ユーライア・ヒープ、私が思うところの全盛期のライヴ・アルバムです。このアルバムは1973年1月のブリティッシュ・ツアーのライヴのものらしいです。メンバーは、デヴィッド・バイロン(ヴォーカル)、ケン・ヘンズレー(キーボード、ギター、コーラス)、ゲイリー・セイン(ベース、コーラス)、リー・カースレイク(ドラムス)、ミック・ボックス(ギター)と言う5人です。
このライヴの聴きどころは、何と言ってもアナログ盤では1枚目のА面にあたる、コンサート序盤のナンバーです。イントロダクションから「サンライズ」に繋がる1曲目は、他のハード・ロック・バンドの様にスピード感で押すのではなく、あくまでもドラマティックにヒープらしく始まるのがカッコイイですさい、「スイート・ロレイン」、「トラベラー・イン・タイム」や「イージー・リビン」までの繋がりと言い、勢いがあります。プレイでは、リー・カースレイクのキレの良いドラミングと、何と言ってもゲーリー・セインのベース・プレイに尽きます(フェンダー・ベースを使用してます)。彼のベース・プレイは独特で、弾きまくるタイプなのですが、同じ弾きまくるタイプのティム・ボガードやジャック・ブルースなどとはまた違い、とてもメロディックにベースを弾きこなします。「七月の朝」は、スタジオ盤は彼が加入する前のものでしたが、聴き比べてもらっても、ライヴ・ヴァージョンの方が断然名演・名曲になってます。これはベースのメロディー・センスの良さに寄るところが大きいと私は思います。もしも、ハード・ロック・ベーシストが絶対に聴かなきゃいけないアルバムがあるとしたら、私はこのユーライア・ヒープの『ライヴ』だと思います。因みにこの後、ゲイリー・セインは感電事故が原因で再起不能となって脱退、死去しております。