ミラクルシャドウ時代の懐かしき社員(?)旅行をレポート。
この低予算でこんなに楽しい、3泊5日の珍道中。
これからロサンゼルスに行ってスポーツ観戦しようと思ってる方、
また、ロサンゼルスで楽器を買って来たいと思ってる方も必見!?

『奇跡の大ツアー』旅日記

1999年 at ロサンゼルス

 1999年最後を飾る一大イベントとして、ミラクルシャドウでは11月29日から12月 3日までの3泊5日の“ロサンゼルス楽器買い出しツアー(ミラクルシャドウの奇跡の大ツアー)”に行く事になりました。グループのメンバーは安田しん二吉岡よすお、『奇跡の軽音楽』のディレクターの櫻井隆章さん、そしてミラクルシャドウの新メンバーのギタリスト&ヴォーカリストのチンパンの4人です。

 今回の予定としては、スポーツ観戦などの観光、そして勿論楽器を買う事もありますが、なかでもミスター・メロトロン(メロトロン屋さん)ことD.K氏に会う事にあります。しかし、このKという男、「12月1日には戻ってるからその時に来るならOKだよ」と私達に言っときながら、いざ確認の連絡をとってみると、「12月1日?あー、そん時は旅行へ行くんで居ないわ」などと(勿論英語で)しゃあしゃあとおっしゃるので、櫻井さんは「おめぇーが12月1日っつうから、日本からわざわざ行くんだべよ〜!!!!!」と言ったそうです。はたしてこの男に会う事は出来るのでしょうか!!?

1999年11月29日月曜日
新東京国際空港(成田) by安田しん二

 渡米便は成田発マレーシア航空92便、17時45分出発予定の便です。
 当日は、成田の第2ターミナル出発ロビーに15時45分集合という事になり、よすおさん、櫻井さんは別々に電車で、私とチンパンは私の車で神奈川(藤沢)方面から行くという事になってました。
 私とチンパン組は予定時間より30分早く空港に到着、よすおさんは5分前にぎりぎりの到着、そして櫻井さん………、こ、こ、こ、来ない!!………と、思ったら、あっちの方でキョロキョロと集合場所を探している怪しげな人物が!!すかさず携帯電話で「櫻井さーん!!そっちじゃないよ!もっと右、もっと右(UFOキャッチャーかぁ〜!)」な〜んて感じで教えてあげると、やっと私達3人を発見。「いやいや、どもどもども」といつもの調子で挨拶を済ませると、そのまま直ぐにカウンターへ行き、チェック・インしました。マレーシア航空は今どき珍しい喫煙席がある飛行機で運行をしてる為、よすおさん、櫻井さん、チンパンのスモーカーは喫煙席、嫌煙家の私は1人だけわがままにビジネス・クラスで禁煙席へと、めいめいに席を分けて行く事にしました。
 チェックを終えてチケットを貰うと少し時間が余るので、「軽く何処かでお茶でも」という事になり、空港内にある食事の出来る所でお茶を(私と櫻井さんは当然ビール)飲みながらミーティングをし、今回の旅行の予定をたてました。
 先ず1日目は、空港に着いたらレンタカー屋に専用バスで行き、そこでレンタカー(『ダラー・レンタカー』と言う会社です)を借り、その後楽器屋さんを何軒か廻り、それからホテルにチェック・インし、少し休んで(といっても30分位。ここでう○こをしてもいい。飛行機に長時間乗ると、お腹にガスが溜まります)から夜にNBAの試合を『ステイプルス・センター』に観に行くという事にしました。
 今回の企画、『奇跡の大ツアー・レポート』では、この旅行がいくらで出来たかを知ってもらう為、具体的な予算も書いていきたいと思います。それから現地では、「個人的なお土産や楽器以外は全て割り勘にしよう」と言う事にしましたので、先ずはひとり300ドルずつを会計係の誰かに預ける事にしたのです(今回は1ドル=106円50銭です)。これは、「どうせ割り勘なら、1人の人がまとめて支払いをした方が楽なんじゃないだろーか」、という理由で決めました。そして会計係は、いつもですと一見几帳面そうなよすおさんが適任なのですが、今回は英語ベラベラの「櫻井さん以外にはいないでしょう」と全員一致で決まりました(なんか陰謀臭い)。そしてレストランの様な所を出ますと、いよいよ搭乗ロビーに向かい、ここでモノレールのようなシャトルに乗りました。ここで、海外旅行は初めての若いチンパンに対し、「これに乗るのにはお金がいるから用意しておけよ!!」と誰かが言ってました。チンパンは財布を出そうと慌てますが直ぐに嘘だと気が付きました。そういえば、昔アニメ、『いなかっぺ大将』の中で、青森の山奥出身の大左エ門は東京のデパートでエレベーターに乗ると、実は財布にあまりお金を持ちあわせてないのに気付き、エレベーター・ガールに「止〜めてくれぇだすぅ〜〜〜!!も〜〜降〜〜りるぅだぁ〜す〜〜〜!!」と焦ってた事がありました。彼はデパートのエレベーターを有料だと思ってのです。まさしくチンパンは風大左エ門という事になります。そして、大左エ門に意地悪をしたよすおさんあたりは、西一(にしはじめ)といったとこでしょうか?

 さ〜て、ここからは飛行機の中でのお話。1人でビジネスにしゃあしゃあと乗った私と、エコノミーに3人で仲良く乗ったよすおさん達のグループのレポートをセルフ・レポートでお楽しみ下さい。

1999年11月29日月曜日
マレーシア航空92便(エコノミー・クラス) by吉岡よすお
 成田空港の搭乗口でしんちゃんと別れた僕(よすお)とチンパン、櫻井さんの3人はエコノミー・クラスへ。かなり後ろの方の席なのでバッグを持ったままだとなかなか辿り着けず、かなりしんどいです。チンパンは初めての海外旅行と言うことで窓際、櫻井さんが真ん中、僕が通路側の席に座りました。シートベルトをしっかり締めて準備よし!
 チンパンは何となくソワソワしている様子。滑走路に向けて動き出した瞬間、「動いてますよー!」だって。そんなぁ、初めて飛行機に乗るワケじゃないんだし、感動するのはまだ早いよー、これから色んな事があるんだから!櫻井さんはかなり乗り慣れているので、色々解説してくれるんですよ。「もうすぐねー、感動するくらい滑走路がきれいに見える角度があるんだよ。あっ、ここ、ここ!」と指さす方を見ると、滑走路の誘導ランプが一面に見えて、ホントにきれいでした。それから間もなく、無事離陸!「飛行機は離陸と着陸の時が一番危ないんだよなぁ!」と櫻井さんがチンパンを脅かしていました。
 離陸後10分程で禁煙サイン消灯。海外に行く時の一番の不安材料が“機内禁煙”なんですが、マレーシア航空は国際線でも喫煙席がある唯一の航空会社で、今回の旅行がマレーシア航空と聞いて一気に気が楽になりました!そんなにパカパカ吸うワケじゃないんだけど、“吸える”と“吸えない”では精神的なプレッシャーが全然違うからねぇ!ちなみに3人とも禁煙サイン消灯後すぐに一服したのは言うまでもありません。
 しばらくして機内サービスが始まって、まずジュース、次におつまみが出てきたんですが、チンパンはアルコール類が出てくる前におつまみを全部食べちゃいました。僕と櫻井さんは食べずに取っておいたんですが、チンパンはビールが出てきた時「うわー、失敗した。おつまみ先に食べちゃったー!」と叫んでました。何事も経験だね (^^;;
 機内食は結構美味しかったですよ。客室乗務員に“Beef or chicken?”と聞かれて、チンパンはなぜか櫻井さんに向かって、「すいません、ビーフお願いします………」と言った。なんで直接言わないんだよー!!
 機内食も食べ終わって、食後の一服をして(やっぱりこうじゃないと食べ終ったて言う気がしないんだなぁ、愛煙家は!)、一通りのイベントが終わりあとは自由行動。僕は備え付けの液晶画面でファミコン(ちょっと古いゲームしかなかったけど、懐かしくてそれもまた良しとしよう)。ひっさびさにスーパーマリオをやってみたけど、すっかり忘れていてなかなか先に進めず結構イライラしっぱなし!櫻井さんは『サムライ・フィクション』という映画を見てて、ひとりで笑ってました。チンパンはファミコンをやりたかったらしいんだけど、メニュー画面からどうしても先に進めず四苦八苦!しばらく色々やったみたいだけど、遂に断念した模様!一言聞いてくれれば教えてあげたのにねー。え〜、ここでひとつ新事実発見!ちょっと気流の悪いところに差し掛かって飛行機が揺れた瞬間、「うっ、やば・・・ひぇ〜〜っ!!」っと櫻井さんのうめき声が!!大分苦手らしい。僕には櫻井さんが涙目になっている様に見えました。
 そんなこんなで小一時間たった頃、みんな“そろそろ寝ようかな?”って言う感じになってきたので、僕も寝る準備をした。が、しかし、夕方飛び立ってから3時間あまり、日本時間ではまだ夜の9時頃なので全然眠くならない!到着する頃だって朝3時くらいだもん、いつもなら絶好調な時間だよ、僕は。横のふたりは気持ちよさそうに寝入ってるし、早く寝なきゃと思うと余計寝られないし・・・結局ちょっとはウトウトしたけど、寝たんだか寝てないんだかよく分からない内に朝食の時間になっちゃった。
 朝食を食べてしばらくすると、やっとアメリカ大陸が見えてきた!チンパンは大喜びで、「見て下さいよー、アメリカっすよ、でっかいなぁ!」と大層感激しておりました。そんな時、僕に急に睡魔が襲ってきて、ちょっと寝てしまったみたいです。そうこうしている内に飛行機は高度を下げていき、ロサンゼルスの街が見えてきました。櫻井さんは何度もロサンゼルスに来ているしかなり詳しいので、「あそこがね、ハリウッドでしょ、でねでね、こっちがサンタモニカでしょ………」などと空の上から解説してくれました。よく分かってる人が一緒だと、旅の楽しみが増えますねぇ!

