再び京へ

 

ここを訪れた神子たち、久しぶり…ではないかもしれぬ。

我らもこんなに早くまた神子たちに再会するとは思ってもいなかった。

何しろ我が神子涙とご友人神子ミズキがプレミアムツアー3から帰って一週間も経たぬ

うちにまた京への旅を企画したのだから…

そのいきさつについては…まあ、下の言の葉を読んでもらえばわかる。

 

 

プレミアムツアーの帰りの車中で…

「つぐっち、神子たちはまた何やらたくらんでいるらしい。」

「京都のホテルで話していたことであろう?」

「ああ。もし、新幹線の切符の有効期限が(3月)12日までであれば、滞在を1日

 延ばすと…。ここまでスタンプを集めたので、どうせなら全部集めたいそうだ。」

「だが、プレミアムナイトでJTBの人から受け取った切符の有効期限は11日で

 あったのであろう? だから、こうして、帰りの新幹線に乗っているではないか。

 あの目論みは中止になったはずだが?」

「それで…だ。もしかすると改めてもう一度京に赴くかもしれぬと神子が言っていた。」

「それは本当か!?」

「ああ。我が神子はツアーで負った怪我がまだ治っていないのに大丈夫だろうか…」

「神子は言い出したら我らの言うことなど聞かぬ。もし、赴くことになった暁には、

 今度こそ無事旅が出来るよう精一杯お守りしなければ。」

「そうだな…」

 

というわけで、京都滞在1日目の夜、すでにこの計画は始まっていたのだ。

だが、予想外の我が神子の怪我、そして、今から3月末までにそのスケジュールが

取れるかどうか、問題は山積みだったので、まだこの段階では行けるかどうかは

であった。そして、その日は、我が神子と神子ミズキは明確な約束をしないまま

東京駅で別れた…

 

3月14日(木)我が神子は神子ミズキに一通のメールを出した。

「3月中に再び京都へ…という話だが、もし、21日・22日という日程だったら

 涙は行くことができそうだ。ただし、連休の真っ最中なので、泊まるところが果

 たしてみつかるかどうかは、疑問なのだが…。ミズキの都合はどうだろうか?

 涙は残りの日程では土・日を挟むのは少々難しいかもしれない。」

 (“恋つづり”で送ったから口調が少し変…)

 

神子ミズキから返事のメールが来たのは3月17日(日)。

「21日・22日で行けます」と。

我が神子は家の近くの旅行会社からパンフレットをもらって来ていたので、さっそ

く宿泊可能なリーズナブルなホテルのリストを書いて再びメールした。そして、神

子ミズキがその中で訪問地から見て適切なところを絞り込んで返事を返してくれた。

今回我が神子が目をつけたのは個人旅行用のフリープラン。宿泊と往復の新幹線だ

けのプランで、後は全くのフリー行動というもの。前に、我が神子が母上と奈良・

京都旅行をした際にとてもよかったので、この形態のものを探したのである。

これを使えば、自費で新幹線の切符を買うより安い金額で宿泊まですることができ

るのだ。

 

翌日、我が神子はいそいそと旅行会社へ。候補に上げたホテルを調べてもらったが、

1軒目は満室と言われてちょっと動揺していた。思えば、この日は祝日。当然と言

えば当然だ。しかも、もう出発日まで3日しかない。こんな差し迫った時に予約す

るなど、無謀と言えばかなり無謀な行動であった。だが、同じ系列の別のホテルに

空きがあると聞き、すぐにそこを押さえる。

次に新幹線の空き状況を調べたもらったが、“ひかり”も“こだま”も始発から昼

まですべて満席。ただ1,400円増しになるが、“のぞみ”であれば、希望する

時間が空いているということであった。だが、帰りの方が午後3時43分発か午後

9時8分発のものしかないという。これだけ混んでいたら、当日自由席の方に並ん

でも、座れるかどうかわからないとのことである。しかも、自由席にした場合でも

料金の方は指定席と同じだということ。

我が神子は一存で決められないので、ホテルの仮押さえだけして、その日は帰った。

神子ミズキと相談した上、“のぞみ”で行くことにして翌日正式に手続きをした。

帰りの方は、できるだけ長く京に滞在した方がよいという二人の意見が一致し、

午後9時8分発のものを選択した。

そして、出発2日前にバタバタと晴れて京都行きが決まったのである。

 

この段階で、我が神子の怪我の方は大分よくなって来ていたのだが、少し風邪気味

なのが心配であった。咳が少々出ていたので…。だが、我が神子はいそいそと再び

京へ向かう支度を始めたので、我らは何も言うことができなかった。ただ見守るし

かない。

 

天気予報では21日が雨、22日が晴れということだったので、我が神子は防水ス

プレーをバッグやコートに吹き付けて、万全の雨対策をしていたようである。

何やら我らのレインコートも用意してくれたらしいが…。

 

いよいよ出発が迫っていた。今回も前回の旅同様4時起き…早く寝ればよいものを

我が神子はこの日も寝たのは2時過ぎであった…

 

今回の神子たちの旅は前回の旅と違って、いたって平穏無事な普通の旅であったの

で、安心して本編を読み進めていくがよい。

 

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