アーガマ
    
永野護氏デザインMS大全    
  
機動戦士Zガンダム 1985−1986放送
エゥーゴの強襲用宇宙巡洋艦。
ホワイトベースを参考にして製造され、木馬のようなブリッジと左右の居住ブロックが特徴。
作品ではカミーユ・クワトロ・ブライトらの乗る戦艦としてグリプス戦役を戦い抜いた。
  
 
    
 
 
 アーガマ
 
エゥーゴの強襲型宇宙巡洋艦。ホワイトベースを参考にして製造され、木馬のようなブリッジと左右の居住ブロックが特徴。
作品ではカミーユ・クワトロ・ブライトらの乗る船としてグリプス戦役を戦い抜いた。
意外にも、アーガマに対する永野氏のコメントはほとんど確認されておらず、2001年に発行されたISSUEまでほとんどみられない。
「人工重力を理論的につけなきゃいけなかったので、居住ブロックが、ばらけて回るようにしたんですよ。いま見るとひどいデザインですね。カタパルトも付いてるし。これもMSのあおりをうけていろいろ言われましたね。」 [ISSUE&OUTLINE]
 

 
設定画
永野氏のサインが確認された設定画は3枚で、戦闘時・非戦闘時・ブリッジ&メガ粒子砲が永野氏によるものである。 
 
当時スタッフに配布された設定画を調査したところ、1枚目のシートには戦闘状態(居住ブロックが収納された状態)の斜め前からの設定画が描かれていた。
2枚目には同じく戦闘状態の斜め後ろからの設定画と斜め下からの設定画の2点が描かれている。
3枚目には非戦闘時(居住ブロックが展開された状態)のアーガマの設定画が2点(斜め前と斜め後からの視点)描かれている。
その他にもブリッジ周辺とメガ粒子砲関係の設定画が描かれたシートカタパルト詳細設定がり、合計5枚の設定画が描かれていたことが判明。 (2005.1.28追記)
 
これらの設定画の他にも、永野氏が描いたアーガマのラフ画が「ジ・アニメ特別編集起動戦士ZガンダムPART3」に掲載されていることが判明した。
P92に掲載されたラフ設定画のうち、「上部デッキ(1)」「上部デッキ(2)」とキャプションが書かれているラフ画には「くりす」と書かれており、永野氏によるもので間違いない。
このページに掲載されている他のラフ画の中で、「下部デッキ」と書かれているラフ画は書き込まれた文字から永野氏によるものであるのは明確であるが、その他のラフ画については永野氏以外の人が書いたものである可能性が高い。 (2010.2.6追記)

 
アーガマの船体図は様々な角度から描かれた設定画があるが、真横から描かれた設定画とバリュートを展開している設定画は永野氏によるものではない。
 
その他にも、テンプテーションとドッキングしたアーガマの船底にあるアームや、偵察カメラボール、ランディングアーム等が描かれた設定画があるが、これらも永野氏によるものではない。
 

GUNDAM IIアーガマ(1) (戦斗状態)
この設定画シートには斜め前からの視点から描かれたアーガマの設定画が1点描かれている。
戦闘状態と言うことで居住ブロックが収納された状態である。サインの日付は「MamoruNagano84.12.1」
 
ちなみに、この設定画シートはZガンダムという名称が決まる前に書かれているために、「ガンダム2」という仮タイトルが記入されているが、「ZETA GUNDAM」の設定画と同様に「GUNDAM」のスペルが「GUNDUM」と間違えて記入されているのがなんとも・・・。
 
 
この設定画の書き込みMJマテリアル10GUNDAM ZZ&Z保存版設定資料集に掲載されている(永野氏の書き込みを写植で転載している)。よって以下の書き込みが総てである確証はない。
当時スタッフに配布された設定画を調査したところ、やはり永野氏のカキコミは以下の2点のみであった。
カタパルト下の砲門について
「主砲は4門。副砲は連動して発射される」
 
カタパルト下の円形のシャッターについて
「メガ粒子砲が入っている」
 
G−IIアーガマ(2)
アーガマ戦闘状態の設定画が2点(斜め後と斜め下)、1枚のシートに描かれている。
ちなみにこの設定画は10倍楽しむ本ZガンダムノスタルジアNewtype2011年4月号サインが残された状態で掲載されている。
 
サインの日付は「MamoruNagano84.12.1.」
上の(1)と同じ日に描かれている。
 
シートのタイトルについては、Zガンダムノスタルジアタイトルが残された状態で掲載されている。
同様に永野氏のカキコミについても調査したところ、以下の2点のカキコミを確認することが出来た。
その後、ZガンダムエースNo.001にもタイトル・サイン・書き込みが完全な状態で掲載されている。 2006.6.16追記 
居住ブロックの形状について
「←ライフモジュールは左と右でパターンが反対になっています」
ライフモジュールとは居住ブロックのこと。確かによく見てみると左右対称(上下が逆)になっている。
 
このアーガマの設定画について
「一体これ(アーガマ)をどーやって動かせっちゅーんじゃっ!.どーもすいませーん」
アーガマがあまりにも複雑な形状であるために作画しにくそうである事への自己ツッコミと思われ。
 
