永野版ガンダム
(初期デザイン)    
永野護氏デザインMS大全    
  
機動戦士ガンダム 1985−1986放送
Zガンダムの製作初期に永野氏によって描かれた新ガンダム案。
この時期はMKII→Zガンダムという構図はまだ存在せず、純粋に新番組用の主役機というコンセプトで、様々な新ガンダムが描かれた。
その中には後に、百式と呼ばれる機体も含まれ、この機体を始祖とする機体群もココに含める。
  
 
 
 

 
 ZETA(百式のラフ)
      (永野版新ガンダム初期デザインその
 

アニメック1985年10月号「Z世界のメカデザイン−その変遷」に掲載された永野版Zガンダム初期デザイン。
ZETAGUNDAMと同じくまだマーク2のコンセプトが存在しない頃に描かれた純然たる新ガンダム案のひとつ。

 
1985年のアニメックに掲載された頃からファンの間では「百式ラフ」という名前で呼ばれていた。
2005年に発行されたZガンダムエースに掲載された同MSの設定画により、
永野氏による名称案は「ZETA」と書かれていたことが判明した。
 
一般的に「百式ラフ」の名で呼ばれる通り、形体はほとんど百式と同一。
というよりもこのデザインを藤田一己氏がクリンナップしたものが本編に登場した
よって厳密には百式は永野氏がデザインしたMSではなく、藤田一巳氏によるものといえるだろう。
「ガルバルディの時点で僕はZガンダムを一回降りていましたから・・・。だから百式というのは、僕のデザインでありながら、僕がクリンナップしていないんですよね。」 [アニメック1985年10月号]
「百式は藤田君がクリンナップしてくれて、後のデザインは100%彼のもの−」 [アニメック1985年10月号]
「百式は永野さんのデザインがベースです。(中略)僕もラフを起こしてたんです。その時監督から永野さんのラフがきまして、これでやってくれって言われたんです。で、そのラフも正面パースだけだったんで、後ろの立ちポーズは全部僕がやって、藤田ラインの百式になりました」 [アニメック1985年10月号藤田一巳氏インタビュー]
「その時点ではストーリーは全然聞かされていなくて、「Zガンダムっていう主役MSを作ってくれ」とだけしか言われなかった。僕は意地でも変形させてやるもんか、とか思ってたし、提出した僕のZガンダムは採用されなかった。それが後にエプシィー・ガンダムという名前で模型紙に掲載されたり、百式のモデルになったりで [ZガンダムメモリアルLD-BOX1封入ブックレット]
「永野版の新ガンダムの一部はシャアが本編で使用した百式とネモに、各々藤田氏の手でリファインされ登場している」 [ZガンダムメモリアルLD-BOX1封入ブックレット]
「僕が描いた変形しないほうのZガンダムですね。いったんZを離れたときに、残していたデザインを藤田一巳君がクリンナップしてくれて。クリンナップ前は、目がついていたんです。最後まで手がけられなかったのが、ちょっと心残りですね」 [ISSUE&OUTLINE]
  
このMSとエルガイム風のシルエットを持つ「ZETAGUNDAM」はどちらが先に描かれたものであるのか長らく謎であったが、ZETA(百式ラフ)が先に描かれている。
そのデザインを基に新たに描き直したものが「ZETAGUNDAM」であるらしい。
また、これらのMSが描かれたのはエルガイムの製作半ばであり、富野監督の密命によりこっそりと描いたものであるとのこと。
その際に、既存のガンダム像を考慮せず、スキにデザインして欲しいという要望があったとのことである。
「こっち(ZETA)あんまりニュアンスよくない”没”」 [Zガンダムエースに掲載された設定画のカキコミより]
「(ZETAGUNDAMの設定画は)右のスケッチ(ZETA)をもとに、永野が描き直した別バージョン」 [Zガンダムエース]
(このMSをデザインしたのはエルガイムの作業が行われている頃?との質問に対して)そうですね。エルガイムが折り返した頃にこの設定画を描いている」 [Zガンダムエース]
「本当になんにもない状態で、富野さんが何も縛りを無くして、好き勝手描いていいって言ったから描いたモノです。新しいMSのデザインに関しては、当時は、スポンサーであるバンダイの勢いがすごくて、サンライズ社内からの圧力や要望もあったんだろうけど、富野さんとしてはまったく新しいMSを作って欲しいという意識がすごくつよかったみたいで。それで、とにかく永野バージョンのガンダムではなく、新しいロボットを作ってくれと言われて描いた」 [Zガンダムエース]
  
