●ユーノス・ロードスター9『ロードスター万歳!*・;・^;・:\(*^▽^*)/:・;^・;・*』

 


以前、僕はロードスターを駆って『北海道一周』の旅行に行った事があります。
行くだけの金しか持ち合わせていなかったので、一週間もの間《ズット車内泊》でした。
日が昇れば走り出し、日が沈むと車を停め、助手席で寝袋に入って寝る…
そんな毎日の一週間でした。

実は、その時の僕は色々と悩み事があり、現実から逃げるようにして出掛けた『北海道行き』だったのです。
なので北海道(小樽)上陸後は、ただアテも無く車を走らせました。

『とにかく北へ…』何となくそんな気持ちになり、宗谷岬を目指します。

宗谷岬に着いたのは深夜でした。当然、そこにいるのは僕1人だけ…
何だか無性に淋しくて、虚しくて、どうしようもなくなりました。

耐え切れず、今度は海岸線を網走方面に南下します。
右手には真っ暗な崖が延々と続き、左手には陸地との境目が分からない程の暗いオホーツク海が広がっていました。

街灯も無く、ただ真っ直ぐで真っ暗闇な道を走っていたとき、ふと周りが明るくなったような気がしました。それは、雲の切れ間から差し込んだ月光。
雲間から差し込む月光は、暗いオホーツク海を照らしキラキラと輝きます…
僕はアクセルを踏む力を緩め、出来るだけユックリと走らせながらキラキラと輝くオホーツク海を見ていました…。


《オープンカー》とは本当に不思議な乗り物です。
バイクのような爽快感・開放感を持ちながら、車特有の安定性もあるのです。
一旦、フルオープンで走り出せば!いつもの道も新鮮な気分で走れます♪

あの憂鬱な気分だった《当時の僕》を元気付けてくれたのは、北海道の雄大さも無論あります。
けど、それに気付かせてくれたのはロードスターのおかげだとも思っています。
フルオープン時に感じる、暖かさ、冷たさ、音、香り、光…
そのどれもが魅力的で、けして普通の乗用車では感じられない事なのです。

次々と高性能車が発表されていく中、僕はズットこの車に乗り続けます。
そして心の中でこう言うのです『ロードスター万歳!』と。

  

《おしまい》