第5章 豪雨と雷の中を

 

公演が終わると、余韻に浸る間もなく出口へと急ぎました。前回のことがありますからね。出来るだけ早く更衣室に辿り着かないと!

扉を出てふと外を見ると、外は雨…どうやら天気予報は当たっていたみたいです。

雨が降っていたためか、ふだんは着替えの必要な人のみ階段を使って下りてもいいというように案内しているのですが、今回は「出口はここと1階と2ヶ所ありますので。」と全員に案内しておりました。前回はいったん外に出てしまって、えらい目にあったので、迷わず階段を早足で降りて、まっすぐ更衣室へ。

迅速に行動したためか、列が短いうちに更衣室に辿りつき、すぐに中に入ることが出来ました。すると、出て来る緋霧 雪ちゃんと再び遭遇。向こうも「あらっ?」という顔をしてました() 入る時と出る時両方遭遇するなんて珍しいもの。でも、どちらもコスをつけていない時だったので、残念です〜 結局雪ちゃんのコス姿見られなかったよ…(;O;)

 

中に入るといつもより全然空いてました。いつものように「あちらの方に臨時更衣室を用意しておりますので…」とアナウンスしてましたけれどもうだまされません! 前回、素直に臨時更衣室に行ったら、散々そこで待たされたあげく最終的にはそこからまた元の更衣室の方へ行ってくださいと言われて本当にえらいめに遭いましたもの〜 みんなもそう思っていたらしく、ほとんどの人がその場で着替えておりました。

私は今回は奥の小部屋の方に荷物を置いていたので、まっすぐそちらの方に向かったのですが、入った時とはうってかわって、そちらの方は空き空き。おかげでスムーズに着替えることが出来ました。いつものあの混み方はいったい何なんでしょうね??というぐらい!

着替えていたら、隣で着替えていた方々の話し声が聞こえてきました。

「2階席だったんだけどさ、周りの人たち、アンコールが始まったらみんなバタバタ帰り始めちゃって…こんなの初めて!」

「やっぱりね、1階席の人しか楽しくないもん。3階席もそう。」

「何かね〜 2階、3階はどうでもいいという感じだったもんね。あの時間いてもしょうがないし。チケット代もったいないから最後までいたけど…次にアラモードあったら、もう絶対行かない!」

そこで、悟りました。更衣室がいつもより空いていたのは、公演が終了する前に席を立った人が多かったからなのだと。コスを主目的に来られる方々は案外入場料代わりに安い2階、3階席で入られるという方も多いので、こちらの人数が少なくなるとそれだけ更衣室は空くのですよ。交通機関がなくなるからと已む無く途中で席を立って帰るという人は今までもいましたが、こういう理由で途中で席を立つ人が目立ったというのはおそらく初めてじゃないのかな? 私自身は特に夜の公演ではいい目を見させてもらいましたけれど、この会話を聞いて、少々複雑な気分になりました。

 

着替え終わって、更衣室を出る時もいつもほどは混んでなくて、「すみません。」と言ったらすぐに避けられる程度でスムーズに更衣室を出ることが出来ました。

外は雨が降っていましたが、それほど激しい雨ではなく、更衣室でちゃんと折り畳み傘をすぐ差せるように出しておいたので、そのまま会場の外へ出て、駅へと向かいました。もちろんチビたちもちゃんとレインコートを装備済です() みなとみらい駅が使えるようになって、外に出ず、建物から直接駅へ行けるので傘をさして歩くのはほんの短い距離だけ。本当に楽になりました。

 

着替えが早く終わったためか、いつもより2本も早い特急に乗れました。ラッキーvv

前回のフェスタ8の時ぐっしょり濡れて使いものにならなくなってしまったため今回新調した識別札、大丈夫だろうか?と途中で見てみたら、たいした雨ではなかったので、まったく濡れておらず無事でした。なんとなくホッ。

それからもとんとん拍子に乗り継ぎ出来て、最寄り駅まで行く電車に。途中地上へ出る駅とかもあるのですが、たいした雨は降っておりません。電車に乗って来る人たちも傘を持っていない人も多かったですし。それを見て、「ああ、早く帰って来てよかった〜」と思ったのですが…

 

最寄り駅に着いたらえらいことになってました。改札を出ようとしたら、ふだん入って来るはずのない改札付近まで雨が吹き込んでいるのです。「あれっ?」と思いはしましたが、考えてみたら、この時気づくべきでしたよね。だって、出口と改札口の間には切符売り場になっているミニ広場と踊り場付きの階段があるのですから!