このMSは変形型ではなく、初代ガンダムと同じくコアファイターと合体する形態であったらしい。
それに対して「ZETAGUNDAM」は設定画に描かれている書かれているカキコミなどから変形機能を持っていると思われる。
この変形しないと言うスタンスは後の「タイプ100」まで引き継がれていく。
「みぞおちに見えるのはコアファイター」 [Zガンダムエースに掲載された設定画のカキコミより]
「僕が描いた変形しないほうのZガンダムですね。」 [ISSUE&OUTLINE]
「富野さんはやたらと変形や合体にこだわあっていたけど、オレは「やりたくない!」ってゴネていた」 [Zガンダムエース]
(マクロスのバルキリーの)二番煎じじゃ僕は嫌だと。せっかく、ガンダムというネームバリューのある作品なのに、そんなことをやってどうするんだと。説得力もないし。だから、とりあえず変形しないMSのデザインから作業に入った感じですね」 [Zガンダムエース]
  
ちなみにこのデザインを基にして作り直したのがリックディアスであるらしい。
言われてみれば胸部・腰部等に若干類似点が見受けられる。
 「僕はこれを別のメカにしてリックディアス作ったし」 [アニメック1985年10月号]
 「百式(のラフ)があったからリックディアスができたんで・・・・。デザインの順番としては逆だからね−」 [アニメック1985年10月号]
  
さらにこのデザインを参考に、大河原氏がマーク2のラフを描いている(7点ほど存在し、百式ラフと同様にガンダム特有のツノがないものが多い)。
更にそのラフから永野氏がマーク2のラフをデザインし、そのラフを大河原氏がクリンナップしている。
 
その後永野氏→大河原氏と両氏により再度クリンナップされたものと、藤田氏によってクリンナップされたもの(その後このデザインが現行のMK−II決定稿へと移行していく)と別れていき、決定稿がデザインされていった。少々強引だがマーク2の始祖たる存在といえなくもない
「百式のラフってすごいんだよね。あれ見て大河原さんがMK-IIにして、」 [アニメック1985年10月号]
「ガンダムMK-IIっていうのは基本デザインが僕で、基本シルエットをつけたのが大河原さんで、藤田君がクリンナップしたというヤヤコシイメカ」 [アニメック1985年10月号]
「MK-IIに関しては大河原さんのラフがあって、永野さんのラフがあって、この永野ラフを大河原さんが手直ししたのがあって、それをまた永野さんが描いたのがあって、この永野さんのをまた大河原さんががやったというのがあって」 [アニメック1985年10月号藤田一巳氏コメント]
「MK-IIに関しては大河原さんのラフがあって、永野さんのラフがあって、この永野ラフを大河原さんが手直ししたのがあって(中略)、大河原さんのを僕が手を入れたのがあって−それが番宣用パンフに載ったものです。その後部分的に直して現行のMK−II決定稿になったという感じじゃないかと思います」 [アニメック1985年10月号藤田一巳氏コメント]
「「MK-IIも、永野ラフを大河原邦男と藤田が手を加えるという形で完成させた」 [OUTLINE]
「ガンダムMK-IIや百式は僕のラフ画を他の人がリファインしてます」 [Zガンダムヒストリカ09]
 
1986年に、小林誠氏がアニメ雑誌(マイアニメ1986年5月号)の企画(ガンダム進化論)でこのMSのイラストを描いている。
そのMSには「零式試作機」という名称と、「モビルスーツ史上、最も異質の機体である。その後のスーツデザインに与えた影響は大きい」というキャプションが書かれている。
※モチロン小林誠氏による独自の設定である。
 