アーガマ(3)(非作戦時)
居住コンテナが展開された状態のアーガマが斜め前・斜め後の視点から描かれている。
この設定画は機動戦士Zガンダムグラフティにシートの状態で掲載され、書き込みとサインが載されている。残念ながら永野氏によるタイトルは不明
ちなみにサインは「MamoruNagano84.12.9」
当時の製作スタッフに配られた資料を調査したところ、「アーガマ(3)(非作戦時)」であることが判明。 2005.1.28追記
その後、Zガンダムノスタルジアタイトル・サイン・書き込みが完全な状態で掲載されている。 2006.2.7追記
さらにその後、ZガンダムエースNo.001にもタイトル・サイン・書き込みが完全な状態で掲載されている。 2006.6.16追記 
 
船体最後尾のフィンの展開について
「ベントラルフィン(アンテナ)この位置にもってくることもある」
後ろに伸びている翼が前に展開する様子が描かれている。この設定はバリュートが使用される際活用されている(アーガマのバリュートは船尾に装着され、後ろから大気圏に突入する)。
 
居住コンテナの回転について
「回転方向.正面から見て時計回り」
 
アーガマ(4)ブリッジ.メガ粒子砲
ブリッジやメガ粒子砲のデティールが掲載されている。永野氏の書き込みが非常に多く見応え有り
同じく機動戦士Zガンダムグラフティにシートの状態で掲載され、書き込みとサインが掲載されている。
 
しかしながら掲載面積が非常に小さく(上の2つも同様)、書き込み自体は10倍楽しむ本がオススメ。タイトルは不明・・
 
ちなみにサインは「MamoruNagano84.12th Dec.」
その後、Zガンダムノスタルジアタイトル・サイン・書き込みが完全な状態で掲載されている。 2006.2.7追記
さらにその後、ZガンダムエースNo.001にもタイトル・サイン・書き込みが完全な状態で掲載されている。 2006.6.16追記 
艦橋について
「↓マイクロウェーブエネルギー受信パネル」
「↓アナログ用アンテナ」
「このバルジ(でっぱり)はキャプテンズフロアー」
「マド.すごく奥にある」
「→対放射能、紫外線除去スクリーン(4重).従って演出の指示のある時以外は、中を描かないこと.ハイライトのみ」
「↑ライト」
「↑ヨコのマド.深くてスリットっぽく.このアングルからでは中は見えない −-こーゆう.トーカ光のスリット」
「ドア」
「↑アンテナ基部はムキ出し.BL処理」
「通信用レーザーアンテナ.(不可視)」
「☆(これくらいのUPならば.これ以上.書き込む必要は.ありません)」
 
宇宙船の表面処理について
「宇宙船の表面はサンド.ブラスト処理をすること.銀色でないので光を乱反射させる為てかてかな訳ないですよ.特に、赤色した所はでこぼこ.従って.外板処理は.絶対に.やりすぎないこと!もし.フル.UPでやるのなら.(以下黒ベタで塗り潰されているため判読不能)
なぜかどの掲載紙を見ても塗り潰されている。永野氏が塗り潰したのか、はたまたカントクなどによって行われたものなのか・・・・?
 
アーガマ装甲板について
「この様に.アーガマは宇宙船なのですから」
「この処理は飛行機の外板処理です。部分的に使用してもかまいません.自信のある方はけっこうですが.この方法は一歩まちがえるとシルエットがこんがらがってしまいますよ.」
 
メガ粒子砲について
「(収納時)必ずしもぴったり閉じていない」
 
●MSカタパルト詳細図
データコレクション6機動戦士Zガンダム下巻に掲載されているMSカタパルトデッキの設定画で、永野氏のサインが確認できる
縮小されて掲載されているためほとんど書き込みが判別出来ないのが非常に残念。リック・ディアスらしきMSも小さく描かれている。
 
 
●上部デッキ(1)
ジ・アニメ特別編集起動戦士ZガンダムPART3」に掲載されているアーガマ内のMSデッキが描かれたラフ設定画。
設定画に「くりす」と書かれている。
 
データコレクション6機動戦士Zガンダム下巻」に掲載されたMSカタパルト詳細図とほぼ同一のアングルから描かれており、この設定画のラフ画であると思われる。
その他にも、カタパルトデッキの位置を示すアーガマ全体の設定画も一緒に描かれている。
 
書き込みも何とか読めるサイズであるが、一部切り取られて掲載されているのが残念。
カタパルトデッキ上部各設備について
「ここそーこ 倉庫」
「人のつーろ」
「ブリッジ主軸のくぼみの両側にエレベーターが2つついている」
 
・カタパルトについて
「内側に入ったカタパルト.MSはここにセットするために少し(以下確認できず). 様は射出体制まで.内側で行う(以下確認できず)
たぶんデッキエレベーターが上に上がって射出路まで横に押し出している間に、MSは射出体勢を取るという演出上の設定が書かれていたと思われる。
それにしても、誤字多いですなぁ。
 
