第3章 ホテルへ

 

 

ここも私“チビつぐっち”がレポートする。

 

我が神子とご友人神子の二人は本町駅から、御堂筋線で直接新大阪まで出て、そこから

京都へ向かった。新快速とやらで停まるのは間、2駅か3駅。思っていたよりも早く京

都へ着いた。

京都駅で案内地図を見てタクシー乗り場を探し、タクシーで京都国際ホテルへ向かった。

同じように案内地図を見ていた女性を発見し、もしかしたら同じツアーに参加する神子

なのでは…ナンパしようかとも思ったのだが、もし、違っていたらと躊躇し声を掛ける

のを留まった。だが、ほぼ同時期にタクシーでホテルに到着したのを見て、声を掛けれ

ばよかった…とちょっぴり後悔していた。

 

ホテルに着いて我が神子とご友人神子は緊張の面持ちでフロントへと向かった。

例の件があるので、もし、自分たちの名前がなかったらどうしようと思ったからだ。

フロントに行くと、

「『遙かツアー』の方の鍵はあちらの机の上にありますよ。」と教えてくれた。

先ほどタクシーで一人到着した神子が係の人から鍵の入った封筒を受け取っていた。

我が神子が係の者に名を告げると、すぐに部屋の鍵の入った封筒を渡してくれた。

我が神子とご友人神子はそれを受け取り、「よかった…」と一安心した。

 

だが、その鍵で部屋に入り、その封筒を机の上に置こうとして、ふとその表紙を見た

我が神子が

「あれっ、名前が違ってる!?」

と言った。確かによくよく見ると、我が神子の名の最後の1字が違っている。

ご友人神子の名前の方はあっているので、どうやらホテル側の単なる入力ミスらしい。

我が神子は少し気にしていたが、まっ、問題ないだろう。

そのうち我が神子は

「(真名より)こっちの方が何だかかわいいね♪」

なんて能天気なことを言い出したのだから、全く持って問題ない。

 

部屋に入ると神子たちはまずビデオがあるか確認していた。だが、この部屋にはビデ

オの設備はないようだ。

せっかくビデオ一緒に見ようと思ってたのに〜」と二人は嘆いていた。

ご友人神子が我が声を担当する声優石田氏の勇姿を見るのは少し先送りされたようだ。

 

ご友人神子がモバイルパソコンとやらをインターネット設備付きで持って来ていたので、

ホテルの部屋で一緒に『遙けし京』の“二条河原の落書き”を見る。

「まだ、今日のフェスタの書き込みはないね。」

「そうだね。」

と今度は“公式掲示板”“アンジェリーク掲示板”とハシゴしてみるが、まだそれらし

き書き込みはなかった。

「横浜の時は書き込み一番乗りだったんだよ〜♪」

と我が神子が言った。

 

「おいおい、見ているだけではなくおまえたちが書けばいいではないか。」と言おうと

思ったのだが、一応ここはおとなしくしていた。

 

やがて我が神子は再び睡眠時間1時間20分の後遺症の睡魔に襲われ、

「先にシャワー浴びるね〜」

と言うと、シャワーを浴びに浴室へと消えた。そして、戻って来ると髪を乾かし、乾か

し終えると先にベッドに入ってしまった。

ご友人神子はまだパソコンをいじっている。

「こういう時はベッドに入ってもなかなか眠れないものなんだよね〜」

なんて言っていたが、何のことはない。数刻後には我が神子は眠りの中へと落ちて行った…

 

この時はまだ、これから先に何が待ち受けているかなど神子たちも我らも全く知る由も

なかった…

 

 

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