旧チェコ・スロヴァキアが誇るプログレシヴ・ロック・バンド、MODRY EFEKTの1979年リリースの6作目、『SVET
HILEDACU』です。BLUE EFFECTと言うバンド名で数枚のアルバムを出してますが、どうやら、西側向け用の英語名でもある様です。
メンバーはリーダー格のRADIM HLADIK(ギター)、OLDRICH VESEL(キーボード)、LESEK SEMELKA(キーボード)、そして、VALDO
CECH(ドラムス)と言う4人編成で、このアルバムでベースのFEDOR FRESOなる人物が抜け、LESEK SEMELKAが出戻り、ツイン・キーボードになったのだそうな。
音の方はいわゆるシンフォ・ロックと言うヤツで、キーボードで音の厚みを出す、最近の音の組み立て方を、この頃もう既に演っております。ドラムスの音も、キックとかが1980年以降のコンプでつぶしたアタック感があるハッキリした音で、その他の音の印象も1970年代と言うよりは、もっと新しい雰囲気があります。この辺は、当時の東側のスタジオ事情を考えても凄い事だと思います。このバンド、そう言う意味でもチェコ国内でもそうとう進んだバンドだったのではないでしょうか。
ヴォーカルは太く、力強く歌い上げる熱唱型で、声質の方は「ジプシー・キングスに似てるなぁ」と私は思います。言語は、多分チェコ語、もしくはスロヴァキア語かな?私には何語かは分かりませんが、音楽的にも違和感はありません。
アルバムは全5曲にボーナス・トラックが6曲も入ってますが、このボーナス・トラックの方は、どうやらシングル・カットされた曲を集めたモノの様です。これが全然プログレでないく、同じバンドのモノとは思えないほどポップス指向になってるところが、かえって興味深かったりします。まあ、「これがチェコかぁ」と言う様な特に際立ったところはないのですが……。