Episode X.侍マラソンの年が来た!



侍マラソン シャアプロジェクト情報


ヘルメットの作成は尚も続く!

バカボンドでラフにくっつけた平金網を手である程度曲げていき、所望の形になったところでニッパーで余分な箇所をポキポキと切っていった。最初は室内でやっていたが、切ったあとの針金の切れ端が部屋のあちこちに飛んでしまう。最初はちゃんとゴミ箱にいれていたが、そのうち回収しきれない針金がでてきた。






かみさんが怒る...

やむなく寒い外にでて切ることにした。変な親父が変な物体を持って、ニッパーで何か切っている異様な光景が前橋市のとある集合住宅の一角で目撃されていた..。






寒い...。

飛んでくる針金が目に入ってくるので、わざわざつけていたコンタクトレンズをはずし、眼鏡にしてポキポキと切っていった。切っては眺めて、切っては眺めて...

シャアのメットが写っている漫画の切れ端を見ながら、頭の中で完成図を思い浮かべながらひたすら金網を切っていった。ある程度切ったら部屋の中に入り、メットを被って鏡の前に確認する。確認しては修正のためにまた外にでてポキポキ作業を進めた。難しいのは末広がりの部分の端をどのくらいにするか?

あまり長すぎると、いずれ作るであろうマントをこすってしまう。しかし短すぎるとインパクトにかける。この見極めをするため外に行ったり中へ入ったりを繰り返した。

あまり繰り返していたらいい加減面倒くさくなってしまい(←ここがB型人間の悪い癖)






もういい!完成!

と、無理やり完成させた。(←ここがB型人間の良い癖)






(前方から)


正面のツノの部分を抜かして外形の骨格が完成した。



(後方から)



2008になってもシャアプロジェクトは進行する!




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ヘルメットの骨格はできあがった。多少のずれはあるかもしれないが、よほどのガンダムマニア以外はそれなりに納得してくれる外形と思う。さて、この金網に今度はFRPをぬりたぐるのであるが、このままFRPを塗ると金網の隙間からFRPがたれてしまうのは、簡単に予想できた。

そこでまたもやホームセンターカインズホームに行って、ガラスクロスなるものを購入した。このガラスクロスは、布なのだがその繊維はガラス。

つまり
頑丈な繊維なのだ。

このガラスクロスをヘルメットの金網にあうように適当な形に切っていき、ボンドで裏から接着していった。

ボンドが固まるまで時間がかかるので、洗濯ばさみで固定した。かみさんが洗濯を終えた瞬間を見計らって洗濯ばさみを拉致して使っていたが、効率が悪いので結局100円ショップで購入して使いました。



この作業を2週間にわけてやりました。

せっかくの土日に家族サービスもしないで、ひたすら変なメットをつくる










アホ親父!



そして、2週間にわけてガラスクロスを貼り付けたヘルメットが...





それなりにできた!



いよいよFRPの塗布にはいる。しかし、ヘルメットの製作と平行してあの独特の形のマントの製作もスタートしていたのだぁー!




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シャアの衣装作成の上でヘルメット以外のもうひとつの課題といえば、あのマントであろう。ジオン公国の紋章が前面に、そして階級章が襟にあるあの気品のあるマント。マントといえどもタイガーマスクみたいなマントではなく、前も後ろも”W”の形をした非常に独特のマントである。









こんなもんは絶対売ってない!

ネットであるかも知れんが、多分そんなもんは数万円もするから無茶苦茶高い!どうするか?どう考えても








自作しかない!

だれに頼むか?また秋田のおふくろを使うか?しかし、おふくろに”ジオンの紋章がこうで...”とか”襟には少佐の階級章をつけて...”とかいろいろリクエストすると、おふくろが思考停止する感じがして今回は辞めた。難しいマントなので情報をすぐやり取りできるように、製作者は近場にいたほうがいいと思った。

そしてやっぱお裁縫だから女性だよねー。かといってうちのかみさんはこんなマントを作ってくれるわけがない。
O型の人間はB型のアホな行動にはついて行かない性格なのだー。しかもうちのミシンは壊れている。作るとなれば完全に










家庭内手工業になってしまうー!

