★あらすじ
『用心棒日月抄』 藤沢周平


「犬を飼う女」

 国許を出奔した青江又八郎は、相模屋吉蔵から、田倉屋の妾宅の犬の番の仕事を紹介されます。
 吉良と浅野の刃傷事件、藩主毒殺の陰謀と又八郎の関わりについて、明示されます。


「娘が消えた」

 又八郎は、清水屋という油屋の娘・おようの稽古事の付き添いを引き受けます。


「梶川の姪」

 又八郎と細谷は、大老の柳沢の家来から、梶川与惣部兵衛の警護を頼まれます。


「夜鷹斬り」

 同じ裏店に住む夜鷹のおさきは、誰かに追われている、と通りがかった又八郎に言います。又八郎は、おさきの用心棒を引き受けます。


「夜の老中」

 一日の手当が二分、しかも「アゴつき」という、手間の良い用心棒仕事を吉蔵は又八郎に持ってきます。ところが、先に細谷がこの仕事で怪我を負ってました。


「内儀の腕」

 又八郎は、塚原という浪人者と、呉服問屋備前屋のおかみ・おちせの警護にあたります。備前屋夫婦は、何か事情を隠しているようでした。


「代稽古」

 又八郎は、町道場の手伝いをすることになります。道場主の長江長左衛門は、非凡な遣い手でした。


「内蔵助の宿」

 又八郎は、山本長左衛門の平間村の隠宅で、公事のために江戸へ出てくる垣見五郎兵衛の警護の仕事をします。


「吉良邸の前日」

 吉蔵は、又八郎と細谷に吉良邸の用心棒の仕事を斡旋しますが、二人は気が進みません。しかし、国許からの刺客に襲われた又八郎は、引き受けることにします。


「最後の用心棒」

 帰国する又八郎を、男がつけて来ています。途中、又八郎は、前を行く女に襲われました。
 佐知、大富静馬など次シリーズへのつなぎの章にもなっています。
 

1978.8 新潮社/1981.3 新潮文庫 


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