1999年11月29日月曜日
マレーシア航空92便(ビジネス・クラス) by安田しん二

 「じゃあね、僕はこっちだから。バイバイ」と、みんなとは別れて搭乗し、チンパンだけが「寂しっすねぇ」と優しいお言葉。よすおさんと櫻井さんは「ハイハイ、せいぜい楽しんでね、いってらっしゃい」と半ばあきれ顔で送りだしてくれました。元来、わがままで贅沢な性格の私の事、みんな私を非難の目で見るでしょう……。「わしはエコノミー症候群!!」、「喫煙席は死んでもイヤ!!」などと、何を言っても、誰も納得してくれそうにないので、「実は、楽器を沢山買って帰って来る私は、ビジネスに乗ると“預け荷物”が沢山出来るでしょ」という事でみんなを納得させましたのです。
 飛行機はボーイング社の744で、私は2階席の前から2列目の左側窓側席でした。ちなみに通路側は空きになっていたので、他人に気を遣う事無く、悠々としていられました。機内食についてはノー・コメント。飲み物は当然ビール(1本目はマレーシアのビール、2本目以降は日本のビールをたのみました)で、その他に赤ワインも飲みました。そして、食後にコーヒーが出るのですが、ここでコーヒーを飲んだらもうワインもビールも飲めないと思いつつ、しかし英語でコーヒーを勧められると思わず“Thank you”と言ってしまい、ついでに愛想笑いまでしてしまう有り様でした。私はコーヒーに砂糖は入れないたちなので、“No sugar”と言ったつもりでしたが、相手は“OK”と言ってくれましたが、私の発音が悪いのか、声が小さかったのか、なんと砂糖入りコーヒーが出てくるのでした。後で落ち着いて考えれば、“Just a black”って言えば良かったんですよね(ちゃんと“please”も付けてね)。この時私は、やはり“大切なのは語学力”という事を実感してしまいました。
 独りぼっちの機内でも、快適にしかも退屈せずに過ごす事が出来、とても満足でした。ちなみに、機内では一度も眠らず、映画(題名は忘れたけど日本の映画で、何処かの田舎の女子高生達がボート部を作って奮闘するという内容の映画でした)を見たり本を読んだり(トム・クランシーの本)してました。そして何とも今回、私はこのマレーシア航空の機内の香りにどうもハマってしまい、「家に帰ったら家中このニオイにしてやるぞ!!」などと、もう帰りの事を考えているのでありました。

1999年11月29日月曜日
ロサンゼルス国際空港 by安田しん二

 マレーシア航空92便は到着予定時刻ピッタリの10時15分(ちなみに日本では時差がロサンゼルスより17時間早いので、日本時間で火曜日の5時15分)に着き、成田出発が1時間遅れたので、ロサンゼルス迄8時間30分で着いた事になります。
 イミグレーションに私だけ先に着いて待つこと約20分、他の3人がやってきて「あっちで並ばされるから出口で待ってて」と言って何処かに先導されて行きました。なんか、先を越された様な感じがして、ちょっと淋しくなりました。ロサンゼルス空港はイミグレーションに時間が掛かるので有名な所で、結局今回も1時間以上待たされました。やっとの思いでイミグレーションを1人通り抜けると、もうすでにチンパンと櫻井さんは空港出口付近で待ってました(10〜20分以上待ったらしい)。しかし、よすおさんだけは見当たらず、どうせまたタイミング悪くトイレと煙草でも吸いに何処かに行ってるんだろうと思い(長年付きあってると、彼のいつもの行動パターンが何故かよく解る)、私は「よし、お待たせ!!行こうか!!」と言って空港を出ますと、よすおさんは駆け足で追っかけて来ました。「よすおさん、遅いよ!!」、イミグレーションで散々待たされた揚げ句、先も越されてしまったので、ちょっと意地悪してみたくなりました(ちょっと性格悪いか?)。

1999年11月29日月曜日
ロサンゼルス国際空港 by吉岡よすお

 大した揺れもなく(櫻井さんには随分な揺れだったみたいですが……)無事にロサンゼルス国際空港に着陸しました。初めて見る異国の大地にチンパンの感想は「外車ばっかりっすよー。」だって!こっちじゃ国産車だよぉ。飛行機を降りて入国審査のカウンターに行くと、かなりの人数が並んでました。そんな中にしんちゃんを発見したんですが、エコノミー・クラスは遠い方に誘導されたので「出口でね」と言って、一番奥まで歩かされました。並んでる途中で麻薬だかナマ物だかを検査する犬が来て、隣に並んでいたマレーシア人風のおばさんが持っていたビニール袋に頭突っ込んでワンワン吠えてました。大注目の的で結構大変そう!おばさん、ナニ持ち込んだんだろう? 30分以上掛かって、やっと入国審査ゲートへ。3人とも難なくパス。(何かあっちゃ困るけどね(^^;;)到着ロビーに出て、とっくに来てるはずのしんちゃんを探しても見あたらない。櫻井さんがレンタカーの手配に行ってるのでチンパンに荷物を預け、ぐるっと探しつつタバコとトイレを済ませて帰ってくると、そこには誰もいない!!慌てて周りを見渡すと、ちょうど外に出ていく3人を発見!走って追いついて、やっと合流。しんちゃん、大分待たされたらしくて、こっちの方が早かったみたい。半日ぶりの再開で、『ミラクルシャドウの奇跡の大ツアー』はじまり、はじまりぃ〜〜〜っ(^o^)//

