『安田しん二 お薦めCD』
CD、今日の一枚

私、安田しん二が今日聴いたCDで、グッと来たものを紹介致します。

2002年10月1日火曜日
RICK WAKEMAN 『JOURNEY TO THE CENTRE OF THE EARTH』

 このアルバムを初めて聴いたのは、たしか中学1年生と時だったと思います。リック・ウエイクマンはその頃ちょうど日本に来る直前でした。オーケストラとロックの融合は、これが初めてだったので凄く新鮮でした。
 私は当時学校のブラス・バンド部に所属してて、まわりの部員はクラシック(交響曲)好きが多かったので、部で次に演奏する曲を決める時、「『地底探検』を演ろう!!』と言って、みんなに「なんだぁ、そりゃ?」って言われたのを思い出します。

2002年10月2日水曜日
ANDREW GOLD 『ALL THIS AND HEAVEN TOO』
 昨日の台風、凄かったです。しかし変わって、今日は物凄く良い天気です。風もそこそこ吹いて、雲なんて一つもありません。こんな日には、けっこう西海岸の音楽が合いますね。アンドリュー・ゴールドはリンダ・ロンシュタットのバック・バンドのメンバーって事で、“ザ・ウエスト・コースト”ってイメージがありますが、実はマルチ・ミュージシャンとしても有名です。
 私辺りが目標としてる音楽家とは、マルチな才能を持った人。それは、トッド・ラングレン然り、ポール・マッカートニー然りです。勿論、このアンドリュー・ゴールドもその一人ですね。最近の私は、マルチはマルチでも、南米方面に目が向いてしまっていまして、ちょっと変なマルチ・ミュージシャンになろうかとしていますが………ま、それもいいかぁ。

2002年10月8日火曜日
SINTESIS 『EN BUSCA DE UNA NUEVA FLOR』
 今日のバンドは、キューバのプログレシヴ・ロック・バンドです。
 いつかはキューバと言う国に旅行してみたいとは思ってるのですが、いやはや、プログレシヴ・ロック・バンドがあったとは……。

2002年10月9日水曜日
MAGMA 『ATTAHK』
 遂に出たぁ!!フランス人の…いや、コバイア星人のバンド、マグマ!!言語はフランス語ではなく、勿論コバイア語で歌われてます。勿論、ポップス・アルバムではなく、アバンギャルドなジャズ・ロック・アルバムなのですが、一度聴き始めると、思わず最後まで聴いてトリップしちまいそうになってしまう、そんなアルバムです。

2002年10月10日木曜日
CITTA FRONTALE 『EL TOR』
 イタリアのプログレシヴ・ロック・バンド、チッタ・フロンターレですが、これは私が18歳の頃とても良く聴いたアルバムです。これは、私が聴いていたプログレシヴ・ロックの中では、雰囲気が他とはかなり異なるモノでした。初めて聴いたイタリアものはやはりP.F.M.でしたが(それとも、やっぱりヒデとロザンナになるのかなぁ?)、チッタ・フロンターレのこの『雷神』は、イタリアン・ロックのイメージをまた一つ広げてくれた作品でした。