 
設定画
今現在アニメック1985年10月号に掲載されたもの以外確認されていない。
よって永野氏による書き込み等やサイン・日付等は不明
ただし藤田氏のコメントにより
(「そのラフも正面パースだけだったんで」アニメック1985年10月号より)正面パースが一枚存在するのみであることは判明している。
→書かれていたのは「ZETA」というMSの名称と、「こっちあんまりニュアンスよくない”没”」・「みぞおちに見えるのはコアファイター」というカキコミ。
 
なおサインは「MN」のみであり、正確な日時は不明である。
ZETAGUNDAMと同じ頃に描かれたものであることが上記カキコミより想像できるため、1984年に描かれたものであることが解る。

 
 
掲載雑誌
アニメック1985年10月号
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
永野氏のインタビューがあり、百式のラフについてのコメントも掲載されている
ZガンダムメモリアルLD-BOX1封入ブックレット P16
マーク2のデザインの経緯についての解説が掲載され、永野氏の関わった状況なども言及されている。
またこの百式ラフとは違うバージョンの永野版マーク2初期稿が掲載されている

ISSUE(P102)&OUTLINE(P104)
百式がデザインされた経緯についてのコメントが掲載されている
Zガンダムエース
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトルサイン
Zガンダムについての永野氏のインタビューが掲載され、完全な形で百式のラフの設定画が掲載されている
 
 
 
 百式バッシュ
      小説オリジナルVer.)
 
講談社から発行された富野由悠季氏の小説「機動戦士Zガンダム第二部-アムロ・レイ」カバーに、永野版カミーユと共に描かれたMS。
 
百式ラフを永野氏がリメイクしたオリジナル百式。肩部と脛部を除いてほとんど原型をとどめていない。
「小説版は総てデザインを変えている」 [アニメック1985年10月号]
  
ちなみに名称はなぜか百式バッシュであるが、名前をつけたる理由は永野氏本人にもわからないらしい。やれやれ・・・。
「某講談社の小説版ZGの表紙にもデカイバーニアしょった百式バッシュがすっとんでいるが」 [ModelGrahix1985年8月号]
「何であれバッシュになったんだろーか?うーむ、お兄さんは疲れているのだ、きっと・・・」 [ModelGrahix1985年8月号]
  
大きな特徴として頭部にシャアザク風のツノが付き、全身のカラーリングが系統である事が挙げられ、いかにもクワトロ(シャア)が乗る機体という感じではある。
やはり永野氏にとってはシャアの機体は赤色なのだろうか。しかし富野監督によって百式は金色という事になってしまうのだが・・・。
肩には100のマークが入っているが、TV版の百式は百と漢字で書かれている。このアイディアも富野監督によるものである。
「バンダイとのモビル・スーツの会議の席上で(中略)、金色というのも富野さんがシャアの赤色というのはもう古いんじゃないか、黄金のシャアにしようといってそうなりました」 [別冊アニメディア機動戦士Zガンダム完全収録版]
「バンダイとのモビル・スーツの会議の席上で、いきなり富野さんがここに百の字をいれますと言い出して決まったんです。」 [別冊アニメディア機動戦士Zガンダム完全収録版]
  
大型のバインダーを背中に装備しているのも大きな特徴のひとつである。
ちなみにこのMSのバインダーを発展させたのが、シュツルムディアスやエプシィに装備されたグライバインダーである。
この機体の体部分は後のエプシィ(小説用G2MK2)に転用されている
(グライバインダーは)某講談社の小説版ZGの表紙にもデカイバーニアしょった百式バッシュがすっとんでいるが、あれがそもそものイメージ。」 [ModelGraphix1985年8月号]
「小説版1巻のエプシィの頭部と2巻の100式のボディをアレンジしてデザインした」 [アニメック1985年10月号]
このMSが純然たる永野版百式なのであろう。
赤色でツノ付き、現在ではものすごく違和感を感じるのであるが(笑)。



