神子桜1


「天真せんぱ〜い!!」
突然、思いがけないところでよく知っている人物に声をかけられて天真は少し驚いた。
「詩紋、お前どうしてこんなとこに?」
詩紋が駆け寄って来た。
「天真先輩も修学旅行、京都だったんだ。」
「ああ。何で高2にもなって中坊と同じとこ来なきゃならねえんだ。パァ〜っと海外へ行きたかったのにさぁ。」
「でも、僕たちの思い出の場所だよ、ここは。」
「ああ、そうだな。毎日このあたりを歩き回ってたんだもんな。」
「うん。ついこの間のことなのにずっと前のことのような気がするね。」
「ずっと前さ。なにしろ千年も前のことなんだから。」
「…そうだね。」


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