安田しん二の楽器


民族系の弦楽器



カマカ バリトン・ウクレレ

 ウクレレの中でも、かなり大きい部類に入る、バリトン・ウクレレです。
 バリトン・ウクレレのチューニングは、ギターの1〜4弦のチューニングと同じで、ギターが弾ける人でしたら容易に弾けます。この楽器自体の音はとても甘い“ホンワカ〜〜”という音で、コード・ストロークだけでなく、アルペジオや旋律を弾いても良い感じだと思います。


カマカ パイナップル・ウクレレ

 カマカのパイナップル型ウクレレです。これはハワイの楽器屋さんで、マウイ・ミュージックのウクレレと一緒に購入したのですが、そちらの方はよすおさんにプレゼントしちゃいました。材質には、現在は入手困難なハワイアン・コア材が使われています。
 マウイ・ミュージックのウクレレと比べると、こちらの方がウエットな感じの音です。しかし、弦との相性は音にかなり影響されますので、弦のテンションがきつい物の方がこの楽器には合ってます。因に、私はいくつかの弦を試してみましたが、最終的にはカマカの弦を張っています。


カマカ テナー・ウクレレ

 これは、私が初めてハワイに行ったときに購入したもので、同時に「初めて買ったウクレレ」って事になります。その頃は、まだウクレレ・ブームの前で、私はカマカと言う名前すら知りませんでした。お店の人に、「カマカって有名なメーカー?」と聞くと、「クスッ」と笑われてしまいました。お恥ずかしい話しです…。
 個人的には、使い心地は普通のサイズのウクレレよりも良いと思います。ただ、「テナー・ウクレレ用の弦は、日本では入手し難い」と言うのが難点です。ガット・ギターの1〜4弦を張ると良いと聞いた事があったので、その様に張ってみた事があるのですが、テンションが妙に緩く、何だかチョット変でした。


フェイマス ウクレレ

 フェイマスのウクレレです。多分、フェイマスは国内のメーカーだったと思います。
 これは一度、知らないウチにネックが折れてしまいましたが、私が修理しました。しかしその後、悪い影響は一切見せず、ちゃんとなってます。
 ハワイの人気メーカー、カマカと比べるのはちょっと気の毒かもしれませんが、これもこれなりに良い音してます。


デキシー バンジョレレ

 これはなんでも、戦前に作られた楽器だそうです。
 中学の頃に観に行ったクイーンのコンサートで、ギタリストのブライアン・メイが「リロイ・ブラウン」と言う曲を演奏する時に、これと似たヤツを弾いてました。
 弦は、ウクレレの弦(ナイロン弦)を張ってます。
 ミラクルシャドウのアルバム、『奇跡の影』では、「夜遊びの達人」のブリッジのところで大活躍しています。


ブラントン オープン・バック・バンジョー

 オープン・バックのバンジョーはいわゆるリゾネーターと言うものが付いておらず、バックがそのままオープンになっているもので、オールド・タイム・ミュージックやモダン・フォークなどで使われる事が多かったのだそうです。ですから、普通のバンジョーに比べると音量は無い分、とても素朴な音がします。


シタール

 1960年代後半、ビートルズが使った事で、当時他のアーティストも影響を受け、様々なロック・ミュージックの中で使われたインドの楽器、シタールです。
 シタールを本格的にマスターしようと思ったら、おそらく自分の音楽人生のほとんどを費やしてしまうかもしれません。ジョージ・ハリスンが主催したコンサートの模様を収めた映画、『バングラデッシュのコンサート』の中で、ラビ・シャンカールが演奏したのを観ると、圧倒され、そんな感じがします。
 私はエレクトリック・シタールも使いますが、そちらとは全くの別物です。エレクトリック・シタールは元型がエレキ・ギターなのですが、但し、音色は良く似てます。ですが、こちらのシタールの様に「サイケデリックな雰囲気」は無い感じがします。


