決戦の朝−頼久4


頼久は混乱していた。今、ひとりの八葉として戦おうと決心したではないかだが…

黙ってしまった頼久に藤姫は再び言葉をかけた。
「行ってくれますよね。」
だが、頼久から返事はなかった。


しばらく待っていたが、やがて、藤姫は
「では、先に行っております。」
とひと言言うと、部屋を出て行った。これ以上そこに留まり、頼久を見ているのが辛かったから。

 
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