かみさんはやらない。となると、あの人しかいないか?群馬県の前橋の夏の風物詩、”だんべえ踊り”を華やかな衣装を着て踊りまくるあの人しかいない!

群馬町の小学生バレーボールチーム”金古南Jr”の女性コーチ、通称











Sママ

何故Sなのか?年齢は?体重は?いろいろ不明な点はあるが本題とは外れるので話題にはしないでおこう(←いつも本題からはずれているじゃないかぁー!)。で、2007年冬に練習試合で金古南Jrに会ったときにたのんでみた。

ふなきさん「あのー、頼みがあるんですけどー、こーゆーのって作れます?前はこんな感じ、後ろはこう。」

シャアの漫画のコピーの一部を見せた。

Sママ「ん?これってマントですよね。肩のラインがここから来て、こーくるんでしょ?(思考中)で...留めるのは前で留めてかぁ...(思考中...結構異様なマントなので思考が長い)」

ふなきさん「で、来年侍マラソンの時にこれ着て走るんですわ。なので分厚い生地は駄目」

Sママ「んーだとしたら綿は使わないほうがいいか?...(思考中)」

いろいろリクエストして最後は









ふなきさん「
ま、とりあえずこの漫画渡すから検討してみて!












でたぁー!




B型人間の身勝手作戦!

人の都合を考えないで、無理やりやらせる。周囲に迷惑かけ続け人生を生きるB型人間。でもSママもそんなに悪気はなく、持ち帰って検討してくれるようだった。










約1週間後、Sママから

試作品ができた!

のメールが届く!











えらい早いじゃないかぁー!


Sママはもしかしてコスプレ大好き人間か?いずれにしても試作品ができたことはいろいろ議論できる場ができたということで、かなり前進できた。ありがとう!Sママ!

Sママには秋田の”いなにわうどん”を速攻でお土産として差し上げました。





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さてSママに製作していただいた試作品。着てみるとやっぱなんか





気持ちがいい!

すでに気分は勝手に1年戦争の世界に入っておりました。いろいろな人の意見を聞くために、小学生バレーの練習試合の合間を見て、ガンダム系の親父に(←どんな親父だぁー!)着て見せた。



「肩のラインはもっと内側でいいのでは?」



「カットはもっと上にしたほうがいいのでは?」



「がっちり見せるように肩パッドいれたほうがいいのでは?」



「(ふなきさんが)
なで肩すぎる!









顔が悪い!







うるせー!

とまあ、試作品はある程度の余裕を見て少し大きめに製作依頼していたので、大きい、小さい、長い、短いの意見は当然でてくることは予想の範囲内であった。さて、これから寸法の微調整である。ここからが実際のシャアに近くするために重要である。






さて、誰にたのむか?

2008年1月、正月気分が抜けないかみさんがテレビを見ながらトドの如く横たわっている。明日は小学生バレー練習試合の日。久々に金古南Jrも来る。なので、マントの修正をSママに依頼するには絶好のチャンスなのだぁー。

ふなきさん「おう!明日よー、金古南JrのSママさんにマントの修正を依頼するんだけどよー、どごをどーなおへばいいがおへでけれ!(←基本的にかみさんとの会話は秋田弁使う)」

ふなきさん「おぎれ!明日しかねーんだって!ほれ(勝手にマントを着る)。なんとへばいいんだ?(シャアの漫画を手渡して) これ原本。」

かみさん「...たく!
せっかく寝ているのに!...どれ、ちゃんと立ってみい!ちゃんと着てみぃ!」

トドは起きた!とりあえず起きた。かみさんはシャアの漫画を見ながらマントを折っては針でちくちくさして折り目をつけて仮縫いしていった。しかしその作業の間に


かみさん「まったく!
なんでこんなことしなきゃなんないの?

