ストーカーな
泰明さん3


翌日、玄武の解放に向けて呪詛を浄化するため、泰明と散策に出掛けた時、私は思い切って聞いてみた。
「泰明さん…あれって…もしかして、わざとやってるんですか?」
しかし、私の問いかけに泰明はきょとんとして首を傾げた。

――か…かわいい…でも…

「“あれ”とは、何のことだ?」

泰明は逆に私に聞き返してきた。
「ほら、鳥になったり蛇になったりして、私のところに気を飛ばして来たことですよ。」
「ああ。」
と泰明は合点が行ったのか、うなずくと答えた。
「大事な玄武の解放の前に神子に何かあったらたいへんだ。常に神子の気に心を配り、神子を守ること。それが、八葉としての私の務めだ。何か問題あるのか?」
そう真顔で言い終わると、ニコッと必殺の満面の笑顔を私に向けた。


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