タンブーラ

 タンブーラです。写真ではペグが2つしか見当たりませんが、実はヘッドの裏にも2つ付いてます。つまり4弦です。フレットはありません。つまり“フレット・レス”と言うよりは、4つの音(弦の本数分)しか音低が出せません。
 こちらもシタール同様、私の家族が、インドから買って来てくれたモノです。基音楽器のタンブーラはとても地味な楽器ですが、ポップス&ロックの世界でこれを巧く使ったのがビートルズです。彼らは「トモロー・ネヴァー・ノウズ」の中で、重要な隠し味としてこれを使ってます。


二胡

 こちらは友人等と以前台湾へ行った時に、地元の楽器屋さんへ寄って、購入したものです。以前、二胡奏者の賈鵬芳さんに、「いつか私も二胡を買いたいのですが、どんなのが良いですか?」と訊ねたところ、たしか黒檀の物を奨めてた様な気がして、その黒檀製品を買うことにしました。正直言って、私はまだろくに弾けません。でも、いつかはきっと………。


アチャ(ホワン・アチャ・カンポス) チャランゴ(コサート・モデル/木ペグ仕様)

 チャランゴと言えばアンデスの音楽、フォルクローレでは欠かせない楽器です。
 私のチャランゴはJuan Acha Camposと言う人が作ったモノです。これはパロサントと言う材を使った木胴ですが、他にはボディーがアルマジロ(キルキンチョ)の殻で出来てるものも多く、その見た目はとてもグロテスクです。普通、チャランゴのペグはガット・ギターなどでよく見られる、オンプレート・タイプのモノを使ってますが、私のは木のペグです。それもヘッドにただ木のペグが刺さってるだけのものなのですが、これだとチューニングが凄く大変です。ウクレレなどですと、ちゃんとペグが金属で出来ていまして(ギヤ比は1:1だったりしますが……)、弦の張りが戻らないようにストッパーも付いてますので、弦が一気に緩んでしまうと言うトラブルはありません。ですが、そのかわりヘッド部分が少し重くなってしまいます。チャランゴは胴(ボディー)の部分がとても軽いので、私のはペグが軽いせいでヘッドとのバランスが比較的良いです。それから木のペグですと、弦の振動がヘッドに伝わり易いと言う点でも優れてます。しかし、ライブでの使用は辛いかもしれません。もし、このペグで我慢できなくなりましたら、ウクレレ用のゴトーのペグに換えてしまうってのもアリかとは思ってます(でも、もったいないな……)。
 弦はナイロン弦、全て複弦の5コースで合計10本の弦で構成されてます。それも真ん中がオクターブ、あとはユニゾンで、楽器を構えた時の上側からGCEAEの順にチューニングされます。GCEAEはGから高い音へ順に上がって行きますが、3コース目のEはオクターブ下になりますので、実際は3コース目のオクターブ下のEが一番低い音になります。そして、ピックを使わず指で弾きます。私の場合は、主に人さし指をピック替わりにガンガン弾いてますが、爪が無くなると中指で弾いて、人さし指の爪が伸びるのを待ちます。しかし、人さし指で弾く時と、中指で弾く時とでは勝手が違い、えらくやっかいです。本来、付け爪とかした方がいいみたいです。
 チャランゴのカッティング、特にトレモロ奏法は、たまらなく良い響きと雰囲気があります。


ペドロ・ソト チャランゴ

 ペドロ・ソトと言う人は、長い間アチャの元でチャランゴを製作していてその後独立した人らしく、チャランゴ製作の技術もアチャ譲りだとかで評判が良い様です。私のアチャのチャランゴと比べてみますとボディーが深く、まずこちらのモノの方が音が断然大きいです。ただ、トップはアチャよりきゃしゃだと思いますので、弦はテンションの低いモノを張る様にしてます。ネックはこちらの方が太めで、厚みもあります。ボディの材質はタルコとか言うモノの様ですが、ホントのところ定かではありません。
 ライヴ用にピック・アップを付けましたが、ギターなどと違いボディー・トップの面積が少ないため、ピック・アップを付けた事が鳴りにかなり影響してきます。と言うわけで、生音は小さくなってしまいました。ただ、ライヴなどではハウリングを防止しなくてはいけないので、それでOKなのですが…。


