1979年のフランク・ザッパ大先生の2枚組(アナログ盤、CDは1枚で収録)のアルバムです。
この頃の主だったメンバーは、ザッパの他は、エイドリアン・ブリュー(リズム・ギター、ヴォーカル)、テリー・ボジオ(ドラムス、ヴォーカル)、トミー・マース(キーボード、ヴォーカル)、ピーター・ウルフ(J・ガイルズ・バンドのヴォーカルとは同名異人。キーボード)、パトリック・オハーン(ベース、ヴォーカル)、エド・マン(パーカッション)……等、でした。
1曲目からピーター・フランプトンの「アイム・イン・ユー」のタイトルをもじった、「アイ・ハヴ・イン・ユー」で始まり、2曲目の「フレイクス」に見事に繋がっていきますが、この「フレイクス」ではボブ・ディランをパロったエイドリアン・ブリューのヴォーカルがおかしかったりします。さすが、フランク・ザッパ大先生。このあたりのユーモアと、際どい歌詞は流石に面白いです。「フレイクス」は曲調がドンドン変わって行って楽しめます。“One,
two, three, four!!!”と誰かが何度か叫びますが、これが後々の曲でもしつこいくらい出て来ます。時にはワザと少し突っ込んだリズムで叫んだりしますが、まるで当時流行してたパンク・ロックを皮肉ってる様でおかしいです。
このアルバム意外な事ですが、実はほとんどがベーシックはライヴ録音で、それにスタジオでのオーヴァー・ダビングをたっぷりとして、ライヴ+スタジオ録音ならではのノリと、不思議な音空間を創りだしてるところです(因みに、エンジニアのジョー・チカレリは、私が久松史奈と言うアーティストに曲を提供したときのエンジニアですが、やはり流石な技術を持った人だなと思いました……)。
私自信、フランク・ザッパのアカデミックな音楽性を全面に出した作品も好きですが、このアルバムの様な、ユーモアたっぷりの作品も大好きです。私がこのアルバムを最初に買ったのはリリース直後、もちろんアナログ盤でしたが、当初、事もあろうに輸入盤で購入してしまい、英語の歌詞が全く分からなかったのです。改めてCDで購入するときは、訳詞付きの日本盤を買い、お陰で何倍も楽しめました。もし、これからフランク・ザッパを購入しようという人がいるのであれば、是非訳詞付きの日本盤を買って欲しいですね。