「雨降ってるのかな?」と思って、折り畳み傘を用意しながら階段に向かったのですが、階段は一番下の段まで人でいっぱい。ちょっと首を傾げながら出口へ向かって階段を登って行ったのですが…階上に着いて外を見るなり、目の前に広がる光景に驚きました。雨が降っているとかそういう次元じゃなくて、駅の外はもう斜めってる土砂降りの雨の上に雷がそこらじゅう鳴り響いていてすごい状態に!! そうまるでアクラムが蘭を使って黒龍を召還した時のようです! そういうわけで、ほとんどの皆さんが階段で呆然と外を眺めながら立ち往生していたんですね。朝から「夜は雨になりますから出掛ける時は絶対傘を忘れずに!」と何回も天気予報で言っていたにもかかわらず傘を持っていない人も大勢いたし(苦笑)

私が駅に着いてから先、駅から出て行く人は一人もいませんでした。

でも、そこで待っていても台風の影響だったら当分雨が止むことはないだろうし、疲れが増すだけだと判断して、誰も駅から外に足を踏み出さない中、私は意を決して、一人折り畳み傘を広げて外へと足を踏み出したのでございます。

結果的にその判断は正しかったです。なぜならその後数時間にわたって雨も雷も全く衰えを見せることはなかったからです! もし仮に駅で小降りになるのを待っていたとしても、結局その後何時間か後には“駅に着いた時と全く同じ状況の嵐の駅の外へと出ざるを得なくなったでしょうからね。しかも疲労が増した状態で… こういう時はやっぱり思いっ切りというものが大事だわ!

 

で、外へ出たはいいけれど歩いている人なんてほとんどいません。駅から家に着くまで人を見かけたのは合計三人ぐらい。そんな中、傘もほとんど役に立たない状況で「どうか雷が落ちませんように!」とひたすら祈りながら家に向かいました。

足元の歩道は7〜10cmぐらい水が溜まったほとんど川のような状態になっていて、水溜りを避けて通るというような話じゃありません! だって、水溜りじゃないところなんてどこにもないんですもの(苦笑) 水の中をズブズブと歩くという感じでした。

歩道は狭く、街路樹が本当にすぐ近くにあるので、万が一それらに雷が落ちたらまきこまれる可能性はほぼ100%…おまけに足元は濡れるを許すままというかもろ水の中だったので、本当に怖い、怖い… 距離的には短かったのですが「誰もいないと思っていたら、あっ、ここに歩いてる人み〜っけ♪」なんて雷神様が気紛れを起こして雷を落とさないかとびくびくしながら、MDから流れる紀章さんの曲を聴いて一生懸命気を紛らわせつつ何とか家路を急ぎました。そして、家のすぐそばまで来たら、ピザ屋の宅配のバイクが… ちょうど宅配屋さんがピザを届けに行って戻って来たところでした。何もこんな天気の時にピザを頼まなくてもね…(^^; バイトのお兄さん、かわいそうに…

そこを通り越して、ようやく家にたどりついて、呼び鈴を押しました。

「はぁ〜、とにかく家に帰りつくまで雷が落ちてこなくて本当によかった〜」と心底ホッとしましたよ。

 

で、全身ぐっしょり濡れながらやっと家に辿り着いて、ドアを開けた母に言った第一声がバッグを母の目の前にズイと差し出しながら「チビたちの袋(=レインコート)をすぐに拭いて!」です!() 何かすごく私らしいでしょ? でも、本当に自然にこれが一番先に出たのですよ!() 自分の体側にかばって極力濡れないように頑張って来たのですが、一番心配だったので。でも、そのかいあってあの雨の中をバッグの外にぶら下げたまま歩いて来たにもかかわらず彼らは一滴の水にも濡れてなかったですよ! さすがチビたち!!

その代わり私自身はもう全身下着までずぶ濡れでしたけどね。(^-^

 

カートの中はと言うと一生懸命前の晩に吹き付けた撥水スプレーもさすがの豪雨の前には勝つことが出来なかったのか、完全に水浸し状態でした。もうポケットの中までびっしょり! 特にひどかったのが、底面でした。車部分の硬質プラスチックと布のつなぎ目がアキレス腱となっていたみたいで、もろ浸水してました。まあ短い距離とはいえずっと水に浸かりながら来たのですから無理ないですけどね。

で、次に私がしたことは、自分の体を拭くよりも先にカートの荷物を救済! 今回はそれほど大雨になるとは思っていなかったので、第一級雨対策まではしてなかったので、中味がすごく心配だったんですもの〜 一番気になっていたイベント販売グッズの数々やパンフレットは幸いビニール袋に入っていたので無事でした。それ以外のもろもろの品も大切なものは全部無事! ほんとよかった〜 あの状況でこれらのものがまったく濡れなかったのは本当に奇跡ですよ!! でも、水浸しになっていたポーチなどは本当にひどい状態に… びしょ濡れ物の数々はどうしましょうという感じでした。この後だんだん台風が近づいて来て、しばらく太陽は拝めないということですし、このまま自然乾燥すると匂いが残っちゃいそうですしね… そんな心配はあるものの、でも、あの強風の中、折り畳み傘もおちょこになることなく無事でしたし、これだけの被害ですんだのはほんと龍神様のご加護だと思います。龍神様、ありがとうvv