1999年11月29日月曜日(−17時間)
ロサンゼルス by安田しん二

 空港から『ダラー・レンタカー』のバスに乗って『ダラー・レンタカー』まで約10〜15分で行き、そこで櫻井さんが国際免許を提示し、無事レンタカーを借りました。
 当然ですが、日本とは違ってロサンゼルスは車は右側通行です。それと、ほとんどの車が1人(運転手だけ)しか人が乗ってないのも、ここロサンゼルスの特徴かもしれません。
 早速、「1軒目の楽器屋へゴー!!」てな感じで、サンタモニカ近辺の楽器屋、『ウエスト・ウッド』へ直行しました。ここは私と櫻井さんの偶然にも共通の知りあい、D氏の紹介で行く事になりましたが、私は日本を発つ前日にこのD氏に久々に会って、「何処か良い楽器屋な〜い?」と訪ねると、気持ち良くここを教えてくれました。しかし、D氏は昔の“デジタル・打ち込み・ダンス・ビート時代”の私のイメージか持っておらず、「安田っちなんか結構気に入ると思うよ、新しい物が多いし」と言う感じでした。そしてやっぱり行ってみると、ヴィンテージ・ギターの類いは2〜3台しかなく、そこはシンセやデジタル機器なんかが多く置いてある“普通の楽器屋”だったのでした。
 ロサンゼルスの楽器屋で1番有名なのは、やはりハリウッドの『ギター・センター』でしょう。しかしここは、タマ数は全米でももっとも多い方なのですが、値段がちょっと高めなので、「最終日に行こう」という事に決めてありました。そこで2軒目に思い付いたのが、4年前にロサンゼルスに私とよすおさんが行った時に、幸運にもよすおの現在の愛器、“ヘフナー500−1/ビートル・ベース”をゲットした楽器屋さん、『クリス・ギターズ』へ行く事にしました。
 よすおさんは1軒目が空振りに近い感じだったので、「幸先が悪いね」と縁起でもない事を言うので、私はムッとして、「何て事を言うんだ!!縁起でもない!!ホントにいつも一言多いんだから」と言って怒ってましたが、こういう事というのはホントにそんな風になるもので、例の『クリス・ギターズ』のあった場所を2、3往復しても店は見つからず、結局店は無くなっていたのでした。
 とりあえず仕切り直しの意味も含め、「一度ホテルへ行ってチェック・インしよう」という事で、今回泊る事にになってるホテル、『ミッション・ヒルズ・イン』に向かう事にしました。

1999年11月29日火曜日
ミッション・ヒルズ・イン(ミッション・ヒルズ) by安田しん二

 ホテルの部屋割りは、櫻井さんとよすおの“アダルト・チーム”と、私とチンパンの“ヤング・チーム”に別れ、2名1部屋というもっともらしい部屋割りになりました。このホテルはちょっと郊外で治安もそれほど悪くない場所で、以前泊ったダウン・タウンのホテルよりはランクは2ランクも3ランクも下がるものの、とても安心して泊れる良いホテルでした。車も部屋の前に停められるモーテル風で、長距離トレーラーの運転手達が多く利用してる様でした。

1999年11月29日火曜日
ステイプルス・センター(ダウン・タウン) by安田しん二

 夕方は予定通り、私(NBAの大ファン)とチンパン念願のNBA観戦です。ここで、ロサンゼルス在住で私の古くからの友人(彼とは昔、“オービッツ”というバンドを一緒にやってました)、古川貴司こと古ちゃんと彼の新しい奥さんに対面し、一緒にNBAを観戦する事になりました。チケットは最後までどの席にするかメンバー間で意見が別れました。ちなみに、ロサンゼルスにホームを置くNBAのチームは2つあります(共に本拠地は、今年出来たばかりの『ステイプルス・センター』です)。一つは“ロサンゼルス・レイカーズ”で、このチームは身長2m16cmというセンター・プレーヤーのシャキール・オニール、この時期は故障中でしたが、シューティング・ガードのコービ・ブライアントという2人の大スターと、今年からあのブルズの黄金時代を築き指揮した偉大なヘッド・コーチ、フィル・ジャクソンが率いる事になった注目の超人気チームです。そしてもう一つは“ロサンゼルス・クリッパーズ”で、このチームはまだ若く、センター・プレーヤーのマイケル・オロウォカンディ、パワー・フォワードのモーリス・テイラー、そして注目の新人、今年のドラフト1巡目4位の(NBAのドラフトはウエーバー方式ですので、4位とは全体で4番目に指名された事になります)ラマー・オドムの3人の若手が中心のチームなのです。これが強いのかと言われれば、“すごく弱い”万年最下位チームとしか言い様のないチームなのです。この2つのチームの人気面を比べると、例えば、日本のプロ野球で言えば、レイカーズがジャイアンツで、クリッパーズが日ハムかロッテといった感じです(日ハムとロッテのファンの方ゴメンナサイ)。したがってチケットの値段もおよそ倍近く違ってくるのです。今回私達がロサンゼルスに居る間はレイカーズ戦はロサンゼルスでは行われず、クリッパーズが1戦のみ行われるので、選択の余地無く“ロッテ”を観に行く事になりました。しかし、どのランクの席を選ぶかでは、私は「スポーツはなるべく良い席で観るに限る!!」と主張し、櫻井さんは「別に観れるんだから安い席でもいいじゃん!!」と意見が2つに別れてしまいました。しかしそんな事より、何せあの人気のNBAのチケットが“当日券”で獲れるのかどうかが不安でした。櫻井さんが日本を出る前に『ステイプルス・センター』の方へ問い合わせたところ、「19時30分にゲームが始まるから、その1時間前にボックス・センターに来れば充分大丈夫ですよ」と言われ、それを信じてはいるものの、「もし獲れなかったらどうしよう」と考えるとチョット不安になりました。なんせ今日は“楽器ゲット”で幸先の良いスタートがきれなかったので、全員がこの事で相当ネガティブ・モードになってしまっていたのです。

