ロキシー・ミュージック全盛期の1枚、『カントリー・ライフ』(1974年)です。レコーディングはあのジョージ・マーティンのスタジオ、『エアー』で行われてます。
メンバーはブライアン・フェリー(ヴォーカル&キーボード)、フィル・マンザネラ(ギター)、アンディー・マッケイ(サックス&オーボエ)、ポール・トンプソン(ドラムス)と言うオリジナル・メンバーの他、元カーヴド・ウエア、後にUK、ジェスロ・タルのエディー・ジョブソン(キーボード&ヴァイオリン)、元ザ・スリー、マージービーツ、クォーター・マス、後にイアン・ギラン・バンドのジョン・ガフタスンです。
中身の音も気になりますが、毎度毎度、ロキシーのジャケットには必ず、女性が登場しますが、聞いた話ですと、実は女性ではなく男性だと(元男性?)言う話を聞いたことがあります。私の観たところ、このジャケットでは向かって右側の人がその広い肩幅からそうなのではないかと思っております。………ま、そんなオヤジの様なことを言うのはどうでも良いこととして、音の方を聴いてみましょう。
ロキシーはブライアン・フェリーのその個性的な低音ヴォーカルもそうですが、とても特徴的な音を出します。中でもフィル・マンザネラのノイジーで個性的なギターの音色、そしてアンディー・マッケイのキャバレーっぽいサックス(どんなんじゃぁ!?)はロキシーの味になってます。更にオリジナル・メンバー勢のちょっと際物っぽい音に、ジョン・ガフタスンやエディー・ジョブソンの様なテクニシャンが絡み、独特のロキシー・ワールドを創ってるんだと思います。因みにドラムスのポール・トンプソンはとてもシンプルなドラマーです。と言っても只単にオカズを叩かないとか言う極端なタイプではなく、ちゃんとオカズも叩くのですが、とても控え目です。現在では自分の個性や奇抜さを出さずにプレイするドラマーが多いですが、当時としてはかえって珍しかったのではないでしょうか?
アンディー・マッケイはサックスでは“ブヒブヒ”と吹きますが、オーボエになりますと流石に“ブヒブヒ”とは吹けず、かなり正統派の音でサウンドを一転させてます。アンディー・マッケイのオーボエは4曲目の「アウト・オブ・ザ・ブルー」でも重要な役割を果たしています。それから、エディー・ジョブソンのエレクトリック・ヴァイオリンも忘れてはいけませんよ。