 

そして、チビと荷物の方が一通り片付け終わったら、今度は自分の番です。ここで心配だったのが、シャワー。家の給湯システムは大雨になるとストッパーがかかって、お湯が出なくなってしまうのですよ〜 通常これぐらいの雨が降ると止まる確率はほぼ100%…

すごく心配だったのですが、お風呂場のスイッチをひねってみたら、ちゃんとお湯が出るじゃないですか!! もうこれは奇跡ですよ!!p(≧▽≦)q あれだけびしょ濡れになって家に帰り着いたのですから、シャワーが使えなかったら本当にひどい目にあうところでした。おかげで、髪の毛も体も全身くまなく綺麗にすることが出来ました。ああ、よかった〜 ちなみにおまけで言うとこの給湯システムはこの後ほどなくして停止しました。そして復旧までに数日を要することに… 本当にこの日は一生懸命頑張って、私が帰るまで待っててくれたとしか思えない! 神様本当に、ありがとうvv

 

この雨、翌日のTVニュースで流れたところによりますと東京では家の区と隣の区にだけ集中して降ったそうです。本当に半端じゃなくすごかったですから!(>_<) ふだんそんな日の夜は家の中でおとなしくしているのですが、アラモードに出掛けていたがために身を持って体験しちゃいましたよ。翌日、心配した友人たちから「大丈夫ですか?」とのメールをいただきましたし、通販のお客様の方々からも「大丈夫でしたか?」とのお手紙をいただきました。日にちが経てば経つほど本当に無事でよかったな〜としみじみと思います。ちょっとずれて川寄りの方だったら、大惨事になりかねないところでしたから!

 

こうして、神様に感謝しつつ長かった私の一日が終わりました。

 

≪終わりに≫

 

最後までレポを読んでくださって、ありがとうございます。

今回のイベントについては本当に賛否いろいろあると思います。おそらく当日の座席やその人の受け取り方によってもその感想はガラッと変わったものになるでしょう。

イベント終了後、私が密かに通っているサイト様の日記をいくつか見て回ったのですが、たまたまかもしれませんが、そこで目にしたものは感想というよりももう本当に辛辣なイベント批判の数々でした。私はフェスタ2よりずっとネオロマンス・イベントに参加して来ましたが、かなり批判の高まったイベントも中で一度ありましたが、ここまで強烈な批判を目にしたイベントは初めてです。

 

私自身の評価はというと総合するとマイナス評価かな? いや、個々の内容自体はすごくいいと思うものもいくつかありましたし、出演されたキャストの皆さんはイベントを盛り上げよう、楽しくしようと本当に精一杯頑張ってくださったので、その点は評価出来るのですが、今回一番の売りであった“キャストがあなたのそばに”というところが私的にはどうしてもプラスとして評価出来ないのです。

前日参加した友人より「声優さんとタッチ出来る」という情報を聞いた時はお客さん全員がキャストの皆さんとタッチ出来るんだとばかり思い込んでいて、あれだけのお客さんとどうやってタッチするのかな?とすごく不思議に思ってました。家の母が言った「きっと入場の時、出演者がみんな並んでいてタッチしながら入るんだよ。」という言葉に「ああ、それなら出来るね!」と妙に納得したぐらい! 小劇場の公演なんかでは、普通そういう形式をとっているところが多いですからね。(まあだいたいそれをやるのは終了時ですけれど) そういえばサンシャイン劇場のセラムン・ミュージカル公演でも一度あったっけな?

でも、実際に行われたものはその予想に反してかなりかけ離れた形態のものでありましたが…

確かに自分のそばに声優さんが来てくれて演技してくれたり、ましてや握手やタッチをしてくれたりするのは嬉しいですよ。嬉しくないはずがないじゃないですか! ですが、それはすべて“たまたま”私が運良くそういう恩恵に預かれる席が当たったからであって、もし、そういう席じゃなかったら、その“キャストがあなたのそばに”という恩恵はまったく受けることが出来ないのです。今回は石田泰明様や紀章さんがいらっしゃらなかったから、冷静な気持ちでいられましたけれど、もし、一番のご贔屓声優さんが来た時にまったくかすりもしない席だったりしたら、もう平静じゃいられないんじゃないかなと思います。私ってば、本当に運が悪いからそういう時に限ってとんでもない悪い席だったりするし…(^^;

やっぱりねぇ、みんな楽しみたくて来ているわけですから、一部の人たちだけが楽しんでそのほかの人たちが心から楽しめないという状況はよくないと思うのですよ。みんなで楽しめなくっちゃ!