2002年10月11日金曜日
MODRY EFEKT 『SVET HILEDACU』

 今日は旧チェコ・スロヴァキアのバンドです。このアルバムは1979年のリリースですから、勿論冷戦時代の作品です。ちょうどこの頃、私の兄貴がヨーロッパ一週一人旅をして来たのを思い出しました。当然チェコにも寄ったのだそうですが、そのチェコで、日本のダイエーで買って行った安〜い電算機を道端で誰かに買って貰おうと思ったら、凄い人だかりが出来てしまい、「じゃあ、ジャンケンで買った人に売りま〜す(日本語じゃないと思います、多分…)」と言って、チェコなりのジャンケンだかの様なモノで決めたのだそうです。買った人は驚喜乱舞し、嬉しさを表現する為に兄貴の身体中を触りまくり、抱きしめ、ほおずりをし、それはそれは兄貴にとってはかなりのカッルチャー・ショックだった様です。私は、だったら「若い女性限定!!」って言えば良かったのに、って思ったモノでしたが、私ゃぁこの頃からオヤジだったのでしょうか……?
 さて、ここのところ暫くプログレ系が続いてますね。でも、このアルバムの面白いところは、アルバムはプログレシヴ・ロックなのですが、6曲も入ってるボーナス・トラックが全然プログレシヴ・ロックではなく、ポップスなところです。ディープなプログレシヴ・ロック・ファンはこう言うのを「ポップ過ぎるぞよ!」とかって言っちゃって、ダメかもしれませんが、私はポップもライライラ〜イ好き(大好き)ですから、けっこう面白がって聴いてます。

2002年10月14日月曜日
FRANK ZAPPA 『SHEIK YERBOUTI』
 遂に出てしまいました、フランク・ザッパ大先生!実の事を言いますと、今自分が一番影響を受けたいアーティストがこのフランク・ザッパ大先生であります。ユーモアといい、そのちょっとヤバイ歌詞といい、そんでもって実はとても高い質を持っている………、凄いです、やっぱり。

2002年10月15日火曜日
NICK LOWE 『LABOUR OF LUST』
 最近、プログレシヴ・ロックとか、ザッパとか濃いモンばっかりが続きました。秋で涼しくなると、そう言う音楽も聴きやすいですね。しかし今日はガラっと一変して、ミスター・パブ・ロックのニック・ロウです。
 実は10数年前、私のサウンド・プロデュースした某アーティストのアルバムの曲を集めてたので、昔バンドを一緒に演った事のあるX君に声を掛けたら、凄く良い曲が出来てきました。でも、リリース後数年して分かったのですが、それはなんとニック・ロウの「恋するふたり」のパクリすれすれの曲だったのです(参ったなぁ〜)。今から考えると、デモ・テープなんてそうとう「ヤバイ!!」ってくらい似てました(曲を選考する時には、デモの印象は大きいです)。そのデモ・ヴァージョンは、とてもドラムスが凝っててカッコ良かったのですが、私が他の曲との兼ね合いもあって、もっとシンプルなパターンにしてしまったのです。彼はそう言う場合、大抵ムキになって怒る事が多いのですが、その時は全然怒りませんでした。私も「気持ち悪いなぁ」とは思いましたが、珍しくX君が怒らないのは、私のサウンド・プロデューサーとしての立場を尊重してくれたのとばかり思い込んでました。出来上がりは結局、それが幸いして印象も随分変わりましたが、聴く人が聴けば、「!!」って思うかもしれません。
 このニック・ロウのアルバムを初めて聞いた時、彼のパクリすれすれにはがっかりしましたが、ホントはそれを見破れなかった自分に責任があると思ってます。勉強不足を痛感した思いでした。

2002年10月16日水曜日
BADFINGER 『STRAIGHT UP』
 レコーディング・スタジオに行く時に、私は“リファレンス用CD”と言うのを何枚か必ず持って行きます。エンジニアなども必ず“リファレンス用CD”ってのは持って来ますが、やはり、スタジオの音と普段自分が聴き慣れてるスピーカーの音とのギャップを埋める意味でも、聴き慣れたCDは必要です。
 このアルバムは、私が“リファレンス用CD”として、必ずスタジオに持って行く1枚です。ピアノの音、ベースの低音感、バランス、全てにおいて参考になるCDです。マスタリングは、アビーロードでマイク・ジャレットとピーター・ミューが担当してます。