 ホテルからフリー・ウェイに乗って『ステイプルス・センター』ーのあるダウン・タウンまで、夕方のこの時間だとたっぷり1時間半はみておかないといけないので、17時にはホテルを出ました。しかし、疲れがたまっているのか櫻井さんの運転する車は蛇行運転を始め、ブレーキのタイミングもすこぶる遅く、それも前の車のバンパーが見えるか見えないかの位置に“キュッ”という感じで止まるので、ちょっと恐ろしくなり、一度フリー・ウェイを降りて、「一休みしよう」という事になりました。櫻井さんの眠気も少し覚めたのはいいものの、今度は私がこの時点で29時間一睡もせずにぶっとおし起きてたせいで、いよいよハイになってしまいしました。この状態は3年に1度か2度ある人曰く恐ろしい状態で(自分ではそうは思ってない)、私とは7年もバンドをやってるよすおさんも過去に1、2度見た事があるものです。よすおさん曰く、何しろまるで何かが乗り移ったようなほどぶっ飛んだギャグを凄いスピードで連発しまくり、約30秒の間に“バカボンのパパ”、“いなかっぺ大将の大左衛門”、“田中角栄”の物まね(どれも全然似てない)を代わる代わる織り交ぜて最低でも5回〜7回のギャグ大連発して言う、周りの人もビックリのとってもウルサイ状態が延々続くのでした。これはレコーディングで疲れてくると稀におき、自分でもビックリするほどアホなアイディアが湧き出てくるのです。
 櫻井さんの“恐怖の蛇行運転”と私の“スーパー・ウルトラ・ハイ”をなんとか抜け出し、やっとの思いでダウン・タウンにある『ステイプルス・センター』に到着し、近くのパーキング(15ドル)に車を入れ、ボックス・センターにまで足早に4人で歩いて行きました。グループはここで古ちゃん夫妻の分と合わせて6枚の当日券をゲットしなければならず、果して、こちらの人の言った様に当日券が獲れるものかどうか、その頃にはもう安い席でも高い席でもどちらでもよくなり(なんせ、今日はツイテナイのでそんな事は言ってられない)、結局チケットがあれば何でもいいという事になりました。そして、櫻井さんが代表してボックス・センターへ行き、窓口で何やらやり取りしてる櫻井さんの後ろ姿を黙って見て待つこと数分、こちらを向いて戻って来る時の櫻井さんの表情にみんなで注目していると・・・・・・・・・・・・・・・・(しばらく沈黙。そしてスロー・モーション)・・・・・・・・・・櫻井さん「6枚買えたよー!!」、一同「やったー!!!!」。みんなは固い握手、そして抱きあい、「今日は幸先が悪いぞ」と言うジンクスを吹き飛ばしたのと同時に、念願(最初は私とチンパンだけだったが、何故かこの頃にはみんなの念願になっていた)のNBAを観れるという喜びに思いっきり浸るのでありました。古ちゃん夫妻は少し遅れるという事で、グループはボックス・センターの前で待つ事になってましたので、4人で暫く待ってると、その間にヒップ・ホップ系のチョット怖い感じの人達(ダフ屋)に何度も声を掛けられ、揚げ句の果てにチンパンは、「たばこを1本売ってくれー!!メ〜ン!」(ここは勿論英語です)とその人達にまくし立てられ、何を言われているか解らない彼はただボ〜っとしていると、向こうの喋り口調がだんだん激しくなっていき、「ケチケチすんなよ!!メ〜〜ン!!お前の吸ってる奴だ!!マルボロ!!!ほら25セントだぞ!!早く売ってくれ、こんにゃろー!!」(くどい様ですがここも英語です)と言われてました。みんなはちょっとビビリ、「おい、古ちゃんはまだかよ〜〜!!」何て言ってますと、ようやく古ちゃん夫妻は現れました。よすおは以前に古ちゃんと会った事があったので「久しぶり!!元気?」と軽く挨拶をし、そして初対面のチンパンと櫻井さんはお互いにパッパと紹介しあい、それから古ちゃんは「チケットいくらだった?」というので、「1枚35ドルだから2枚で70ドル」と言うと、「OK!!」と言う感じでやり取りがあり、6人は直ぐにあわただしく『ステイプルス・センター』の入り口(ゲート)をくぐって行きました。
 『ステイプルス・センター』の中に入って間もなく、場内から「ワーッ」という凄い大歓声が聞こえ、中の熱気が伝わってきます。「おいおい、もう始まってんのかよ!!」、「いや、まだ開始時間じゃないはずだけど・・・」、「解った!!きっとオープニング・セレモニーだ!!」、「なるほど!!さすがアメリカ!!さすがNBA!!これぞエンタテイメントだね!!」、「急ごう!!」、「う〜〜〜ん、興奮してきたぞ!!」。グループと古ちゃん夫妻は駆け足で『ステイプルス・センター』内の階段を駆け上がり、自分達の席のある場内への入り口のドアを開けました。「ウワ〜〜〜〜ッ!!!!」。すると、オープニング・セレモニーですっかり沸き上がった会場の熱気が、まるで大きなウエイブとなってグループを襲いかかってくる様です。それはきっと、お客の中から抽選で選ばれた者達がフリー・スロー・コンテストか何かをやって盛り上がってるのかと思っていたら、さすがアメリカ!!そんなありきたりのグループの想像を遥かに越え、そこでは豪華にリングらしきものの上でプロレスが前座で行われてました。バスケットの前にプロレスが前座という、さすがのアメリカのスポーツ・エンタテイメントのスケールのでかさにみんな驚き、「うおーっすっげー!!前座がプロレスかよ!!」と興奮冷めやらずで、それは昼間の“幸先の悪さ”を完全に蹴散らしてくれたのでした。前座のプロレスの試合は物の1分で終わり、いよいよ会場内に大きなアナウンス(英語で何を言ってるのか解らないのだが、それを聞くだけで何故かやたらと興奮する)がロック・コンサートばりの大音響で響き、会場の割れんばかりの大歓声と地響きの中、花道を対戦相手のフェニックス・サンズの面々が駆け足で登場!!!興奮も最高潮に達したグループの面々も「ウオーッ!!」、「イッッッッッッッッッッエ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜イ!!!」と大声を上げ、すでに盛り上がり切ってた大会場の観衆達と早くも一体化しました。し…し…し…し…し…し…か…し、何故かそこに現れたのはフェニックス・サンズの面々ではなく、タイツを履いた筋肉質の男でした。「あれ???まだ1試合あんのかよ?」、「まだ、開始時間じゃないんじゃないの?」。そして、プロレスの2試合目が2、3分で片づき、いよいよ今度こそ大音響の大げさなアナウンスと大観衆の起こす地響きのような大歓声の中、花道を対戦相手のフェニックス・サンズの面々が駆け足で登場!!!・・・・・・?????・・・・?・?・?・?・?あれ?・・しかし、今度そこに現れたのは相撲のマワシとチョンマゲを結った、何やらちょっとグロテスクでとっても怪しげなブヨブヨのデブな外国人レスラーでした。グループは「ねえ、そういえばバスケが始まったら、あそこ(アリーナ)で大騒ぎしているお客は何処へ移動させるんだ?」、「??????」、「ねえ、もう一度チケット見てみてよ」、「チョット待って、暗くて字が読めな・・い・・、・・?・・・W・・・W・・・・?・・F?・・!!!!!!!おい!!これWWFのロサンゼルス大会だよ!!!」、「え?!!!これプロレス?!!NBAじゃないの?」。そうです、グループは日にちを間違えてWWFを観ていたのです。すると古ちゃん夫妻は「ねえ、安田、悪いけど俺達帰るわ。みんなに宜しく言っといて」と言い残し帰ってしまいました。みんなは「あれ?古ちゃん達は?」と言うと、「うん、帰っちゃった。また電話するって」。
 やっぱり“ミラクルシャドウの奇跡の大ツアー”1日目は幸先の悪いスタートでした。しかし考え方を変えると、観れるはずのないアメリカン・プロレス、それも人気ナンバー・ワンのWWFが観れたという幸運に恵まれたのかもしれません。でも、私はWWFのスター、“ロック”ことロッキー・メイビアが大変気に入っで、暫くは自分の事をロック様だと思い込んでました。
 結局WWFの最後の試合までは観ず、途中で会場を出て来ました。やはり、席が遠かったのでイマイチ何をやってるのか理解しにくく、WWFのレスラーのキャラクターを熟知してないとアメリカン・プロレスは面白さが半減してしまう為も有りました。

 これからホテルに帰る道のりで、何処かに寄って晩飯を食べようという事になりました。とりあえずフリー・ウエイに乗ってホテルの近くまで行き、そこのステーキ屋さん(といってもチェーン店)で食事をとりました。そこでビールを注文すると、「未成年かどうか調べたいので、身分証明が出来る物を提示して下さい」と言われ、何故かよすおは張り切って「お・お・お・お・俺、パスポート持ってる!!!」と興奮するのでありました。それを見たウエイトレスはたまげて驚き、よすおは誇らしげに「へへん、どんなもんだい!」という顔をしてました。が、もしかしてこのウエイトレスは「あれ〜〜びっくり!とっちゃんボーヤよ!!」と思ってたのかもしれません。

 レストランを出たあと、ロサンゼルスの何処へ行っても必ず有るスーパー・マーケットの大型チェーン、『ラルフス』で夜の飲み会の買出しに行ってホテルに戻って、アダルト・チームの部屋で飲み始め、「それじゃ、お休み」と言って解散したのが夜中の12時半でした。部屋に戻って、更に私とチンパンのヤング・チームは2時まで飲んで、私はこのすぐ後に寝るのですが、そこまで結局、日本を出る前から一睡もせずに起きてました(実に36時間も)。

 “ミラクルシャドウの奇跡の大ツアー”の第1日目は思わぬ珍道中となってしまいましたが、明日は、無事“楽器ゲット”に、今度こそNBA観戦、そして『ユニバーサル・スタジオ』にも行こうという事で、朝は8時集合です。

