1978年にリリースされた、マグマ再結成後の初アルバムが、この『アターク』です。
マグマって何処のバンドかって?フランスと答えていいのか、それとも本人達が言ってる様にコバイア星のバンドと答えていいのかは分かりませんが、このバンドの主がクリスチャン・ヴァンデと言うドラマーであることは間違いないです。
彼はこのアルバムではヴォーカルも務め、実に多彩な才能を持ってるのですが、ドラマーとしてだけもかなり強力です。なんでも、ジョン・コルトレーンにそうとう傾倒してたのだそうですが、コルトレーンが死去した時に隠遁生活に入ってしまい、その直後、神の啓示を受けたとかで、架空のコバイア星の使者となってしまうのでした(日本にも、「我が輩は悪魔だぁ〜!」と言ってるアーティストがいますが……)。
このアルバムで歌われてる言語は全てコバイア語で、いわゆるヴァンデが勝手に作った言葉なのですが、聴くと、どうもデタラメには聞こえないところが凄いです。サウンドは、いわゆるアバンギャルドなジャズ・ロックですが、アレアとかソフト・マシーンとかを普段聴いてると、べつに違和感なく聴くことが出来る、大変質の高い作品だと思います。マグマの他のアルバムに比べ、曲の長さもコンパクトで、聴きやすいはずです(……と言っても、ナンですが……)。
独特のヴォーカル、超絶テクニックのドラムス以外にも、ベースのテクニックも物凄いので、テクニック派のベーシシストにも聴く事をお薦めします。