耳に心地よい鳥の声、風の音。 誘われて、眠りのふちから浮かび上がる。 ふっと体が浮き上がるような・・・・そんな感覚が体を走る。 暖かい。心地よい。 しばらくこうしてまどろんでいたい。 目を閉じて、こうして、眠りのふちで・・・。 軽く体を動かし、小さな吐息が漏れる。 「ん・・・・」 「目覚めたのか?」 それに答える低く静かな声。 それすらも眠りの一部のような・・・・・。 ・・・・でも、待って。 ・・・・えっ・・・・? 「や・・すあきさん?・・・え?」 パチリとあけた目の前には覗き込むような泰明の顔があって・・・・・。 そのオッドアイに思わず見とれる。 なんてきれい・・・・・・じゃなくて! がばっとあかねは起き上が・・・・・・・ろうとして泰明に再び引き戻された。 「きゃぅっ」 「まだ体が目覚めていない。急に起き上がるな」 ご・・ごめんなさい。 でも、これって・・・えぇ・・・(///) そう、この状態は『膝枕』。何でこんな状況で寝てるの? えーーと今日は泰明さんと散策に来て・・・・・。 ぱにくる頭で何とか思い出そうとする。 でもすべてが空回り。 どうやらいつの間にか眠ってしまったらしい(だから覚えていないのよっ) でもなんで膝枕・・・・って泰明さんがしてくれたからよね。 「神子?具合はどうだ。今朝から気がわずかに翳っていた」 「だっ大丈夫です」 「まだ気が乱れているな。もう少し休んだほうがいいだろう」 もうっ・・・乱れてるのは泰明さんのせいですってば。 いきなりこんな状況じゃ驚きますって・・・・うれしいけど。 ・・・うん・・・うれしい・・・・。 疲れてること気づいてくれてたんだ。 泰明さんはいつでも私のことを気にしてくれている。 もう少し自分の体のことも気遣ってくれるといいんだけど・・・。 すぐに無理するんだもん。 でも、泰明さんのことは私が気にしてればいいか。 泰明さんが私を気にかけてくれるように・・。 ・・・・(///)・・・・・ 「休め」 そういって額に置かれた手から伝わる泰明さんの気。 気持ちいい。また眠りに落ちてしまいそう。 たまにはお休みもいいよね? でもせっかく二人なのに・・・・。 だけど・・・・これも二人きりじゃなかできないことかな。 うん。こんな日も悪くない。 流れ込む泰明さんの気が、私を包んでいく。 その気の流れに私の気も添うように動く。 ゆっくりと気が動き出す。 ああ・・・もう頭がはたらかない・・・・ 「ゆっくり眠れ。神子」 声に誘われて眠りに入ってしまう。 また明日からがんばらなきゃ。 だけど・・・今だけ。 このまま・・もう少し・・・・。 桂華様より
[涙のひと言]
桂華様より涙の特製ポストカードのお礼として、いただきました。
ははっ、すっかり海老で鯛をつってしまいましたね。
泰明さんの膝枕で眠るあかねちゃん、何て羨ましいんだ!!
この様子だとまだ恋愛最終イベントを迎える前の二人ですね。ほのかな
泰明さんへの思いとこのお話から伝わって来るやさしく穏やかな空気が
疲れきった心を癒してくれます。
桂華様、素敵な小説をありがとうございました。
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