1999年11月30日火曜日 朝
ミッション・ヒルズ・イン(ヤング・チームの部屋) by安田しん二

 昨日はたしか2時に寝たのかなあー?よく寝たと思い時計を見ると、なんとまだ朝の5時にもなってないではないですか!!どうしようかな?起きようかな。だいたい一度起きると二度寝の出来ないタイプなので、起きてテレビを観る事にしました。スイッチを入れ、音を出来るだけ小さくして観てると、素人の撮ったビデオのハプニング集の様な番組がやってました。面白かったのは、どこかのビル(人の家かな)で、太っちょとノッポの2人の作業員らしき人が、ロープでセメント袋の様なものを3階まで上げる作業をしてました。2人の作業員は地上から3階の上の部分にある滑車にロープを掛け、それを再び地上に垂らして、その先にセメント袋の様なものを結び、地上の2人の作業員が自らの体重を精いっぱい使ってロープを下に引っ張ると、そのセメント袋の様なものはどんどん上に上がっていくのでした。セメント袋がもうじき3階に到達しようとした直前に、後ろから小さな子供がやって来て、太っちょのわき腹をコチョコチョとやると、太っちょは思わず笑ってロープを持ってる手を放してしまいました。するとノッポの方はロープに捉まったまま、足をバタバタさせながら、そのまま3階に引き上げられて行ってしまいました。
 ベッドの上で必死で笑いをこらえてると、「おはようございまーす」とチンパンが起きて来ました。「さーて、今日は頑張って楽器をゲットするぞ!!午前中は『ユニバーサル・スタジオ』で軽く肩慣らしして、昼過ぎからはシャーマン・オークスの『ギター・センター』に行こう!!」と私は元気に言いました。

1999年11月30日火曜日 午前中
ユニバーサル・スタジオ by安田しん二

 朝はなんと9時から営業してると言うので、グループはこの日、朝8時集合で『ユニバーサル・スタジオ』に行く事になりましたが、フリー・ウエイを使い到着したのが、だいたい9時チョット過ぎくらいでした。車は『ジュラシック・パーキング』というシャレのきいたパーキングに車を止め(7ドル)、4人でゲートまで歩いて行きました。入場料(これで全ての施設とアトラクションがフリー・パスになります)が1人36ドルの4人分で144ドル掛かり、朝飯兼昼飯のサンドイッチとコーヒーとサラダが4人分で29ドル17セントでした。
 まず、『ユニバーサル・スタジオ』へ来たら最初に乗りたいのが、何重連にも連なってるスタジオ巡りのバス(なんて言う名前なんだろう?)で、これに乗ってスタジオの施設を廻ります。と、いってもただバカみたいに「右に見えますのは〜〜〜」なんて演ってるだけではありませんで、ちゃんと仕掛けがあったりします。ガイドは勿論英語で話してますが、櫻井さんがだいたい日本語に訳して説明してくれます。1番得したのは櫻井さんの前に座ってた2人組の女の子達でしょう。この子たちはバスに乗ってる間終始、コンパクトを見ながらひたすら髪の毛をいじったり、化粧を直してました(日本では女子高生が人目もはばからず、平気で人前でパタパタやりますが………)。きっと外国の人達はこれを見て、「日本人はなんてお洒落なんだ!!」とビックリする事でしょう。それと、よすおさんの後ろに乗ってたカップルがよすおさんの頭に向かって、手も充てずに咳をゴホゴホと4、5分間やってました。こいつらは乗ってる間もとてもマナーが悪く、関西人の印象を2人で下げてるけしからん奴等でした。
 『ユニバーサル・スタジオ』には、多数のアトラクションがあって、残念ながら今回お休みしてたのが、「ジュラシック・パーク」でした。
 グループが最初に観たのは「ブルース・ブラザース」という5人のシンガーが熱唱するライヴ・アトラクション(演奏はテープでしたが、歌は勿論“生”でした)で、ミュージシャン・グループとしては、とても良いものを観たという感じになりました。しかし、悲しいかな職業柄、観てる間も「彼らのこの仕事いつまであるんだろう?」とか、「ギャラはどのくらいなんだろう?」とか、「他に仕事がある時はトラはきくんだろうか?」とか、「1日何ステージ演らされるんだろう?」なんてつまらない事を考えてしまうのでした。
 そうこうしてる間に「ターミネーター2」が始まるというので、急いでいきました。これは、観た人は120%絶対大満足の3Dアトラクションで、映画、『ターミネーター2』の続編のオリジナル・ムービーです。そして、これにはちゃんとアーノルド・シュワルツネッガーも出演してました。内容をここで言ってしまうと、これから見る人はつまらなくなってしまうので、もしロサンゼルスに行ったら絶対に観ておくべきで(フロリダの『ユニバーサル・スタジオ』にもあります)、これだけでも来た甲斐があると言うくらいの超オススメのアトラクションです。勿論、英語が解らなくても全然問題なし!!ちなみに櫻井さんはあまりのリアルさに「ん〜ぎゃあ〜〜〜〜〜!!」と言ってました(本人は「そんな事言ってました?」と憶えてないらしいですが………)。
 その他に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「ET」、「バック・ドラフト」、「ウォーター・ワールド」などのアトラクションを満喫し(残りは時間がないのでパスしてしまいましたが………)、判ったのがチンパンが絶叫物(『ユニバーサル・・・』にあったっけ?)の類いが全然ダメな事です。ン〜〜、私達のバンドは絶叫物は好きじゃないとダメなんだけどなぁ。今度ロサンゼルスにきたら、絶対に『シックス・フラッグス・マジック・マウンテン』に連れて行こうと思います。なんせ、「ET」に乗って「うぉ〜〜〜!!こえ〜〜」だなんて、チョット情けないと思いません?そうだ!!今度『八景島シーパラダイス』の「ブルー・フォール」に1人で乗せてやろう!!


1999年11月30日水曜日
ギター・センター(シャーマン・オークス) by安田しん二

 いよいよ「楽器をゲットしないと」というプレッシャーで、最終手段の『ギター・センター』へ行く事になりましたが、ハリウッドの『ギター・センター』以外にも、シャーマン・オークスという所にも『ギター・センター』があるというので、そちらに行ってみました。
 やはり、新品は沢山あるのにヴィンテージは数少なく、ちょっとがっかりしましたが、1台こちらに向かって微笑んでるギターがありました。“1964年製グレッチ・テネシアン”です。数年前に『クリス・ギターズ』で、1300ドルという信じられない値段でピッカピカのテネシアン(たしか1968年製だったと思います)を見つけたものの、予算不足で買い逃し、後々まで「あれを買っておけばなぁ」と後悔した品の更に4年お兄さんのギターでした。やはり“ビビッ”と来るものがあり、私、よすおさん、チンパンで代わり番こで弾いてみると、これがまたまたグレッチらしいイイ音してるのです。弦は普通の0.10のラウンドの物が張られていましたが、これをフラット・ワウンドの0.11あたりにしたら更にバッチリじゃないかと言う事で、期待も勝手に膨らみ、私はアッサリと“お買い上げー!!”にしました。

1999年11月30日水曜日
ステイプルス・センター(ダウン・タウン) by安田しん二

 『ギター・センター』には結局2、3時間はいたのでしょうか、そろそろダウン・タウンに向かって出発しないといけない時間になってしまいました。本当は一度ホテルへ戻って楽器を置いて来たかったのですが、時間が無いのでやむおえません。アメリカでは車内に物を置いておくのはタブーとされてます。グループは最初、レンタカーを借りる時にワゴン車を希望してましたが、トランクが無いと外から積荷が丸見えになってしまう為、トランクのあるセダンにしました。

