「泰明さん、ほら、ちゃんと前を向いてください。」
「なぜだ? 私はずっとおまえを見ていたいのに、なぜ前を向かなければならない
のだ?」
「(////)それはそれで嬉しいんですけど…でも、ほら、せっかく二人で晴れ着を
着て、記念写真を撮りに来たんですから!」
「(ムス…)」
そんな二人にカメラマンが遠慮がちに声を掛けた。
「あ…あの撮ってもよろしいですか? 後がつかえてるんですけど…」
「あっ…すみません。ほらっ、泰明さん!」
「・・・・・わかった。」
「じゃあ、撮りま〜す、ハイ!」
受け取った写真を見て、あかねが言った。
「あ〜!! 泰明さんったらもうこんなムスッとした顔して〜!!」
「だが、前は向いたぞ。」
「それはそうですけど…」
「問題ない。」
「ああ〜! その笑顔、さっき写真を撮る時にしてくれたらよかったのに〜」
「いいではないか。私の笑顔など…カメラになど写らなくてもおまえのその瞳に
映りさえすればよい。」
――うわ〜っ、泰明さんってば、さりげなく、な…なんて言葉を(////)
も…もしかして、友雅さん以上じゃ??
「どうした? 気が乱れているぞ?」
泰明は首をかしげながら不思議そうに聞いた。
――自分で自覚がないところがまた泰明さんらしいのよね。
あかねはクスッと小さく笑ってから、微笑んだまま、泰明に言った。
「じゃあ、行きましょうか?」
「ああ。今日はこれから“でーと”するのだったな。」
「泰明さん、どこか行きたいところありますか?」
「“さん○ゃいん”以外ならどこでもよい。」
「え〜? どうして、サン○ャインはダメなんですか?」
「今日は久々におまえに頼まれてこの髪形をしているからな。」
「だって、和服にはやっぱりそのお団子ヘアーが似合うんですもの♪
でも、どうして?」
「・・・・・いや、たいしたことではない。さあ、行こう。」
「あっ…泰明さん、待って!!」
――あそこでは、今年もあれをやっているらしいからな。
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なぜ泰明は髪形を変えたか