TODD RUNDGREN 『HERMIT OF MINK HOLLOW』

1. ALL THE CHILDREN SING
2. CAN WE STILL BE FRIENDS
3. HURTING FOR YOU
4. TOO FAR GONE
5. ONOMATOPOEIA
6. DETERMINATION
7. BREAD
8. BAG LADY
9. YOU CRIED WOLF
10.LUCKY GUY
11. OUT OF CONTROL
12. FADE AWAY

 トッド・ラングレンの通算8枚目のソロ・アルバム、1978年リリースの『ミンク・ホロウの世捨て人』です。この頃、自分のバンド、ユートピアと平行して活動していたトッドですが、この前年リリースのユートピアのアルバム、『悪夢の惑星』がアメリカン・プログレ・ハード的なサウンドでしたが、こちらは曲調こそ違いますが、この頃はまだ珍しかったポリフォニック・シンセサイザーなども随所に使うところあたりは、ユートピアのサウンドにも近いです(ユートピアはロジャー・パウエルがヤマハのGX−1と言うエレクトーンのお化けを使ってます。この頃のヤマハは名器CS−80なども発表してまして、ポリフォニック・シンセでも突出したメーカーでした)。

 さてこのアルバム、『ミンク・ホロウの世捨て人』ですが、アナログ盤では、“イージー・サイド”と“ディフィカルト・サイド”で分かれてましたが、CDになってみると、最初から最後まで違和感なく聴けます。ただ、ポップはポップでもトッド独特のひねりはそうとう利いてます。先程も書きましたが、ポリフォニック・シンセもそうですが、トッドのギターも個性的です。この頃は主にフェンダーのムスタングを使ってましたが、ムスタングにコーラスやフランジャーやら掛けるとモロこの音になります。
 2曲目の「友達でいさせて」(ナント、悲しいタイトルだこと。トッド、いじめられっ子だったのかなぁ?)は、トッドの歌でも29位と言うスマッシュ・ヒットを記録しましたが、ロバート・パーマー、ロッド・スチュアート、ウィルソン・ブラザースなどもカヴァーしております。
 9曲目の「うそつき」はトッドの「ウルフマン・ジャック」の続編っぽいです。
 10曲目の「ラッキー・ガイ」は、ピアノ・バラードなのですが、途中からクイーンが初期によく演ってたギターのオーヴァー・ダヴを駆使した曲です。詞の内容ですが、「どんな高い山も恐れない連中なんてちっともホンものじゃないさ〜〜」と始まり、でも最後は「彼はラッキーな男に違いない。僕もなりたい、ラッキー・ガイ」と締めてます。クイーンの事かなぁ?ちょっと考え過ぎですね、きっと。
 11曲目の「フェイド・アウエイ」は、ハイハットの逆回転を上手く使った、ブルー・アイド・ソウル。こう言うソウルっぽいナンバーは、彼が以前プロデュースしたホール&オーツにも通ずるところがあります。たまに黒っぽいバラードを演る辺りもトッドの魅力であり、彼の音楽性の幅の広さを感じさせます。


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