2002年10月17日木曜日
LONE STAR 『LONE STAR』
 ローン・スターは、私が高校生の時によく聴いたバンドなんですが、キーボードにツイン・リード・ギター、おまけにドラムスはツー・バスって来たもんだから(そんなのが理想でした)かなりシビレテしまい、私は「ローン・スターみたいなバンドを作ってプロになるんだぁ!」などと思ったモンでした。しかし、不思議な事に回りにローン・スターを良いと言う人間がほとんどいなく、このバンドのコピーは一度も演った事は無いのであります。

2002年10月18日金曜日
YOCKIE guest star CHRISYE 『JURANG PEMISAH』
 私はこの作品を知るまで、インドネシアにロック・シーンがあったなどと知りませんでしたが、こいつは良いアルバムです。カルチャー・ショックでした。ところで、これはインドネシア語?普段イタリアのロックとかを聴いてると、ヴォーカル・サウンド的にも違和感がありません。
 1970年代にこういう素晴らしい作品を同じアジアのアーティストが演ってたなんて、日本人もうかうかしてられません。

2002年10月19日土曜日
KANSAS 『MONOLITH』
 このアルバムがリリースされた頃、一人で『日本武道館』にカンサスを観に行きました。かなり良い内容のコンサートでした。アルバムもどれも素晴らしく、とても好きでしたが、コピーをするとなると、「カンサス演ろう!」と言う友人はいませんでした。何故でしょうか?先ずは、歌がハイ・トーンでヴォーカリストが嫌がる。ギターは南部系のサウンドで、ギタリストが嫌がる。キーボードは機材が無い。ヴァイオリンなんて、弾く奴がいない。いたとしても、そいつらは私達とは遊ばない。……とまあ、こんな理由だったと思います。

2002年10月20日日曜日
URIAH HEEP 『LIVE』
 ユーライア・ヒープ、まだ現役のこのバンドは何と、30年以上ハード・ロックを演り続けております。エライです。素晴らしいです。この様な頑張ってるバンドを聴くと、ミュージシャンはやはり太くても細くても、長く演り続ける事が大事だと痛感します。ロックは年齢ではありませんよね。
 因みに、このアルバムは今から29年も前の彼等の全盛期バリバリの頃の作品。シビレます!

2002年10月21日月曜日
RUSS BALLARD 『RUSS BALLARD』
 ラス・バラード。ソングライターとしても有名なギタリスト&ヴォーカルで、マルチ・プレイヤーでもある彼が、実は盲目だったと言うのは、最近になって初めて知りました。
 彼が昔いたバンド、アージェントは中学の時にとても好きだったバンドでしたが、近所の何処のレコード屋さんに行っても置いてありませんでした。勿論、当時読んでいた音楽誌で紹介されたこともほとんど有りませんでした。それを何故知ったかと言うと、ラジオです。昔はラジオ局で、この様なアーティストが頻繁に紹介されてた良き時代でした。今は、何処でも嫌という程聴く事が出来る、邦楽や洋楽の売れ筋ばかりが掛ってるように思えてなりませんね。時代の流れでしょうかね?寂しいです。

2002年10月26日土曜日
TODD RUNDGREN 『HERMIT OF MINK HOLLOW』
 トッド・ラングレンと言う音楽家は、私は以前はそれ程意識した存在ではありませんでした。当然、レコードも持っていましたし、ユートピアの日本公演も観てるわけですが、正直なところ音楽そのものは特別好きだったわけではありませんでした。しかし、“アナログ・レコーディング”に目覚め、自らエンジニアリングなどもやり始めると、次第に彼が自分の目標とするスタイルに極めて近い存在だと言う事に気付き始めました。昔、ミラクルシャドウ時代に、FM局などにプロモーションに行きますと、よく局の方から「トッド・ラングレンに似てますね」と言われたのも意識する切掛けだったかもしれません。音楽的なルーツはまるで違うと思うのですが、この頃の彼の目指したものには共鳴できます。当然の成り行きかも知れませんが、現在のトッドがアナログの道をきっぱりと捨て、デジタル・テクノロジーまっしぐらになってしまってるのが、個人的に残念でなりません。


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