 今日こそは念願のNBA観戦を成功(?)させたいものと、行き慣れた道を通り(昨日も同じ道を来たもんね)、『ステイプルス・センター』の近くのパーキングに車を入れました。ちなみにこれも昨日とまったく同じパーキングで、係のお姉さんも同じ人でした(15ドル)。
 今日のカードは『ロサンゼルス・クリッパーズVSフェニックス・サンズ』で、クリッパーズは若手中心の弱小チーム、対するサンズは、“ミスター・トリプル・ダブル(1試合中に得点、アシスト、リバウンドの3つのポイントを2桁台にする事)”こと、“ノー・ルック・パス”の名手、ポイント・ガードのジェイソン・キッド(193cm96kg、1994年ドラフト1巡目2位、当時ダラス・マーヴェリックス)、今季マジックから電撃移籍のシューティング・ガードのアンファニー・“ペニー”・ハーダウェイ(201cm98kg、1993年ドラフト1巡目3位、当時ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、フォワードのトム・ググリオッタ(208cm、109kg、1992年ドラフト1巡目6位、当時ワシントン・ブレッツ。ブレッツは現在のワシントン・ウィザースの前身です)の3人のスター選手が中心の今季期待のチームです。ヘッド・コーチはサンズやセルティックスのガードとして活躍したダニー・エインジ(現在は退団)です。
 昨日の35ドルのチケットで手に入れた席は、あの大きなプロ・レスラー達がまるで指人形の様にとても小さく見えた席だったので、今日はみんな納得して1番高い席(75ドル)を4枚購入しました。『ステイプルス・センター』のゲートをくぐるまえに、ロサンゼルスにホームを置くプロ・スポーツ・チーム(MLBはドジャース、NBAはレイカーズとクリッパーズ、NHLはキングス)のキャラクター・グッズの売ってるショップへ行きました。私はクリッパーズのジャンパーとキャップを買いましたが、レジでお金をピン札で払うと、そのお札が“偽札”じゃないかという疑いの目で見られ、何人かの店員が集って来て、みんなで一生懸命調べてました。偽札でないことが判ると、レジのお姉さんは急に優しくなり、「ピン札っていい匂いがするわよねぇ」とか、会場に直接入れる店内のゲートを指さして、「ここから行くと早いわよ。教えてあげるわ」などと、オベンチャラを言うのでありました。
 試合の方は弱小クリッパーズがサンズ相手に善戦し、第2クオーターの最後に逆転して大盛り上がりを見せましたが、やっぱり弱小チーム、モーリス・テイラーが孤軍奮闘するも、最後は10点以上の大差をつけられて負けてしまいました。しかし、グループがとった75ドルの席は、選手のドリブルの音もしっかり聞こえる程コートに近い席で、私とチンパンは大興奮、しかし櫻井さんとよすおさんは居眠りで、特に櫻井さんは昼間の車の運転の疲れもあってか大きな寝息をたてて、試合中のほとんどを眠ってました。

1999年11月30日水曜日
〜ミッション・ヒルズ・イン byチンパン

 いやーNBAはおもしろい。みんなようやく観れたNBAに感動しつつ帰路へつきました。駐車場に向かう途中で気が付くと、よすおさんがアメリカ人のおばちゃんにタバコをたかられていました。よすおさんは「いやっ!ほんと怖いって!だって後ろから走って来るんだよ!まずいって、後ろはまずいって!」と、よほど後ろから襲われそうになったのが怖かったのか、必死で僕に説明してくれました。さすがだ!この迫真の演技が業界を生き抜いて行くコツなんだ!と思いました(演技じゃないって?)。スポーツ観戦の後はやっぱり食事です。アメリカといえばステーキ、ステーキといえばアメリカ。普通のレストランでしたが、安いくせにでっかくて旨い肉でした。このとき安田さんは、「俺、腹一杯だからいらない」と言ってましたが、3人の肉をガツガツつまみ食いしていました。さすがだ!この食欲が業界を生き抜くコツなんだ!と思いました(本当かい!)。その後、『ラルフス』というスーパーで酒をたっぷり買い込んで飲みまくっていたのですが、午前1時位に安田さんが「俺、寝るわ」と言って自分の部屋へ帰っていきました。がっ!シャワーを浴びたら目が覚めたらしく見事に復活を遂げ、更にそこから飲み続け、結局ミラクルシャドウの宴は朝の5時過ぎまで続きました。ちなみにこの宴の間中ゴッド・ファーザー櫻井さんは、悪そーな顔でずっとドル札をかぞえていました。

1999年12月1日木曜日
ミッション・ヒルズ・イン(ミッション・ヒルズ) by安田しん二

 この日は前日に大酒を飲むも、楽器ゲット最終日というのと、メロトロンおやじに会うというので早く起きようと、やはり7時には皆で起きました。毎度の事ながら、ロサンゼルスのラッシュ時は渋滞が凄いので8時半にはホテルを出発し、ハリウッドに向かいました。ハリウッドには『ギター・センター』があり、メロトロンおやじもハリウッドに在住してるのだそうです。とりあえず、サンセット通り沿いの『ギター・センター』に行き、そこで櫻井さんがメロトロンおやじに電話をして捕まえる、という手はずになってました(メロトロンおやじは前々日まではロサンゼルスにはいなかったらしいです。しかし、グループが12月1日に行くと言ってあったので、ぎりぎりの前日の夜には戻ってくる予定でした)。ところが、この野郎は何度電話しても留守電で、しょうがないから留守電にグループがロサンゼルスで使ってた携帯電話の電話番号を入れておきました。しかし結局このオオバカ野郎からは、最後まで一度も電話が掛かって来る事はありませんでした。

1999年12月1日木曜日
ギター・センター(ハリウッド) by安田しん二
 
やはり最終的に行き着いた楽器屋さんは、ハリウッドの『ギター・センター』でした。ここのヴィンテージ・ギターの多さはアメリカでも指折りです。ただ、チョット高いというのが難点でしょうか。しかし、それでも掘り出し物はあったりしますし、値段交渉は英語に堪能な櫻井さんがしてくれまして、お陰様で結構値切れました。今回は私が1967年製のギブソンES335とES330、1965年製のギブソンJ160E、よすおさんが1968年製のギブソンJ160E、チンパンが1962年製J45をここハリウッドの『ギター・センター』で購入しました。アコースティック・ギターを3本も購入した私達ですが、この3本ともキャラクターが違っていて、レコーディングの時などは、適材適所に使い分ける事が出来ると思われます。まず、私のJ160Eは高音がハジケル感じで、よすおさんのは中音がガツンとした感じです。チンパンのJ45は「これぞギブソン!」と言うのにふさわしい“ザ・ギブソン・ギター”の音で、とても枯れた感じの良い音がします。
 支払いはマネージャー室に通されて、そこでしました。『ギター・センター』の裏に駐車場があって、そこまで店員がギターを一緒に運んでくれました。良く聞く話ですが、ここから誰かにつけられて後で襲われたり、すられたりするというのがよくあるらしいです。その日も計5本のギターを持って出て来た“日本人”をジ〜っと見ている人達がいました。「う〜〜っ、こっ、怖え〜〜っ!!」。急いで車に乗り込むと、先ずは『ギター・センター』の廻りを走ってましたが、どうやらつけられてる様子もない様なので、フリー・ウエイに乗ってリブ・ロースを食べに『ユニバーサル・スタジオ』の方まで行きました。しかし、『ギター・センター』で4、5時間も時間を潰してしまった為、昼のランチ・タイムをとっくに過ぎ、そこのリブ・ロース屋さんは休憩休みに入ってしまってました。しょうがないので又『ユニバーサル・スタジオ』のパーキング、『ジュラシック・パーキング』に車を停め(7ドル)、そこにあるステーキ屋さんに行きました。それぞれがビールとステーキ・ランチ(フィレの人もTボーンの人も色々)を頼んで、合計で145ドルでした。味も凄く美味しく(櫻井さんの話によると、日本とは違い、こういうところのレストランは「美味しい」という評判のところしか、園内にお店を出せないないそうです)観光地値段とは言え、それでも「安いな」と皆で納得しました。


