第5章 呪われたプレミアムツアー1日目

 

引き続きこの章も私チビあっきーが案内する。

 

 

いよいよ出発!

 

ツアーの集合場所、京都駅八条口バスプールに到着して、神子たちはバスを降りる。

この時は、まだ神子たちは

「いよいよプレミアムツアーだね。楽しみだね〜」

なんて言って、浮かれていた。

集合場所の目の前には自動販売機がいくつか立ち並んでいた。

「ねえ、何か飲み物買っとこうか? 先、長いし。」

「うん、そうしよう♪」

我が神子とご友人神子は自動販売機を次々と眺めて行く。

「やっぱりお茶系がいいよね。たくさんあるね、何にしようか?」

その時ご友人神子が言った。

「やっぱり京都と言えば“○ろ茶”でしょ?」

「わっ、それいい! それにしよう。飲んだことないし♪」

二人はともに“○ろ茶”を買った。

 

思えばこれが神子のこれからの運命を暗示していたのやもしれぬ。

 

プレミアムツアーには神子たちのプレミアムツアー1からのご友人、神子ばれんしあ

みかんも、そして昨日ちょっとだけお会いした神子雪夜も、そしてやはり会うお約束

をしている神子沙桐姫も参加するはずなのだが、ちょっと探してみたが、集合場所で

彼女たちを見つけだすことはできなかった。特に神子ばれんしあみかんは今回8人も

の団体で参加するとのことなので、すぐに見つかるのではないかと思っていたのだが、

不思議なことに我が神子もご友人神子も見つけ出すことは出来なかったようだ。

「みんな、向こうで会えるよね。」

仕方なく探すのはあきらめ、神子たちは指定のバスに乗り込んだ。

ここでも神子たちは自分の名前が座席表にあるのを見てホッとしていた。これでよう

やく神子たちはすべて元通りにセッティングされていることを確認し、安堵する。

 

我が神子はJTBの人にホテルの書類の名前が違っていたことを言いに行った。

JTBの係の人が確認してくれたが、こちらの原簿の方には正しく真名で記されてい

るようだ。やはりホテルの単なる入力ミスだったらしい。

 

バスの中では最初に恒例の自己紹介のコーナーがあった。我が神子とご友人神子は前

から3列目なので、比較的早く順番が回ってくるので、ドキドキして順番を待つ。

「名前と好きな声優などを言ってください」とバスガイドさんから指示があった。

前回のプレミアムツアー1の自己紹介の時との大きな違いは今回神子たちは座席に

座ったままマイクでしゃべったこと。通路の方にひょこっと顔を出すわけでもなかっ

たので、今しゃべったのがどの神子かまるでわからない。我が神子は立った方がいい

かなとも思ったのだが、前の6〜7人の神子が座ったまま挨拶したので、自分だけ立

つのもなんなので、前の人にしたがって座ったまましゃべることにした。

いよいよ我が神子の順番になった。

「○○と申します! 私が好きなのは、今日も連れて来ておりますが(と我らを高く

 掲げて後ろの人たちに見せた)泰明さんと泰継さんです♪」

と言った時、プレミアムツアー1ではちょっとした歓声が上がったのだが、このバス

ではまるで無反応…顔見せした我らの立場は?…少し淋しい…

神子は自己紹介を続けた。

「好きが講じて“神凪 涙”名でサイトを開いております! 興味がある方はURL

 をお教えいたしますので、遊びに来てください。こんな私ですがよろしくお願いい

 たします!」

このバスでは他にもサイトマスターの方が何人かいて、面白そうなサイトもあったの

で、我が神子は後でURLを教えてもらおうと楽しみにしていたのだが、何せ先ほど

も申したようにどれが誰だかわからない上、たまたま乗り合わせたこのバスの神子た

ちは自分たちのグループだけで固まっていて、他のグループとは全く交流を絶ってい

たので、とうとう最後まで聞くことができなかったようだ。我が神子はとてもががっ

かりしていた。ああ、こんなことならこの自己紹介の時にでも紙でも回して聞いとけ

ばよかったと神子は後でさかんに悔やんでいた。

同じバスには前回のツアーの時も乗り合わせた親子連れが乗っていた。親子でこうし

て何度も『遙か』ツアーに来れるというのも素敵なことだなと神子が言っていた。

 

