QUEEN 『QUEEN 2』

1. PROCESSION
2. FATHER TO SON
3. WHITE QUEEN (AS IT BEGAN)
4. SOME DAY ONE DAY
5. THE LOSER IN THE END
6. OGRE BATTLE
7. THE FAIRY FELLER'S MASTER-STROKE
8. NEVERMORE
9. THE MARCH OF THE BLACK QUEEN
10. FUNNY HOW LOVE IS
11. SEVEN SEAS OF RHYE

 1974年、日本に凄いバンドの凄いアルバムが紹介されました。それがこのクイーンのセカンド・アルバムです。デビュー・アルバムは日本国内では、このセカンドの後にリリースされたので、デビュー当時はそれほど注目を集めてなかったんだろうと思います。
 私が初めてこのアルバムを聴いたときの印象は「未だかつて聴いた事が無い不思議な音楽」でした。偉大なバンドと言うのは、往々にしてジャンル分けが難しいです。このクイーンも当初は、どこにジャンルを分けていいか分からないバンドでした。最初はグラム・ロック辺りに、その後ハード・ロックにと、中学生当時の私はプログレ・ハードだと思ってました。しかし、今になって考えると、何処にも当てはまる様で当てはまらない、「クイーンはクイーンだ!」と言うのが一番ピッタリ来る気がします。それはビートルズも然り、最初はマージー・ビート、ビート・ポップス的なロックン・ロール・バンドと言われてましたが、その当時から、ソウルフルなナンバーを演奏したり、ジャンルにはとらわれていなかったと思います。
 ビートルズ同様、クイーンもスタジオで発揮する音楽性はかなり高く、多重録音を駆使した独創的な音創りが身上です。しかも、シンセサイザーやキーボード類を使わずして(ピアノは使ってましたけど)、不思議なサウンドを創り出して来たのです。一つは分厚いコーラス。そしてブライアン・メイのギターです。ブライアン・メイは200年以上も前の暖炉の木を使って、父親とギターを手作りしました。そのギターはレッド・スペシャルと言うんだそうですが、当時は“魔法のギター”だと思われてました。その“魔法のギター”の可能性を120%引き出す為に、あらゆる方法をとって、サウンド創りをして来ました。その一つが・ギター・オーケストレーションで、普通は和音を弾くときはコードを押さえて“ガツ〜ン”と一発で弾きますが、あえて単音を多重録音で重ねて和音を創る独特のサウンドです。時にはヴァイオリン奏法(ピッキングするときにヴォリュームをしぼり、ピッキングしてからヴォリュームを上げて、ヴァイオリンを弓で弾いた様なサウンドにする)で重ねたり、実に様々方法を使い分け、ギターの可能性を引き出しながらサウンドの色を付けていったのです。

 このクイーンのセカンド・アルバムは、前半(А面)は主にブライアン・メイの曲を集めた“ホワイト・サイド”、後半(B面)は、フレディー・マーキュリーの楽曲を集めた“ブラック・サイド”と言う具合に、バンドに2人の優秀なソング・ライターが存在するすると言う事を充分にアピールしています。また、多くの若い世代の人達が持ってるクイーンのイメージが、「ウィー・アー・ザ・チャンピオン」以降のモノだとすると、それ以前の“美しく、完成されたクイーン”の姿が見えて来ます。1970年代のロック界に金字塔を打ち立てたこのアルバム、もし聴いた事が無い人がいたら絶対にお薦めします……、いや、聴かなきゃ人生の何パーセントか損をしますよ。


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