1999年12月1日木曜日
ジ・アロウヘッド・ポンド(アナハイム) by安田しん二

 『ユニバーサル・スタジオ』の近くで昼メシを食べてから、楽器を置きに一度ホテルに帰り、それからNHLを観に『ディズニー・ランド』の近く、ロサンゼルス郊外のアナハイムにある『ジ・アロウヘッド・ポンド・オブ・アナハイム』というマイティー・ダックスのホーム・アリーナへ行きました。
 今回のカードは『マイティー・ダックス・オブ・アナハイムVSタンパベイ・ライトニング』です。実はNHLに詳しい人間はグループにはおらず、唯一私が長野五輪の時に、NHLの選手を必死でチェックしてたという事ぐらいなのです。マイティー・ダックスの看板選手は日系カナダ人のポール・カリヤ(NHLで最高額の年俸を貰ってる)とフィンランド人のティム・セラニ(チームのキャプテン)の2人で、一方のライトニングはスター不在の地味な弱小チームです。
 『ポンド』の近くのパーキング(10ドル)に車を停めてボックス・センター迄歩く間、マイティー・ダックスのキャラクター・ジャンパーをペア・ルックで着てる中年夫婦が何組もいました。ボックス・センターに着くと、75ドルでペナルティー・ボックスのすぐ後ろの中央の特等席があると言うので、前日のNBAの経験を活かして75ドルの席に決め、ゲートをくぐりました。会場入りするといくつもチーム・ショップがあったので、そのうちの1つに入り買い物をしました。
 会場内に入るとそこはもう氷の世界で、気温も少し低めです。このチームはディズニーのチームなので、オープニング・セレモニーも結構ショウ・アップされてると聞きます。さあ、始まるぞ!!という時に、隣を見ると櫻井さんは「zzzzzzzz…………」でした。
 ゲームが始まると各チームの選手達が代わる代わる出て来て、ゲームを繰り広げます。そして、接触プレーの迫力のあることと言ったらもう凄いなんてもんじゃありません!!席はコートから10mも離れていなかったので(それもセンター・ラインの丁度延長線上あたりのど真ん中)、氷の上を滑る音はもちろん、選手同士が体当たりする音なんかも当然聞こえてきます。テレビで観るのとは当然迫力は違いますが、テレビではカメラがパックを追うので体当たりした選手のその後が観れません。やはり生は違う!!その体当たりの後でパンチを飛ばしたりしてたのですね、それも思いっきり。そう言えばゲームが始まる前、櫻井さんの後ろにいた熱狂的なダックス・ファンらしきおっさんが、櫻井さんに肩越しに話し掛けてきて、「お前、もしパックが飛んできたら獲りに行くか?まさか、行かねーだろーな?」と言うので「獲らない獲らない」と言うと、「そーか、よーし」と言ってました。そのおやじはダックスがピンチになると“C'mon!!Ducks!!!!”と声援を後ろで掛け、誰かがダックスがピンチやチャンスの時に彼の前に立ってると、汚い言葉で「どけー!!ばかやろー!!」と怒鳴ります。凄い威勢のいいのが後ろに座ってしまったと思いましたが、しかし、ゲーム開始早々にダックスが1点先制されると、そのダックスおやじは手で顔を覆い下を向いて黙ってしまいました。でもその後、我らがポール・カリヤが1点ゴールすると凄く嬉しそうに喜び、また元気を取り戻します。そして、ダックスがピンチをしのぐとゴーリーを「よーくやったぞ!!ナイス・セーブだ!!」と褒めてやります。彼はチャンスの時よりピンチをしのぐ時に愛情一杯で応援します。なんか、見てるこちらもそんな温かい応援に嬉しくなりました(でも彼自身はちょっとアブナイ)。そして、ライトニングがまた1点入れて、落ち込むのかと思うと今度は、「ばかやろー!!今のはオフ・サイドでノー・ゴールだ!!審判よーく見ろ!!」とまたまた汚い言葉で怒鳴ります。すると、暫くの協議の結果、やはり本当にオフサイドでノー・ゴールとなり、「このおやじナカナカやるじゃん!!」と思わせます。櫻井さんはチョット寒くなったのか、先程買ったダックスのジャンパーを着ると、そのダックスおやじは櫻井さんに「おい、いいの着てるじゃねーか、これでお前もダックス・ファンだ〜!!!わ〜〜〜はっはっはっは!!!」と又々声を掛けてきました。試合の途中で選手同士の乱闘があるとおやじは「よーし、がんばれ!!そいつを叩きのめせ!!!」と大声を張り上げます。
 ハーフ・タイム・ショウでリングからボールの様な物が投げ込まれ、これをファン同士で獲りあうのですが、これを運良く私がゲットし(ダックス特製のオハジキでした。ちなみにその時よすおのあたまの上には2階席の奴が投げたピーナッツが当たって、よすおさんはそれを拾ってました)、後ろを見るとダックスおやじはトイレに行っていていませんでした。試合の方は2対2の好ゲームでもつれましたが、最後の最後になってライトニングに決勝点を入れられてしまいます。多くの客はここで席を立ちますが、彼は最後まで諦めません。そして、残り何十秒というところでゴーリーも攻撃に参加して点を獲りにいきますが、結局これが裏目に出て、駄目押しの4点目を入れられ、その瞬間タイム・アップになってしまいました。最後は彼は、一緒に来ていた奥さんに慰められながら、ベソをかきながら目を真っ赤にし、肩をガクンと落として下を向きながら無言で帰って行きました。

1999年12月1日木曜日
〜ミッション・ヒルズ・イン byチンパン

 この日はNHLの会場がホテルから遠く、途中でガソリンも入れた為(今回初めてガソリンを入れました。先ず最初にレジでお金をやや多めに適当に払い、セルフ・サービスでガソリンを入れ、またレジへ行って最終精算をします。16ドル90セントでした)、帰るのに車で2時間位かかりました。運転はもちろん桜井さんです。櫻井さんはとっても眠たそうで、辛そうでした。安田さんは眠たそうな櫻井さんの運転がよっぽど怖かったのか、ホテル近くのメキシコ系ファースト・フードの店、『デルタコ』に着くまでず〜っと喋り続けていました。安田さんの努力と櫻井さんの生への執念が身を結び、無事『デルタコ』経由ホテルへのドライブは成功しました。ちなみに『デルタコ』では何故かみんな歩いてドライブ・スルー(この時点ですでにドライブスルーではない)しました。するとそこへパトカーがやって来て、「お前らそこで何やってるんだ?!注文するのか?そうか、それならOK!!」と言って去って行きました。僕はホールド・アップされるのではないだろうかと、ちょっとビビッテしまいました。よすおさんは「ちょっとチビッちゃった」と言ってました(ウソです)。
 ホテルに着いてからは宴もそっちのけで楽器の梱包です。明日の飛行機輸送に備えてせっせとみんなでギターに新聞紙を巻きます。これが結構大変でした。そんなこんなで作業が終ったのは朝方で、結局寝たのは6時過ぎでした。ちなみにこの作業の間中ゴッド・ファーザー櫻井さんは怪しげな雑誌を見ながら、やっぱりすごーく悪そーな顔でドル札をかぞえていましたが、結局運転の疲れもあって、途中で先におやすみになりました。

1999年12月2日木曜日
ミッション・ヒルズ・イン〜ロサンゼルス国際空港 by安田しん二

 今日はホテルを8時半には出たいと言う事だったので、皆7時に起きたのでしょうか?結局私は今日も1時間半しか寝てないのかぁ?すると、昨日が2時間で、その前が3時間だから合計で6時間半しか寝てないのかぁ。どうりでかったるい訳だぁ。でも、飛行機の中でたっぷり寝よーっと。そして、予定どおり8時半にチェック・アウトしました。気になるホテル代は、税金と電話代(そんなには使っていない)を入れて、3日間2部屋で488ドル5セントでした。と、いうことは、3日泊まって1人122ドル??これは安いです!!その影には櫻井さんが予約時に値段交渉をしてくれたお陰もあります。しかし、値段交渉してホテル代がディスカウントされるところがアメリカって凄いですね。
 先ず空港に行く途中、レンタカーを返す直前に車にガソリンを入れて(3ドル50セント)、空港に着くと即行で手押し車を2台借りて(有料)、その台車に4人分の荷物全てを乗せます。そして、その間に櫻井さんが『ダラー・レンタカー』に行ってレンタカーを返してきて(結局、3日借りて、保険と税込みで231ドル54セントでした)、約30分で戻って来ました。空港でチェックを済ませると、親友の古ちゃんが見送りに来てくれました。プロレスの時はほとんど話も出来なかったので、2人でコーヒーを飲みながら何十分か話をしました。みんなはその間に免税店に行って買い物をしていた様です。

1999年12月2日木曜日
ロサンゼルス国際空港 by吉岡よすお

 『ミラクルシャドウの奇跡の大ツアー』の強行日程も無事終了して、免税店で買い物も済ませ、お見送りに来てくれた古ちゃんとも別れてとうとう帰国の途につく時がやってきました。手荷物検査をしようと思ってチケットを出して用意してると、チンパンが「チケットがない!」と青ざめてるではありませんか!僕が「免税店でチケット見せたときに置いて来ちゃったんじゃないの?待っててあげるから探して来なよ!」と言うと、慌てて探しに戻って行ったんだけど、思ったよりも早く戻って来ました。「すいませ〜ん、バッグの中にありましたぁ〜。 」だって(^^;;。人騒がせな奴だなぁ!とにかく無事でよかったよー。これでチケット無くして帰れなくなっちゃったら大変だもん、帰りのチケット新たに買うお金なんて持ってないしねぇ。チェック・インして中に入って、ちょっと時間があったので搭乗口そばのカウンターで僕と櫻井さんはビールを一杯。帰りは気持ちよく寝られるかな?