それに昼の部のレポの方でも少し触れましたが、キャストが客席に降りている間、舞台に残っているキャストと客席に降りているキャストが分断される…という状態になり、どっちを見聞きしていいかわからず、何だかいつものようにお芝居に集中し切れなくて、ステージを楽しみ切ることが出来ませんでした。それよりも舞台でじっくり見せてくれた方がずっといい!と個人的には思いました。どこでだったか舞台に残っていた人たちが「こっちを見てください。」と直接的な言い方をしていたのもすごく興ざめになりましたしね。(^^;

出演者の皆さんがふとした時とてもつまらなそうな表情をしていたり、「楽しかったですか?」とおっかなびっくり確かめる姿を見ると何だかかわいそうにも感じました。

もし、お客さんともっと近く…ということを考えるなら、半端に客席に降りるというよりも円形劇場のように舞台を中央に置いて、周りをぐるりと客席で囲んでくれた方がいいんじゃないかなと思いました。それなら、演出次第ではどこからもキャストの皆さんがよく見えるし♪ まだ試行錯誤の状態だと思うので、またアラモードを開催することがあれば、お客さん側の意見をよく聞いて、もっと別の形でいろいろ考えてくれたらなぁと思います。

 

あと今回のイベントで個人的にちょっと「あれ?」と思ったのは、1日目の方は参加していないのでわからないのですが、少なくとも2日目においてはまったく『遙か3』のセリフも歌もなかったことです。いつもは『遙か』の出演者に関してはキャラ名はファースト『遙か』だけだったのですが、今回は告知サイトでもパンフレットでも『遙か』『遙か2』『遙か3』をわざわざ併記してありましたので、当然将臣くんファン、九郎さんファン、弁慶さんファンは期待していたと思うのですよ。私も特に弁慶さんに関してはちょこっと聞いてみたかったので、密かに楽しみにしていたんですけどね。ちょっと拍子抜けでした。特別キャラ萌えファンでない私でさえそう思うのですから、きっとそれを第一に期待して参加したファンの皆さんはかなりガッカリされたと思いますよ。『遙か3』をまったくやらないのであれば、あらかじめ実際にイベントでやるキャラのみを書いておいて欲しかったな〜 そうしたら、最初からああそうかと思って参加するのにね。 

 

とまあ私のイベント感想をまとめるとこんなところです。

 

 

最初に申し上げましたように今回のレポは私がその時感じた気持ちを包み隠さず、記してみました。私もプロではないとはいえ、一応物書きのはしくれですから、書こうと思ったら嫌な部分はオブラードに包み、目に気持ちのよいように読み物としての楽しいレポに仕上げることも出来ます。でも、今回あえてそうしなかったのは、いろいろな方々の意見を見聞きして、いろいろ考えさせられるところがあり、今回のイベントについて皆さんに全貌をありのままに知ってもらいたいと思ったからです。

もちろん私のレポだけでは偏りがありますので、その一面しか知ることが出来ません。ですから、もし、皆さまに余裕がありましたらほかの方が書いたレポや日記を幅広く読んでいただけたらと思います。そうしているうちにきっとよりこのイベントの全体像が見えて来るでしょうから。

ただし、その際、1つお願いがあります。レポを読む際、決して人の意見を否定したり、批判したりしないでください。「今までのイベントの中で一番楽しかった!」という意見も真実なら「二度と行きたくない!」という意見もまた真実なのです。人は一人として同じ人間というものは存在しません。それこそその考え方や受け取り方は千差万別。誰が正しくて誰が間違っているなんていうことはないのです。その時感じたその人の思い…それこそがみな真実なのですから。ですから、もし、自分の考えと異なる意見に遭遇したとしてもそれらの意見は意見としてすべてただありのままに受け入れてほしいのです。それだけを皆さんにお願いしたいと思います。<(_ _)>

 

最後にこれだけは言っておきたいと思います。

イベントはみんなが等しく楽しむ場だと私は思います。ネオロマンス・イベントは本当に大好きですから、いろんな意見を取り込んで、いいところは伸ばして、悪いところは改善してこれからもっともっと素敵なイベントを考えて行ってほしいと思います。

そして、次に開くイベントはみんなが「ああ、本当に楽しかった」と心から言えるイベントになることを切に願います。

 

皆さま、ここまでおつきあいくださいまして、本当にありがとうございました。

また、次のイベントでお会いいたしましょうvv

 

前へ  戻る