汐見本陣の娘・お美也は、遊佐家の嫡男・清右衛門に見初められ、妻となります。長男の清一郎を生んでまもなく、清右衛門は亡くなり、お美也は清一郎をおいて遊佐家を出されます。数年後、新右衛門の弟・清次郎のはからいでお美也は遊佐家に戻ります。清次郎は、お美也に恋し、妻に迎えたいと思っていたのでした。
遊佐家に戻ったお美也は清次郎の子を妊りますが、清次郎は江戸へ行く主君について家を出ており、お美也は清次郎の叔母・おかねを頼り、偽名を使って関所を越え、江戸に向かおうとしますが、幼なじみの徳太郎に声をかけられて失敗します。お美也は、ひっそりと清次郎の娘を産みます。