1999年12月2日〜3日木〜金曜日
マレーシア航空93便(ビジネス・クラス) by安田しん二

 飛行機の乗り口で免税店で買った物を受け取ると、私だけが又々「お先に〜!」と飛行機に乗り込み、自分の席のある2階席へ行きました。すると帰りの席は1番前の左窓側で、空いていたのか、私のヨコは横一列誰も座ってませんでした。これは快適と思い、帰りはたっぷり眠って行こうと寝ました。あ〜、よーく眠ったと思って時計を見ると、1時間チョットしか眠ってなかったのでした。もーいーや、さいごまで、映画とか観ておきてよーっと。結局私はこの5日間で7時間チョットしか眠ってなく、空港からの帰りは、自分で成田から運転して藤沢まで行かないといけないので、アルコールはひかえました。これが私にはとても辛かったのでした(ちなみにミラクルシャドウでは酒飲み運転をすると規則でクビです)。

1999年12月2日〜3日木〜金曜日
マレーシア航空93便(エコノミー・クラス) by吉岡よすお

 ここで又しんちゃんと別れて、僕と、チンパン、櫻井さんの3人はエコノミー・クラスの後ろの方へ。帰りは僕が窓際、櫻井さんが又真ん中、チンパンが通路側になりました。多少空席があって、チンパンは通路を挟んだ向こう側に座ることが出来たので、随分ゆったりと座れました。座ったとたんにちょっと前の方の席からタバコの煙が!まったく非常識だなぁ、と思って見ると、金髪の日本人の男の子!櫻井さんが客室乗務員にチクってました。こんな事してるから海外旅行をする日本人の印象が悪くなっちゃうんだよなぁ。
 で、ふと横を見ると、なんとすでにチンパンが爆睡状態!櫻井さんと顔を見合わせて「初めての海外でこのスケジュールじゃ疲れらぁね!」と笑ってしまいました。離陸するのもまったく気づかずに、飛行機はロサンゼルス国際空港を旅立ちました。元写真部の僕は、窓側に座ったことだし天気もいいので、去りゆくアメリカの大地をフィルムに収めていると、「あれー、もう飛んでるー!」とチンパンが起きてきて、「よすおさん、かあちゃんにいっぱい写真撮って来いって言われたんで、撮って下さいよー。」とカメラを渡されたので、バチバチ撮ってあげました。1時間ほどで陸地も見えなくなってしまったので、ファミコンに変更。チンパンにも使い方を伝授してあげたので、ようやく出来たみたいです。僕は『F・ZERO』をやってみましたが、乗り物酔いしそうになったので『スーパー・マリオ・ブラザース』に変えました。が、コントローラーの十字ボタンが引っかかって思うように動かなくて、帰りも又イライラ(`_')凸。 3ステージくらいしかクリアできなかったぁ、残念。
 そのうち機内サービスの時間になりましたが、チンパンも帰りは慌てておつまみを食べるようなことはしなかったなぁ(^^;; 経験値アップ!今回の旅行で、あんまりお酒が得意じゃないチンパンがワインの味を覚えたようで、「白ワイン、うまいっすねー。」と言いながら結構飲んでました。僕たちと一緒だと、どうしてもお酒は付いて回るでしょう(笑)。機内食は、チンパンがビーフ(帰りは自分で言えたみたいですねぇ)、櫻井さんがチキン(結構チキンが好きみたいです、櫻井さん)、僕は前もって配られたメニューに“カネロニ”と書いてあったので、それをお願いしました。カネロニとかラザニアとか、好きなんですよぉ、平べったいパスタが。美味しかったですよー、なかなか。帰りもちょっと気流の悪いところがあったので、櫻井さんの「うっ、やば・・・ひぇ〜〜!」を聞くことが出来ましたよ〜!ホントに苦手なんですねぇ(笑)。
 機内食も食べ終わり、愛煙家の儀式“食後の一服”をして、行きの機内で櫻井さんが見て「ヒジョーに面白かった」と言っていた『サムライ・フィクション』を見始めると間もなく、ブラインドを降ろすようアナウンスがあって、消灯の時間になりました。ロサンゼルス時間で昼過ぎ、日本時間でも早朝なんですが、帰りの機内はさすがにみんな疲れているのでウトウトし始めました。僕も頑張って映画を見てましたが、ストーリーが所々途切れているので、途中で寝ちゃったみたいです。気が付くと、とっくに日付変更線を越えていたので4〜5時間寝たのかなぁ。腰が痛くなっちゃいました。早くファースト・クラスに乗れるような身分になりたいもんですねぇ(^^;;。
 目を覚ましたら、横で櫻井さんが今回の収支決算報告の計算をしてました。NBAやNHL、プロレスまで観て、『ユニバーサル・スタジオ』も行って、食費(ちゃんとしたレストランで食事をしたのは2回だけでした〈笑〉)レンタカー、宿泊費も全部込みで、1人当たりなんと500ドル!内容が濃い割には格安でした。櫻井さんにはレンタカーの運転、通訳、会計までやって頂いて、本当に感謝してます。ありがとうございました&お疲れさまでした。
 そうこうしてる内に飛行機は成田空港に近づいてしまいました。日本の景色はロサンゼルスに比べるとやっぱり小さく見えますねぇ。無事に成田空港に到着予定時間どおり着陸して、入国審査を済ませ、旅の想い出を話ながら手荷物を受け取りに歩いていくと、しんちゃんが先に着いてベルト・コンベアから全員の荷物を降ろしてくれていました(ビジネス・クラスは先に機内を出れる)。個人の荷物を仕分けして、税関を通ってようやくロビーへ。チンパン、エッチな本買ってこなくてよかったねー。ドキドキしちゃって税関の人にばれちゃったかもよー。しんちゃんは買った楽器が多かったので通関にちょっと時間が掛かりましたが、大して待たない内に出てきました。

 全員無事帰国、中身の濃かった5日間を共にして、ここに“ミラクルシャドウの奇跡の大ツアー”は幕を閉じるのでありました。めでたしめでたし。

1999年12月3日金曜日
成田〜藤沢 by安田しん二
 私は成田空港の税関で多少時間をくってしまったものの、無事日本に帰って来れた安堵感でホッとして、最後に仲間と御疲れさんの握手で別れました。よすおさんと櫻井さんは電車で帰って行きましたが、何故か櫻井さんは手ぶらで、聞いてみると荷物を全部空港の宅配便に出したのだそうです。しかし、楽器のある私達ミラクルシャドウの面々はそうもいかず、私は車を成田のパーキングに預けておきましたので、自ら運転して我が家へ。よすおさんはギター片手にリュックにボストン・バッグといういでたちでとても重そうです。チンパンは、藤沢までは私と一緒でしたが、そこから先は電車で帰って行きました。
 いつも外国から帰って最初に食べたくなるのがラーメンです。私とチンパンは大船にある『ラーメン・ショップ』でラーメン・セット(ラーメン、ギョウザ3個、半ライス、ザーサイ)を頼みましたが、これが気絶しそうになるくらい旨く感じました。ラーメンの旨さに大感激して、やっと家に着くと、大量の荷物を降ろすのをチンパンが手伝ってくれて、その後オツカレサンになりました。私は最後に駐車場に車を置いて部屋に入り(たしか夜の9時位だっただろうか?)、何故かその後の事を(たしか夜中の12時過ぎまでは起きていたはずですが………)何度思い出そうと思っても思い出せないのでした。

 


ホームへ戻る 私の趣味トップへ スポーツ観戦日記トップへ