 
掲載雑誌
機動戦士Zガンダム 第二部アムロ・レイ
表紙イラストに百式が描かれている。
ModelGraphix1985年別冊「GUNDAM WARS PROJECT Z」 P156
小説第2巻が紹介され、表紙イラストが掲載されている(モノクロで掲載)。
Tales of Joker1 P8-9
井上伸一郎氏のエッセイ「マモルマニア」の挿し絵にこのイラストが大きく掲載されている。
タイトルなどで隠れている部分
や、小説時には消された永野氏のサイン「MN85」も確認できる。オススメ。

まんだらけZENBU20 P43
小説版2巻の表紙が掲載されている。
 
 
 
 タイプ100
 
永野氏がZガンダムのLDBOXの発売にあたり、Newtype1994年1月号に書き下ろしたイラストに描かれていたMS。
 
機体のコンセプトはシャアの乗るガンダムという事であり、連邦軍次期ガンダム開発で没になったエプシィとは別に出力70%機動力43%アップさせたガンダム型MS。
エゥーゴ側の意向により左右に巨大なブースター、その間にメガ粒子砲を背中に装備していたとの事である。

 
名称は「タイプ100」と明記されており、百式を連想させる。
いうまでもなくエプシィ系MSと百式はデザインされた経緯がまったくことなり、このMSとエプシィはまったく関係ない・・・はずである。
ただしプルトンドライブ・グライバインダーなど類似点は多いのだが。

 
実際にグリプス戦役やアクシズとの抗争で使用された藤田版百式とは別の機体、永野版百式といってよいのだろう。
「連邦軍2世代目ガンダム型MMSのトライアルはMK-II、Zとの採用となりアナハイム社のEタイプ(エプシィガンダム)は敗れ、イカりまくった主任デザイナーはsクラップにしてしまう。(中略)のちある人物のひそかな要請により、より強力なガンダム型MSのデザインに入る。出力で70%、機動力で43%のアップが可能とされ、その主任設計者はタイプ100と名づける」 [Newtype1994年1月号]
「実際のアクシズ・ネオジオン戦に投入されたものは外装も色も異なるものであった。反抗群の用兵状の注文であったらしいが、オリジナルはこのように、のちのシュトルム・ディアスももつブースターとメガ粒子砲を持ち」 [Newtype1994年1月号]
  
ちなみにこの百式については、有名な割に永野氏に関する部分では?な事が多い。
いうまでもなく、この百式と呼ばれる機体のデザインは、番組製作当初に描かれた百式のラフであり、当時は百式というコンセプトはない。
 
このデザインを藤田一巳氏が簡単に手直ししたものが所謂百式であるが、ここで問題となってくるのは百式というネーミングと、象徴である金色のカラーリングである。
百式という名称は各所で永野氏の意向である旨の記載がされ、永野氏自身もわずかなマイナーチェンジで百年は通用するという趣旨のコメントを残している。
ただし、いずれも茶化した雰囲気のコメントばかりで、永野氏がどの時点で、このネーミングを主張したかは不明である
一部資料によると当初00100型という名称のネモの発展型をつくろうという話であったとの事であるが・・・。
「最初は00100型という名のネモの発展型を作るという話だったんです」 [別冊アニメディア機動戦士Zガンダム完全収録版]
「型式番号はMSN-001の予定であったが、M・ナガノ博士の主張によりMSN-001百式となった」 [MS大全集]
「型式番号から百式と命名されたという説が有力だが、百年持つモビルスーツになるようにと、日系の設計者M・ナガノ博士の願いを込めて名づけられたという説もないわけでない」 [機動戦士Zガンダムグラフティ]
「その主任設計者はタイプ100と名づける。これは今後いかなるモビルスーツが登場しようと、わずかなマイナーチェンジで今後100年はその力を発揮できると、よせばいいのにブチあげたため・・・といわれるがボクの記憶にはない(こら!)」 [Newtype1994年1月号]
  
一方、金色のカラーリングについては、設計者であるナガノ博士に敬意を表してというようなコメントに終始していて、永野氏の要請という雰囲気を感じることは出来ない。
実際は富野監督の意志によるものである。肩に百というマーキングも同様。
 
