決戦の朝−頼久7


頼久は顔を上げて友雅を見た。
「私も神子殿に今日の決戦の同行をお願いしたのだけどね。あっさりふられてしまったよ。」

そして、遠くを見るような目で
「私としては、本気だったんだけどね。」
と聞こえるか聞こえないかのような声でつけ加えた。

今朝神子のもとを訪れたのは泰明、友雅、頼久の三人であった。友雅も自分と同じ思いであったろうことに頼久は初めて気がついた。今まで自分のことで精一杯だったから。そして、最後の戦いの同行者にさえ指名されなかった友雅の気持ちは…

 
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