ウィッシュボーン・アッシュ、1973年リリースの当時2枚組ライヴ・アルバム、『ライヴ・デイト』です。
1973年6月の英国ツアーでの演奏を収めたもので、メンバーはオリジナル・メンバー、アンディー・パウエル(ギター&ヴォーカル)、テッド・ターナー(ギター&ヴォーカル)、マーティン・ターナー(ベース&ヴォーカル)、スティーヴ・アンプトン(ドラムス)の4人で、テッド・ターナーはこの後にグループを脱退してますので、これがオリジナル・メンバー一応最後の作品です(後年、またオリジナル・メンバーが集ったりはしましたが……)。
1曲目から3曲目は、1972年リリースの彼等のサード・アルバム、『百眼の巨人アーガス』からのナンバーで、アナログ盤での1枚目の片面全てを締めてました、「キング・ウィル・カム」〜「戦士」〜「剣を棄てろ」の名演メドレーです。「キング・ウィル・カム」はクロイドンの『フェアフィールド・ホール』、「戦士」と「剣を棄てろ」はニューカッスルの『シティー・ホール』と言うところでの演奏だそうです。「キング・ウィル・カム」での使用ギターですが、アンディー(スピーカー、向かって左側)は当然、ギブソンのフライングVですが、テッド(スピーカー、向かって右側)の方は、私が思うに、シングル・コイル・ピック・アップのギターであることは間違いありませんが、これはフェンダー・ストラトキャスターではなく、バーンズのギター(又は、ボールドウィン:バーンズはある時期からボールドウィンの傘下のギター・メーカーになってた時期がありました)ではないかと思います。ま、いい加減な私の言う事だから、話は半分くらいに聞いておかないといけないと思いますが……。ストラトとバーンズの音の違いは、口で説明するのは難しいですが、バーンズの方が“シャラ〜ン”と言うストラよりも更に乾いた感じの音で、ストラトの方が同じ高音域でも力強さ(芯がある感じ?)があって、“ジャラ〜ン”って感じ………って言っても分かりますか?こんな説明で……。途中のブリッヂの高音部のアルペジオの音がどうもストラトに聴こえないのですがね……皆さんはどう思われますか?「戦士」は、ヴァイオリン奏法を使ってるところがあるのでストラトかもしれませんね(ヴァイオリン奏法:ヴォリューム奏法とも言います。いわゆる、右手でピッキングする時に小指でボリューム・ノブを操作する方法、ヴォリューム・ペダルでも出来ますが、この頃はボリューム・ペダルはそれ程頻繁には使われていなかった様です)。
しかし、この3曲のギター・ソロはどれもグッと来ます。
4曲目の「ロックン・ロール・ウイドウ」、どこかで聞いたことあるタイトルが付いてますが、勿論こちらが先です。作曲はドラマーのスティーブ・アンプトンでヴォーカルはテッド・ターナーでしょうか?テッドのテープ・エコーを掛けたスライド・ギターが印象的です。
5曲目の「ビーコンのバラード」は3拍子の曲です。ギター・ソロもアンディー節が冴えてるいいプレイですね。ヴォーカルは最初がアンディー、サビがマーティン・ターナーでしょうかね?
6曲目は「ベイビー・ホワット・ユー・ウォント・トゥ・ドゥ」はシカゴ・ブルースの巨匠、ジミー・リードのカヴァー・ナンバー。ここでもテッドのスライド・ギターが活躍してますが、圧巻は、アンディーとのスライド・ハモ・ギター!流石はツイン・リード・ギターの代名詞、ウィッシュボーン・アッシュです。
アナログ盤ではここから2枚目のディスクになります。
7曲目、「巡礼」はインスト・ナンバーです。
8曲目、「ブローイン・フリー」も『百眼の巨人アーガス』からのナンバーです。ヴォーカルは3人で仲良くハモっております。元々、ウィッシュボーン・アッシュはデビューした頃、「C.S.N.&Y.のエレキ版」みたいなプロモーションをされてましたね。ハモ・フレーズではアンディとマーティンのベースとのハモなんてのも演ってます。
9曲目は「ジェイル・ベイト」はシャッフル・ナンバー、ツイン・リードの掛け合いがライヴをヒート・アップさせていってます。ここでのテッドのギターもバーンズかなぁ?と私は思っちゃうのですが、どうなんでしょうか?
10曲目、「レディー・ウィスキー」では、途中テッドのギターがヨレヨレになってしまう部分もありますが、私は全ッ然気にしません。8〜10曲目はライヴの終盤、盛り上がります。実際この時のライヴがもし観れたらどんなにエキサイティングな事でしょうか!そして、最後は17分以上もの大熱演、「フェニックス」です。17分と言う長時間に渡る演奏ですが、ついつい聴き入ってしまうのであります。