フィリー・サウンド、ノーザン・ソウルのコーラス・グループ、スピナーズのアトランティック時代のベスト・アルバムで、ディオンヌ・ワーウィックとのデュエットでヒットした、「愛のめぐり逢い」なども収録されていて、とてもポップなソウル・サウンドを楽しめるアルバムです。
このアルバムのプロデュースとアレンジは、あのフィラデルフィア・サウンドの雄、作曲家のトム・ベルで、実は私の好きな作曲家のウチの一人であります。トム・ベルはスタイリスティックス、デルフォニックスなどのプロデュースも行っていて、彼の作る曲は決して泥臭くなく、とてもポップ&メロディックで、フィラデルフィア・ソウルそのものと言う感じです。また、アレンジ面では弦以外にも、エレクトリック・シタールなども多用してまして、あの楽器を最も美味しく使ったのもトム・ベルだと言う印象が私にはあります。
スピナーズの出身はフィラデルフィアでなくミシガン州で、アトランティック以前はモータウンに所属してました。モータウン時代はスティービー・ワンダーのプロデュースで、「イッツ・ア・シェイム」と言うヒットも飛ばしておりましたが、やはりヒットを量産したのは、アトランティック時代です。リード・シンガーはG.C.キャメロンと言う強力な歌い手から、フィリップ・ウィンと言うシンガーに代わりましたが、そのアトランティック時代はトム・ベルのプロデュースするポップな曲と上手くフィリップ・ウィンの歌がマッチしてたと思います。