インドネシアのハード・ロック・バンド、ゴッド・ブレスのキーボード奏者、ヨッキーが1977年にインドネシアの代表的シンガーのクリッシーを起用して創ったコラボレーション・アルバムです。
ジャンル的にはプログレシヴ・ロックに分別してるファンの方も多いと思いますが、2曲目が大曲(この曲はたしかにプログレしてます)でちょっとだけキーボードがトニー・バンクスっぽかったりしてるせいなのか、他の曲も全般的にソリーナにフェイザーを掛けてパッドとして弾いてるからなのか……、私の印象としては、「プログレかな?」と思われる部分もありますが、やっぱりコンセプトはあくまでも“歌ものポップス”だと思います。メロディーはどれも親しみやすく、とても美しいメロディー・センスを持ちあわせています。特に1、2曲目のナンバーは美しすぎるほど美しいメロディーです。インドネシアと言うから、もっとガムランとかを使った民族音楽との融合が見られるかと思えば、その辺の部分は皆無です。ちょっと聴いたところにもその辺りの泥臭さ、民族臭さがまるでなく、例えヨーロッパの作品だと言われても納得してしまう事でしょう。
ヨッキーが在籍してるバンド、ゴッド・ブレス(入ったり出たりしてましたが、このバンドは今だに健在だとか)は一時期洋楽ロックの曲をびしばしパクってファンを笑わせた、パクリに関しては日本で言うところのドリ○ムもまつぁお!ってバンドだったのらしいですが、私はまだ聴いた事がありませんので、その辺のコメントが出来ないのが残念。しかし、このヨッキーのアルバムはとてもオリジナルティーに溢れていて、メロディーの感性も決して洋楽に退けを取らないクオリティーです。けっこうプログレ・ファン以外にもお薦め出来ます。