ちなみにこのType100は明灰白色黄橙色という、太平洋戦争時に日本軍が使用した零戦21型(真珠湾攻撃に使用された機体)と同じカラーリングにされている。
「バンダイとのモビル・スーツの会議の席上で(中略)、金色というのも富野さんがシャアの赤色というのはもう古いんじゃないか、黄金のシャアにしようといってそうなりました」 [別冊アニメディア機動戦士Zガンダム完全収録版]
明灰白色黄橙色のボディーからかつて中世の日本機ゼロ・タイプ21を思い出せる者はそういないはずだ。」 [Newtype1994年1月号]
 
また胸とバインダーに、シャアのマーク(一年戦争のときのシャアの制服に描かれていたマーク)が描かれ、この機体がシャアの機体であることを示している。
「正面やバインダーにはあのマークが描かれていたのだ」 [Newtype1994年1月号]
「タイプ100のパイロットはマークが示すならば、旧ジオンのトップエース・・・だが、彼はナイチンゲィルと共に・・・」 [Newtype1994年1月号]
 
下半身は爆焔のため隠れているのでまったく見ることが出来ない。
このイラストのMSはすべてプルトンドライブを装備しているため奇怪な脚部をしているらしいのが・・・。
ちなみに小田雅弘氏に対して、キット化するなら隠れている下半身の設定画を描くよ〜と発言しているのはあまりにも有名。
が、残念ながらそのような事は行われなかったと思われる。あまりにも残念。
「全機下半身はプルトンドライブ特有の奇怪な脚部をもっている。しかしすべて隠れて見えないのが残念である」 [Newtype1994年1月号]
「小田さん、どれかつくってみるう?下半身デザイン出しますぜ。きききっ。」 [Newtype1994年1月号]・[まるごと永野護]・[ISSUE]・[OUTLINE]
 

 
掲載雑誌
Newtype1994年1月号 P8-9
イラスト及び解説文が掲載されている。またピープルカレンダーにも富野監督に対してのコメントが掲載されている
ZガンダムメモリアルLD-BOX1封入ブックレット P16
イラストが完全な形で掲載されている。本誌ではコメントに隠れてよく見えなかった永野氏のサイン(「MamoruNagano 1993Dec」)も見ることが出来る
ISSUE(P102)&OUTLINE(P104)
イラストが小さく掲載されている
GUNDAM A 2002Spring No.004 P323
安彦氏との対談のなかにイラストがモノクロで掲載されている
ZガンダムエースNo.001 P86
永野氏のインタビューと共に、このイラストも転載されている。
機動戦士ガンダム30周年画集「天地創造」 P200
イラストが再録されている。
ガンダムエース2024年3月号 P13
Newtype1986年3月号のイラストが再録されている。
 
 
  
 ZETAGUNDAM
      (永野版新ガンダム初期デザインその
 
ガンダムの続編の為にデザインされたMS。ガンダムにはみえにくく、エルガイムと百式の中間あたりの雰囲気のデザイン。
特筆すべき点として頭部のツノがなく(ただし同じ頃デザインされた大河原氏他のマーク2もツノなし)。腕にエルガイム等が持つパワーランチャーらしきものがついている。
永野氏の書き込みによると変形すると思われる。ちなみにGUNDUMの綴りはGUNDAMが正解。
 

このデザインの腰から下はまるまる百式に流用されたらしい。シールドはネモ、胸あたりはリックディアスに転用された。
ちなみにマーク2は放送前はZETA・GUNDUMとよばれていたが、後にマーク2と名称が変更された。

Newtype1994年1月号に掲載された永野氏のコメントによると連邦軍の2世代目ガンダム型MSのトライアルはMk−II・Zの採用となり,アナハイム社のEタイプ(エプシィガンダム)は敗れ、イカリまくった主任デザイナーはスクラップにしてしまう。が、そのEタイプの多くのパーツは、のちの連邦MSネモや他のMSに多く流用採用されるとのことであり、このデザインのことであると思われる。

