桜舞う中で

 

「泰継さ〜ん」
ぶんぶんと手を振る陽香、初めて見る京の桜の中で・・・・。
そんな様子を目を細めて見つめる泰継。
「あまりはしゃぐと転ぶぞ、陽香。」
「もう、子供じゃありません!!」
そういって桜の花の中で、舞うように歩いていく陽香。
(お前はまさしく天女だ・・・私の前に舞い降りてきて、私を人としてくれた・・・。)
ゆっくりと陽香の元へ向かう泰継。
陽香は微笑みながら泰継を見つめている。



秋の京に召還され、泰継や他の八葉と共に京の危機を救った陽香。
戦いの日々の中で陽香は泰継との間に強く確かな絆を気づいたのだった。
そして新しい年を迎え、陽香は元の世界へ戻らず京に・・・泰継の元に残った。



桜の花の舞う中で泰継は陽香をそっと抱き寄せた。
「お前とこうして桜を愛でることが出来て・・私は幸せ者だ。」
「私も・・・泰継さんと一緒に見ることが出来て幸せだよ。」
頬をほんのり赤く染めて見上げる陽香に、優しい笑みを浮かべる泰継。
そのとき一陣の風が吹き抜け、桜の花が二人を包み込んでいった。



桜吹雪に包まれて泰継と陽香はそっと口づけを交わす。
『愛している・・・・陽香』
『泰継さん・・・・大好き』
お互いに思う気持ちを唇に乗せて・・・・・・。






来年も再来年も貴方と桜を見たい
ううん・・・夏も秋も冬も一緒に
いろんな花や景色を
貴方の傍で見て生きていきたい
泰継さん・・・ずっと一緒にいてね


約束をしよう・・・
お前ととともにまた桜を見に来よう
来年だけでなく
私の命の続く限り
だからお前はいつも笑顔でいて欲しい
私の大好きな笑顔で・・・陽香

 

asato様『Balloon flower

http://www.fuki.sakura.ne.jp/~sei-lan/index.htm

[涙の一言]

asato様のサイトで5000ヒット記念フリー創作としてUPして

あったものをいただいてまいりました。

初めてふたりで見る京の桜。その桜の花が舞う中で静かに愛と幸せをかみし

める泰継と陽香のふたり…ふたりが互いを思うやさしい気持ちが伝わって来る

素敵な作品です。

asato様、ステキな創作をありがとうございました。

 

 

asato様のサイトへは『リンクのお部屋』からどうぞ

 

 

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