プロデュースでありアーティストでもあるテリー・メルチャーと、ロサンゼルスを拠点にキーボード・プレイヤーとして活躍してた(このアルバムではギターとベースも担当)のジョン・ホッブスの2人が1979年にリリースしたフリーウェイと言うユニットの唯一(だと思う、多分)のアルバムです。
この2人に、元ラトルズのリック・ファター(ドラムス)、ジミー・セイター(パーカッション)、元キング・クリムゾン、キャメル、サーカスのメル・コリンズ(サックス)、J.D.マネス(スティール・ギター)のサブ・メンバーを加えて創られたアルバムです。
テリー・メルチャーと言えば、ソロ・アーティストとしてもアルバムをリリースしてますが、バーズやポール・リベラ&レイダースのプロデューサーとしても知られ、後にビーチ・ボーイズに加入する事になる、ブルース・ジョンストンとはコンビを組んで様々な活動をしてました。ブルース&テリーと言うデュオを結成しり、リップ・コーズなどのプロデュースなどをしてた事もあります。また、ブルース・ジョンストンのソロ・アルバムも彼がプロデュースしました。
それから、彼はなんとドリス・デイの息子でもあり、小さい時から音楽における恵まれた環境の元に育ちました。音楽仲間にもフィル・スペクターやジャン&ディーンと言った人達がいたのです。
このアルバムはイギリス録音と言う事で(ミックスは『トライデント・スタジオ』、クイーンとかのスタジオです。スペシャル・サンクスにはルパート・ハイン等の名前もクレジットされてます)、メル・コリンズなどのイギリスのプレイヤーも参加してますが、やはりペダル・スティール・ギターをフューチャーしたりして、良きアメリカンな味はしっかり残ってます。それから一曲目の「アイ・ラヴ・ザ・ミュージック」などは、コード進行とかが何処かスティーリー・ダンを思わせる所がありますが、ヒネリはあってもしっかりポップなサウンドにキメてます。スタジオに精通してたテリー・メルチャーの作品らしく、サウンド的にも1979年の時点ではかなり進んだ所にあったと思いますが、何よりもどの曲もポップだと言う所が流石です。