かみさん「まったく!
せっかく寝てたのに!

と非難轟々!しかし、ここは我慢。ひたすら我慢!忍の一字で約15分。

かみさん「
ほれ!これでいい!

かみさんの終了の合図があった。かみさんはそのまま横になった。またトドに戻った。トドになってようが、なってまいが、こちらの思惑通り微修正の青写真は終了した。
その仮縫いの印がいっぱいあるマントを次の練習試合の会場でSママに手渡した。

2008年2月上旬 練習試合会場で金古南Jrと再び再会。Sママから再びマントを受け取った。かみさんの仮縫いは既にはずされて本縫いされて、長さライン調整されたマントが目の前に現れた!










すげー!









早速着てみる。














おー!かっこいいーーー!

寸法もほぼ漫画に近い寸法にこじんまりと収まった。とても違和感のない形に収まった。あまりにかっこいいので一人でポワーーーン!と別の世界に昇天していた。そのままマントを着て小学生バレーの練習会場をウロウロした。どう考えても








変なヤツがバレーボール会場に一人いる!

会場でこれがシャアのマントだと何人気がついたであろうか?マントの外観は完成した!かみさんはどうでもいいが、再び微修正をしてくれたSママに再び感謝!感謝!Sママの仕事は以上で終了しました。本当にありがたく思います。

しかし、マントはこれで完成ではない。これから
ジオンの紋章と襟章をつけるという第2段階に突入するのだ!あの独特な形の紋章と襟章をどのように作るのか?








作れるやつが群馬県に一人だけいる!





いよいよあの男に依頼するしかない!





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マント製作第2章。ジオンの紋章と襟章の刺繍。











刺繍






刺繍







刺繍!







実は刺繍屋さんとして生計をたてている
とんでもない男を一人知っていた。やはり小学生バレーでお世話になっている群馬県東村の小学生バレーボールチーム”東小ミニ”監督の







通称









東のデザイナー”



がその人だ!一度作業場を見たことがあるが、大型のマシンがフル稼働し刺繍を衣装に縫って大量生産している本格的な作業場だった!





売れ筋製品は





結婚式や七五三の刺繍、スポーツチームのエンブレムはもちろん









学ラン、セーラー服の刺繍(←普通の学生はしません!)










モーニング娘。の親衛隊の服








そして極めつけ









(暴)さんの特攻服!

まで手がけるすごい男!昨年末、おそるおそるバレーボールの練習会場で掛け合ってみた。

ふなきさん「(シャアの漫画を見せて)今度こんなマントにこんな刺繍をつけてもらいたいんだが、できるかね?」







東のデザイナー「んー?





シャアかい?





赤い彗星かい?













いいよー!やってやるよー!












極めて簡単な返答じゃないかぁー!

即効で承諾を得られた!いきなり群馬の凄い刺繍屋さんの全面バックアップがこの時点で決定した。東のデザイナーにジオンの紋章のデザイン検討用にシャアの漫画のコピーを手渡した。

2008年2月
Sママから微修正済みのマントを受け取った小学生バレーの練習会場に実は東小ミニも参加していた。ということは東のデザイナーも会場内にいた。このとき東のデザイナーは、刺繍に使う生地のサンプルを持ってきてくれた。

東のデザイナー「これ見てさー、紋章に合うような好きな色選んで!」

と言われたが、このサンプルというのが生地別、厚さ別、色別にすごい数があった。ざっとみて400種類ってとこか?



紋章は基本的に黄色だが黄色でも生地によって色が微妙に変化し、なかなか決めることができない!




無茶苦茶悩むーーー!

アニメを忠実に再現すると普通の
黄色なのだが、現実的な軍服をイメージするとどうしても金色にしたくなる!どちらを選択するか?で非常に迷った。昼にほかほか弁当食いながらも頭の中は悩んでいた。
が、結局アニメを忠実に再現させることを優先にして黄色を選択した。しかし、黄色でも生地とその厚みでまだ10種類以上あった。素人目にはどの黄色を使っていいのか?判断つかない!ここは東のデザイナーに相談!

