もう1度トライ。


抜ける空 のんびり歩く 馬1頭

D01 地球の歩き方 中国 2012〜2013

5月8日〜
I Love China トップへ