70万Hit記念SS
おんりーさまーばけーしょん


「きゃっほ〜」
「うわあ、すご〜い!」
「そうれ!」

 白い砂浜に、乙女達の黄色い歓声が響き渡る。
 澄んだ青い空と、エメラルドブルーの海が広がる絶好のリゾート地に、水着姿の乙女達が戯れている。
 彼女達の後ろには、『祝! 3DSソウルハッカーズ発売!!』と書かれた横断幕が掲げられ、よく見ればその隅の方に小さく『超駄文録70万Hit記念』とも書かれていた。

「あの〜、本当にいいんでしょうか?」
「いいのいいの、ネミッサが招待したんだから、皆楽しまなきゃ♪」

 白のワンピース姿のカチーヤと黒のタイトビキニ姿のネミッサ、まるで対照的な格好の二人が、広げられたビーチパラソルの下でくつろいでいた。

「確かに、楽しめる時に楽しんでおかねばな」
「最近ずっと物騒ごとばっかだったし〜」
「でも、ちょっと………」

 色違いのチューブトップビキニにパレオで揃えた(ただし中身に大分個人差あり)美鶴(赤)、ゆかり(オレンジ)、風花(グリーン)達が、ビーチチェアに寝そべったり、ビーチボールを持ち出して満喫する気満々で構えている。

「実際、どんな物かと思ったけど、これなら大丈夫ね」
「ようし、遊ぶぞ〜!」「お〜!」「突撃〜!」
「あまりはしゃぎ過ぎない方が……」

 赤地に龍がプリントされた無駄に派手なワンピース水着のレイホゥが感心する脇で、ハート柄のモノキニ水着で浮き輪を持った舞耶を先頭に、SD画風の悪魔が描かれたスカート付き水着を着たあかりがイルカ型浮き輪を手に、星柄のモノキニ水着を来たうららがヒトデ型浮き輪を手に海へと向かっていくのを、純白のAラインワンピース水着の祐子が日焼け止めを塗りながら見送る。

「リフレッシュはいい事ね、みんな最近闘い詰めだったし」
「Oh、New modeが用意できないのが残念ですが」
「……あんたにそれ以上差を付けられても」

 デフォルメされた熊が無数にプリントされたワンピース水着の麻希がレジャーシートからドリンクなどを手際よく用意していき、その隣では正真正銘のモデル体系で黒のスリングショット水着を着こなすエリーに、カメラ片手のグレーのワンピース水着のゆきのが引きつった笑みを漏らす。

「まさか、海水浴なんて出来るなんて………」
「その割には気合入ってるわよ?」
「泳ぐのなんて本当に久しぶり♪」
「う〜ん、確かに覚えがあるような………」
「多分うまく出来たと思うんだけど」

 青地に白のボーダーが入ったチューブトップビキニで呆然と海を見る咲に、白地に金のクロスが描かれたハイレグ水着という意味不明の格好でサングラスをかけてビーチチェアに寝そべったヒロコがくすりと笑い、黄色地に黒でサトミタダシとでっかいロゴとシンボルのカエルが入ったセパレート水着のたまきがビーチボールを掲げ、グレー地にオレンジのラインが入ったエンブリオンカラーのビキニのアルジラが首を傾げる中、同じくエンブリオンカラーのワンピース(なぜか胸にえんぶりおん せらと書かれた名札付き)が周囲をチェックしていく。

「よおし、競争するよカチーヤちゃん!」
「ここってどこまで続いてるんでしょうか?」
「ビーチバレーしたい人こっち来て〜」
「やるやる〜♪」
「飲み物あったかしら?」
「持って来てます」
「スイカ割りしたいわね〜」
「さすがにそこまでは……」

 水着姿の女性陣が、黄色い声を上げながら水と戯れ、砂場でボールを追いかけたり、日光浴を楽しんでいる。
 そんな楽しげな海辺の風景に、突然ノイズが走った。

「あれ?」
『やっと解けた………何やってんだネミッサ!』

 海面の上にいきなりウインドゥが表示され、そこに八雲の顔が表示された。

「あれえ、八雲もうプロテクト解いちゃったの?」
『てこずらされたけどな……で、お前達はそこで何をしている?』

 水中を立ち泳ぎしながらのネミッサに、八雲が表情を険しくして問い質す。

「見れば分かるでしょ? バカンス」
『アーサーのメインバンク借りてジャンクヤードの再現実験するという話じゃなかったか?』
「だ〜か〜ら、これがジャンクヤードの元になった奴なんだって。セラちゃんから聞いてない?」
『聞いてない! オレが忙しくしてる間に……』
「す、すいません。ネミッサさんがどうせなら皆で実験しようって………」
『……誰も止めなかったのか?』
「面白そうだったからね。電子世界なんて初めてだったし」

 カチーヤが頭を下げる中、レイホゥまでもがくつろぎながら答える。

『ウイルスでも送ってやろうか………』
「あの、そんな事されると、どうなるか分からないんですが………」
「あ、ここだと実体でも影響出るんですか?」

 バカンスを満喫している女性陣を引き攣った顔で見つめる八雲の呟きに、セラと風花が答えた時だった。
 もう一つのウインドゥが砂浜側へと開く。

『こちらでも開きました』『うおお、ホントにみんな水着だ!』『な、だから言ったろ』『どけ! 見えねえ!』

 かなり太目の通信班クルーの顔が最初映し出されたが、それを押しのけて順平やシエロ、修二などを中心とした男性陣が我先にこちらを覗きこんでくる。
『………そっちはそっちで何をしている』
『タダノ自然映像観賞デスヨ』『ソウダゼ、別ニ覗きジャナイゼ、ブラザー』『間違ッテモオレ達モゴ一緒シタイナンテ思ッテマセンヨ』

 完全に棒読みで答える主犯三人に、八雲は呆れ果てる。
 だが、砂浜側のウインドゥにRECの表示が出た所で女性陣の額に青筋が浮かぶ。

「何やってんの順平!」「やっていい事と悪い事があるでしょ!」「埋めろ〜!!」
『そんな!』『止めて〜〜〜〜!!』

 怒りくるった女性陣が、ウインドゥに片っ端から砂浜の砂をかけまくり、ほどなくして完全にウインドゥは砂山へと変貌する。

『しくしくしくしくしく………』
『………飽きたら出てこいよ』
「は〜い♪」

 砂山から聞こえるすすり泣きに何もかも馬鹿らしくなった八雲がそれだけ言ってウインドゥを閉じ、女性陣は明るい声で了承する。

「さてと、それじゃあカチーヤちゃん、もう一泳ぎしよっか♪」
「ネミッサさん、その前にやる事が」
「そう言えばそうだっけ」

 ネミッサが虚空に手をかざし、そこに文章が現れる。

《超駄文録更新予定 真・女神転生クロス、次章執筆開始、年内に更新か? スーパーロボッコ大戦も執筆開始予定。ただし年内に管理人欲しいゲーム目白押し(爆)》

「さて、やる事やったから泳ご泳ご♪」
「ようし、私達も!」
「皆で競争しよう!」
「じゃあようい、スタート!」
『そおれ!』

 歓声と共に、乙女達が一斉に海へと飛び込んだ………







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