ふなきさん「わかんない!どの黄色使っていいのかがわかんない!なので、(東のデザイナーが)一番作業がし易い生地を選んで!」

東のデザイナー「作業をし易いとなるとフェルトだねー。厚さは2mm。」

ふなきさん「OK!それでいい!フェルトでお願いします!」

色のサンプルは決定された。非常に難しい黄色の選択だったが(←実は、くだらない選択だ...)決定した!あとは刺繍屋さんにマントに命を吹き込んでもらうのを祈るのみ!









Sママの作ってくれたシャアのマントは









群馬県で有名な刺繍屋さんの手に渡った






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だるい...。今日も残業...。最近、大手電機メーカーは新しい3Kの職種みたいです。






きつい!






きびしい!








帰れない!!







ちなみにプラスアルファで








結婚できない!

ということで工学部離れが加速している模様。で、ふなきさんは今日も残業。実験室に残ってウダウダと測定をしていたら、東のデザイナーから1通のメールが写メ添付で届いた。








パーツその@






きたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!






シャアマントの襟章だ!







超かっこええーーーーーーーーー!

完璧だ!ここまで忠実に再現されているとは!残業の疲れが吹っ飛んだ!


間髪を入れないで2通目のメールが届いた。












またも、きたぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

忠実だ!アニメに忠実だ!ジオンの紋章がすっごく忠実にカットされている。悩みぬいた色あいもバッチグー!この写真はマントの上にフェルトの生地をただ置いているだけ。これをマントに縫い付けるのはSママに頼むそうだ。






うれしい。素直にうれしい。

群馬県最強の刺繍屋さんに、シャアのマントにいよいよ命がふきこまれ始めた!





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刺繍屋さんから命をふきこまれたマントは再びSママに託された。ジオンの紋章と襟章をマントに縫い付けるためである。




数日後






すぐさまがメールが届いた。





衝撃の映像が届いた!








それがこれだ!































(正面)


(側面)




かっこいいーーーーーー!



文句なし!マントに命は吹き込まれた!



Sママ、東のデザイナー!バンザーイ!



早く現物が見たい!





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いよいよヘルメットの本格的な製作をスタートする。まずはあの独特の







ツノ

を作成する。ちなみにあれはツノだろうか?よくわからないが、あのシャアメットのシンボルであるツノをほぼ再現させなければならない。再びシャアのついた漫画のコピーを取り出し、じっくりと見る。更にじっくりと見る。見て判った。




難しい形だ...ひし形でもなく、しかも妙に斜めっているこの形。まさに







微妙な形!

でもやってやれないことはない!悩んでいると先に進めないのでとりあえず着手してみる(←ここがB型人間の凄いところ!)

ツノの部分は大きく分けて土台のヒシ餅の部分とツノ。まずは土台のヒシ餅を作る。

とりあえず図工用の方眼紙を大体の形に切っていく。そして漫画を見ながら大きさを整えていきツノの土台のパーツをひとつひとつ作成していった。できあがったものをセロハンテープでくっつけてみる。

多少のずれが当然のごとく発生する。そこは即微修正する。できた!土台のヒシ餅の型ができた。
何とかなるものである。

次はツノ。これが困難。途中で角度が変わる。しかも最終的にはとんがる。悩んだ!途中で曲がるポイントをどうするか?悩み続けてひとつの答えがでた。







曲がる部分の接続ポイントの長さは各パーツとも等しい!

この考えをベースに1本のツノに対して方眼紙を8枚の細いパーツに切り分けた。

そして曲がる部分の長さがそれぞれ同じ長さになるようなポイントを見つけてとりあえず2次元的に全部セロハンテープで接続してみる。この2次元的な状態でツノの中にひし形の空洞をつくるようにして3次元化してみる。



おおーーーー!