●上部デッキ(2)
ジ・アニメ特別編集機動戦士ZガンダムPART3」に掲載されているラフ設定画で、(1)と同じ箇所を真横からの視点で描かれている。
こちらのラフ画には、デッキ内にリックディアスと思しきMSも描きこまれている。
 
こちらのラフ画も「くりす」というサインが書き込まれているが、タイトル等は確認されていない。
上部デッキの大きさ・形状について
「とにかく広いデッキです.異様に天じょー高い25mくらいある 高さの表現をよろしく (体育館のフロアをたてにもってきたカンジ)」
「下 そーこの為真っ暗」
 
デッキの各施設について
「まん中の通路.移動リフトをつけるのをわすれずに」
「ブリッジの主軸が入るスペース」
「ブリッジからくるエレベーター(人間用)」
 
上部デッキの気密性について
「この中戦斗時.(アーガマの形態が)はもちろん非与圧地区になります 従ってノーマルスーツ着用 被弾してハッチに穴があいても.人間とかすいこまれませんのでごちゅーい」
空気が無いから、穴が開いても宇宙空間に放り出されることはないということですね。
 
●下部デッキ
ジ・アニメ特別編集起動戦士ZガンダムPART3」に掲載されているラフ設定画で、カタパルトの下部のデッキ(格納庫)が描かれている。
このラフ設定画には永野氏のサインは無いが、多数書かれているカキコミが永野氏によるものであることが一目で判別できる
格納庫及びカタパルトへの搬送エレベーターが描かれており、その中には収納されているモビルスーツ2体と大気圏突入用シャトルが描かれている。
(ラフスケッチであり、MSも輪郭しか描かれておらず、どのMSが描かれているのか特定は不可能)
「これより先.レーダーとシャトルそーこ」「このへん水タンク」「この大きなシャフトはカプセルの発射口をかねる」
デッキの前の方に書かれている書き込みで、円形のトンネルのような設備が大気圏突入用カプセル射出口であるらしい。
劇中でもその設定が活かされていたかというとイマイチ覚えてないんだよなぁ・・・。
 
「大気圏突入用シャトル、カプセル右には脱出用の.ランチ.2つくらい.」
コムサイのような形状のシャトルは描かれているが、脱出用ランチはこの設定画には描かれてません。
 
「メガ粒子砲」「人間が・・・メガ粒子砲にいくリフト」
デッキ横の円盤状シャッター内に収納されたメガ粒子砲も設定画に描かれていて、その設備内に入るリフトについても言及している。
 
「スペアのMS.2機」「ここにもう一台おける」「*モビルスーツは4台収納している←6台も可 予備は2機、(でしたよね・・・たしか.) (注)しかし、内2機は常時エレベーターにセットされている」
この書き込みと設定画の内容から、左右のデッキにそれぞれ2機(+1機)が収納可能ということですね。
劇中ではマークIIが1機、リックディアスが3機収納、及び予備パーツ用のマークIIもありましたので、その辺は設定どおりなのかな?
後半はZと百式、メタスあたりだっけ?
アポリーのリックディアスもアーガマ収納だったかは良く覚えていませんが、この収納数ではネモなどは収納できないんですねぇ。
放映当時の子供の頃にアーガマには主要キャラ搭乗機以外のMSがないのか不思議に思ったものですが、この最大収納機数の設定を知って今更ながら納得です。
 


 
掲載雑誌

アニメック1985年05月号 P65
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
アニメック1985年10月号
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
Zガンダムを10倍楽しむ本 P110−111
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
機動戦士Zガンダムグラフティ P85
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトルサイン
Z大辞典 P32・68
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
ジ・アニメ特別編集起動戦士ZガンダムPART3 P90-92
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
アーガマのラフ設定画などが掲載されている。
ZZ&Z保存版設定資料集 P178
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトルサイン
データコレクション6機動戦士Zガンダム下巻 P72
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトルサイン
Zガンダムノスタルジア P163
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトルサイン
設定画(2)(3)(4)が完全な状態で掲載されている。
ZガンダムエースNo001 P83
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトルサイン
(2)〜(4)までの設定画が完全な状態で掲載されている。
Newtype2011年4月号P21
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
 
コメント

ISSUEOUTLIN 

    
  
 
 アーガマ
      (小説オリジナルVer.)
 
講談社から発行された富野由悠季氏の小説機動戦士Zガンダム第一部-カミーユ・ビダンカバー(裏側)カバーを外した表紙に掲載された。ほとんど本編に登場しているデザインと同一だが居住ブロックの形状が長方形から五角形に変更されている。真横からの視点で描かれ、艦橋部が起きあがっているのが印象的。「MamoruNagano84」のサイン有り。
 
ちなみにこの小説は後に角川書店から再発行されているが,、表紙及び挿し絵等は永野護氏から美樹本晴彦氏に変更されている。ちなみに永野護氏のイラストが掲載された講談社版は既に絶版に。
 

 

掲載雑誌
機動戦士Zガンダム第一部-カミーユ・ビダン
イラストが掲載されている。また表紙及び扉ページにも永野氏のイラストが掲載されている
 
 
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