ジャンベルト・フェルヒノ・アルバ チャランゴ

 これは主に練習用にしてます。ボディは他のチャランゴよりも大きめですが、入手した当初は音の伸びがあまり無く、全体的に音が詰まってる感じがしてました。しかし、毎日弾き込む事によって音もかなり良くなって来ました。最近は相棒のよすおさんに貸し出されていて、FABROCKS REC. HOUSEでのレコーディング後の食事時にはよく弾いてます。
 ボディーの材質は何だか分からないのですが、マホガニーによく似た木目をしております(マホガニーのわけは無いと思いますが…)。


カルロス・ロメーロ 鉄弦チャランゴ

 鉄弦チャランゴはボリビアのポトシ地方の独特なチャランゴなんだそうです。大きさは普通のチャランゴよりも一回り以上小さく出来ています。呼び名の通り鉄弦、つまりスチール弦が張られていますが、弦が相当細いと言うのもあって、音量はかなり小さいです。チューニングも普通のナイロン弦チャランゴのチューニングではありませんでして、私はディアブロと言う調弦方法をとっています。勿論音域も普通のチャランゴより高く、その割りに耳に痛くないソフトな音質をしてます(他のチャランゴに比べ、音量は無いです)。普段なかなか耳にする事の無い魅力的な音をしてて、とても土着性の高いチャランゴです。


??? 鉄弦チャランゴ(ナカレアード)

 この鉄弦チャランゴは、ボリビアの北ポトシ地方ではとてもポピュラーなチャランゴです。実はこれは中古で、前の持ち主がリャリャグアと言う町で手に入れたモノらしいです。でも、リャリャグアって何処でしょう?いずれにせよ、遠〜い、遠〜い所から、巡り巡って私の所へ来てくれた奴です。大事にしてあげてます。しか〜し、作りはとても雑で、ビックリしてしまいます。そのくせ、音は悪くないから不思議です。


レネ・ガンボア ロンロコ

 ロンロコはチャランゴを一回り大きくした楽器で、ボリビアのフォルクローレ・グループ、カルカスと言うバンドが考案した楽器だと聞きます。調弦方法は別にこれと言って決りはないので、私は普通のチャランゴより5度低い、CFADАと言う調弦方法を用いてます。ロンロコの専用弦と言うのは見た事が無いので、普通のチャランゴの弦をそのまま張ってます。チャランゴ弦は、ロンロコの5度低い調弦でもテンションが丁度いいです。私は更に4コース目の複弦をガット・ギターの6弦に張り替える時もあります。その弦だけが浮いた感じがしますが、それはそれで味があります。レネ・ガンボアのロンロコはボディーもとても深く出来てるので、この様にガット弦を張っても、ボディーが弦に鳴り負けしません。


ペドロ・ソト ワライチョ

 ワライチョはチャランゴを一回り小さくした物で、音量もチャランゴに比べると遥かに小さいのですが、録音してみると、“コロンコロン”というとてもあいきょうの有る音をしてます。
 チューニングは、私はチャランゴと同じGCEAEにする時も有りますが、ADF#BF#とかにする時も有ります。当然、チューニングを変える事で音の鳴りやコードの響きは変わってきますので、ケース・バイ・ケースで使い分けてます。ライヴとかはまだほとんど使ってませんが、レコーディングではとても重宝してます。


レネ・ガンボア マンドリーナ

 所謂フラット・マンドリンなのですが、これは南米地方で使われるマンドリンで、普通のフラット・マンドリンとは少し形体が違います。ボディーの厚さは2インチ強程あり、普通のフラット・マンドリンに比べて少し厚めです。
 作りの方は、かなり南米的でしたので、実は購入後かなりしっかりリペアしました。ブリッジの位置を変え、ちゃんとオクターヴがとれる様にして有ります。音の方は、A型のフラット・マンドリンとも違い、南米的な(?)音がします。弦も南米産のテンションの緩いモノを使います。


アルパ

 アルパと言えばパラグアイ産の物が有名ですが、これはペルー産です。


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