いい感じじゃん。困難を極めたツノの部分の原型ができた。なんとかなるもんだ。これを土台のヒシ餅にセロテープで仮止めし、とりあえずヘルメットの前方に仮止めしてみる。














おおーーーーーーー!






グぅーーーーー!だね!だね!


なんとなく形になってきた。作ってて自分で怖くなる。なんとかなるもんだ。100円ショップで購入した図工用の方眼紙よ。ありがとう!結構あなたの1cmのマス目と厚さによる強度が丁度いい型紙にぴったりであった。

この時点で部屋の周囲は方眼紙の切れ端だらけ。当然のことながら、








かみさんの怒りを買う...

かみさんの怒りを浴びながらシャアのメット製作はまた1歩前進した。





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型紙はできた。これをこんどプラスチックにしなければならない。ということで毎度おなじみホームセンター
カインズホーム吉岡店(←店名がでました!)を今日もうろうろする。見つけた!







白の塩ビの板!

早速1枚買って原チャに乗って家に帰る。塩ビ板は(スクーターだから)足元のステップに乗せて足で固定して飛ばされないようにして帰った。(←交通違反じゃねーかぁ!)

早速、塩ビの板に方眼紙の型を押し付けてその輪郭をマジックでなぞる。土台のヒシ餅もツノの部分も全部マジックでなぞっていった。塩ビの板にはなぞったあとのマジックのあとだけがくっきりとのこる。それを今度は基板カッターで一気に切っていく。

切ったあとは多少のバリと曲がりがあるのでこれをやすりでほぼまっすぐに削る。各パーツが切り出された。

この時点でひとつだけまだ加工しなければならないパーツがあった。それはツノがくっつく土台の部分。ツノが土台の中に食い込めるようにひし形の穴を開けておいた。








よっしゃ!塩ビパーツの完成!

これをボンドでひたすらくっつけていく。完全に固まるまでには時間がかかるので、全部同時に接着はできない。なので今日はこの2枚、明日はこの2枚...と気の遠くなるような作業を1週間続けた。(←実はたいしたことはない)





1日、2日と組み合わさっていくツノと土台。だんだん出来上がっていく姿に武者震いしていた。(←単におしっこしたかっただけだ)そして全パーツが接続された。








ジャーん!




いいんでないかい!いいんでないかい!







かっこいいべ!

われながらくだらないことに全精力をつぎ込んだ成果が今ここに現れた!各パーツの接合部分には多少の隙間が当然あった。ここは想定内。用意したタミヤのパテでそこはふさぐ。できたぁー!ツノ完成!また1歩前進した。

部屋の中はタミヤのパテのにおいで充満。そこに買い物から帰ってきたかみさんが








気持ち悪くなる!

と言って部屋の窓を寒いにもかかわらず全開にする。

「今度やるときは外でやってよね!」

と言い放される。またかみさんの怒りを買ってしまった...。メットの製作工程に入ってかみさんの怒りを買う頻度は確実に増えている。





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今日はヘルメットの内部を加工することにした。メットを被ったときに、メットと頭がじかに接していると走ったときに衝撃があると思われる。このアホな頭を30kmの過酷な峠コースの衝撃からいちおう保護する必要があったのだ。

そこでメットの内部にクッションを敷き詰めることとした。クッションといってもダンボールの中にある衝撃吸収用の緩衝材。これを敷き詰めるために厚さ約2cmの8角形のパーツに切り出し、それぞれ均等に敷き詰めていった。メットへの接続は毎度使用しているボンド。


ボンドが固まってメットを被ってみる。ほぼ丁度いい。頭にフィット。目線もメットのひさし部分から見えるようになった。内部の加工としては、黒色に着色することと、走ったときにメットがずれないようにすることのみ。しかしこれはメット製作の最終工程となる。その前にやらなければならないことがある。








いよいよFRPを塗布する工程が近ずいてきた!