このデザインが描かれた頃は、ガンダムMk-IIのコンセプトが無かった頃のものである。
純粋に新ガンダムという名目で描かれたものであるが、後に永野氏の中ではエプシィの始祖たる存在となっていったのだろう

 
-追記-
2005年7月に発行されたZガンダムエースbPに掲載されたインタビューによって、このMSについていくつかの事が判明した。
 
インタビューによると、このZETAGUNDAMはZETA(通称:百式ラフ)の後に描かれたということである。
エルガイム制作中盤時期に富野監督の依頼があり、内緒でデザインした次期ガンダム案のMSが2体存在し、そのうちの1体がこのMSであるとのこと。
  
詳しい経緯としては、まず最初にZETAが描かれ、永野氏本人がデザインにあまり納得できなかったらしく、設定画に「こっち、あんまりニュアンスよくない”没”」と書かれている。
その後に、そのZETAを元に描き直した別バージョンの次期ガンダム案が、このZETAGUNDAMというMSであるとのこと。
「右のスケッチ(ZETA)をもとに、永野が描き直した別バージョン。」 [Zガンダムエース] 
 
なお、このMSの設定画に変形ができる旨の書き込みがあるが、永野氏本人としては変形については消極的だったらしい。
そのため、最初にデザインしたZETAは変形機構をもたせなかったとのこと。
しかし、2体目であるこの機体には変形機構を持たせられている。一体どのような経緯があったのか気になりますねぇ。
「富野さんはやたらと変形や合体にこだわっていたけど、オレは「やりたくない!」ってゴネていたんで。(マクロスのバルキリーの)二番煎じじゃ僕は嫌だと。せっかく、ガンダムというネームバリューのある作品なのに、そんなことをやってどうするんだと。説得力もないし。だから、とりあえず変形しないMSZETAのデザインから作業に入った感じですね」 [Zガンダムエース] 
 


 
設定画
残念ながら完全なシート状態で見たことがないため確証はないが、MJマテリアル4に掲載されているものが完全な状態のシートではないかと考えられる。
ちなみにアニメディア別冊機動戦士Zガンダム完全収録版に掲載されているものは、書き込みやタイトルは掲載されていないが
非常に大きく掲載されていて見応えアリ
永野氏の書き込みは3箇所
左腕に装着された火器について
 「↓ミサイルランチャー3発 ↓ビームライフル」
首周りの装甲について
 「変形時首を固定するトラベリングロック」
肩装甲について
 「大気圏用エアインテークとジェットエンジン。つけねは変形用ヒンジ」
シートにZETAGUNDUM」のタイトルとMamoru Nagano 84」のサインアリ。
 

 
掲載雑誌
MJマテリアル別冊Zガンダムメカニック設定集&作例集 P6
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
アニメディア別冊機動戦士Zガンダム完全収録版 P106
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
モデルグラフィックス85年別冊「GUNDAM WARS PROJECT Z」 P152
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
Zガンダムエース
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
Zガンダムについての永野氏のインタビューが掲載され、完全な形でZETAGUNDAMの設定画が掲載されている
グレートメカニックG 2020 WINTER P27
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
  
 
 
 永野版新ガンダム
      (永野版新ガンダム初期デザインその
 
1999年になっていきなり明らかになった永野版新ガンダムの初期稿。
永野氏にしては珍しく手足が太く寸胴な事と、肩の後ろについている翼が印象的。

 
なお首の所にに小さくR01と書かれている
ちなみにR01とは「Rは大隊直属を示し、01はその隊長機(小隊長)である。つまりR01は大隊長機を示す」(クロニクル:R01の項より)とのことである。
Newtype1994年1月号に掲載されたType100にもR01リックディアス(スーパーディテール設定)にはR02と書かれていた。

 

 
掲載雑誌
SUPER ROBOT GENERATION SUNRISE 1977-1987 P143
もちろん初公開の永野版ガンダム型MSのラフスケッチで、番組の企画当初に描かれたモノと思われる。
全身像の他にも
デザインの異なる頭部のラフイラストが3点ほど掲載されている。
    
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