そんな中、安政遠足 侍マラソンのエントリーが解禁となった。早速安中市役所から案内をもらった。



結構人気があるということなので、即効で参加料3500円を振り込んだ。コースは20kmの関所コースと29kmの峠コースの二つ。でどちらにエントリーしたかというと、






男はやっぱり






峠コース!



赤い彗星が地球の峠を走る壮大な計画は、いよいよ実行段階に入った!





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いろいろと苦難はあったが、ここまではほぼふなきさんのアホ脳みそがシミュレーションしたどおりに順調に推移している。しかし、このアホ脳みそが一番読めない工程が




FRPの塗布

工程であった!なにせFRPなるものを実際に使ったことがない!最終的にはプラスティックの如く固まるみたいだが、どのように固まるのか?いつ固まるのか?本当に固まるのか?謎だらけであった。

もしかしてこのFRPの塗布ですべてゼロに戻るかもしれない危険もあった。しかし後戻りはできない。悩んでいてもしょうがない。体育会系バカ親父は天気のいい3月の休みに家族をほったらかしにして、FRPの塗布に着手した。

材料は
カインズホーム吉岡店御用達のFRP1缶、硬化剤、刷毛。よし、やるで!多分FRPも臭いに違いない。かみさんの怒りを買うのは必須。しかし、外でやるわけにはいかない。ゴミがついたら大変だし、風の状態も気になる。杉花粉も飛んでるし、どうしても外はNGであった。では、どこでやるか?










風呂場だな...どー考えても。

風呂場を締め切って換気をかけて部屋への臭いの拡散を防止しながらやるしかない!洗濯物が終わった時点を見計らって体育会系バカ親父は風呂場に新聞紙を敷き詰め始めた。メット、FRP、硬化剤、刷毛などを風呂場の中に入れた。準備はできた。

ではFRPのふたを開けましょう。見えた。FRPなる液体。どろどろ粘性のある液体だ。これをプラスチックのカップに入れ攪拌する。これに約10%の硬化剤を入れる。普通ならスポイトで正確な分量を入れなければならないのだが、メンドかった。男は黙って








目分量!

硬化剤を入れたあとはひたすら攪拌した。割り箸で。3分くらい攪拌したろうか?プラスチックのカップに入ったFRP、硬化はしていないがトロトロ状態のFRPの姿は、人間ドック時のまさに





バリウム

これをいよいよ刷毛でメットのガラスクロスを貼り付けた部分に塗っていく。


ひたすら塗る。塗れは塗ったでボトボト下に落ちる。新聞紙しいててよかったぁ。とにかく塗る。ぬりたぐる。しかし、塗った分の約30%くらいは下に落ちてしまった。
粘性がまだないのだ。これは硬化する本当の直前に素早く塗ったほうが、下に落ちる量を少なくできることをこのとき悟った。

塗り始めて15分後、風呂に閉じこもっていると中毒死しそうなのでいったん外の空気を吸いに行った。





5分後風呂場に戻る。FRP塗布作業を始めようとしてプラスチックカップの中を見たら、トロトロのはずのFRPがすでに







プリン状に硬化していた...




これじゃ塗れねーじゃねーかぁ!



デリケートじゃねーかぁFRP。メットのほうに塗ったFRPも流れることなくすでに硬化が始まっていた。こりゃデリケートじゃ。硬化剤を入れて約15分後くらいのほぼ硬化直前にサッサと塗ることが必要であることを知った。奥が深い。これは根気を入れてやらないとだめだぁ。塗った面はボコボコ。

とてもきれいとはいえない。しかし、ここは後に研磨する予定。研磨に耐えうる厚みのFRPを今は塗るしかないのだぁ。この作業、来週もしないとだめだなぁ。

風呂からある程度リークしたFRPの臭いがかみさんの鼻を刺激した







。かみさんは無言で窓を開けた...。






怒っていたのはたしかである...。




(無謀に続く)

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