自己紹介が終わると『君恋ふる歌』の音楽が小さくバスの中に流れ始めた。

そして、このツアーの間中ずっとバスの中には繰り返し『君恋ふる歌』の八葉の歌が

流れていたのである。もちろん、語りの部分はなく、歌だけだったが…

時折、聞こえて来る私の歌声…それが聞こえるたびに我が神子は聞き耳を立てていた。

 

我が神子は喉が渇いたと言って先ほど購入した“○ろ茶”をごくごく飲んでいた。

そしてふと私の方に目をやると言った。

「ねえ、やっぱりあっきー後ろ向いてるね。」

「ほんとどうしちゃったんだろうね。」

そう言って、また私を表に向ける。我が神子はやはり気づいてはくれない。他に知ら

せる術を持たない私は神子には悪いがまた黙って後ろを向いた…

 

 

宇治橋をゆっくりと散策

 

プレミアムツアー最初の訪問地は“宇治橋”。この地に来たのも前回のツアーに続い

て二度目。ここで神子たちは昼食を取った。なかなかかわいい感じだったので、他の

神子の真似をして、我が神子も写真を撮っていた。それが、下の写真である。

 

 

昼食はAコース1号車とAコース2号車が同じ部屋。神子ばれんしあみかんはAコー

ス1号車だと聞いていたので、いくらなんでもここだったら見つかるんじゃないかな

とちょこっと探してみたが、やはり見つからない。

「どうして!?」

と神子たちは悩んでいた。そして、

「う〜ん、髪型大幅に変えちゃったのかな〜?」

なんて勝手なことを言っていた。

 

我が神子とご友人神子はさっさと昼食をすませ、宇治橋へ向かった。途中“橘橋”と

いうところで、いったん立ち止まり写真を撮って、また宇治橋へ向かう。

 

 

神子によるとゲームに出て来る場所の無人の写真を撮りたいからだそうだ。

いち早く出て来たかいあって、まだ他の神子たちはほとんどいない。そこで、神子は

目的の写真を撮ることができようだ。前回撮りそこなっていたので喜んでいた。

 

 

写真を撮った後は、ゆっくり散策しながらバスへと向かう。やはりこの地に立つと

の流れは清涼で、音も心地よく心に響いてくる。何度来てもいいところだ。

宇治川には水鳥たちがたくさん集っていた。白鳥らしき姿を見つけ、

「こんなところに白鳥がいるんだ。」

と我が神子は驚いていた。

宇治川と鳥…このキーワードはプレミアムナイトへと持ち越されることになる…

 

水辺を歩きながら

「またあっきー後ろを向いてるよ。」

と言って、また私を前に向けた。

神子、何でわかってくれないのだ。ああ、もう時間がない! 私はどうすればいいのだ!  

私は再び後ろを向くことでしかそれを伝えることができなかった…

 

神子たちはバスに乗り込み、そして宇治橋を後にした。そして運命の地へと向かう。

 

 

“まろ”になった神子!?

 

神子たち一行はここ運命の地“随心院”に到着した。

この地でバスごとの集合写真を撮るとバスガイドさんが言っていた。

バスを降りてすぐにご友人神子がやっと神子ばれんしあみかんを発見した。

「わぁ〜、久しぶり〜」

短い時間ではあったが三人は久々の再会を喜び合っていた。我が神子は

「この子は初めてだよね。」

とチビつぐっちを紹介していた。つぐっちは紹介されて嬉しそうだ。

おいおい、神子、私もいるのだ。…少々いじけた。

 

まず、神子たちはバスの号車ごとに写真撮影場所へと向かう。

小石の砂利道をザッザッと音を立てて多くの神子たちが進んで行く。

 

それが起こったのは、突然のことであった。

排水溝の上に渡してある網状になっている鉄板の上に差し掛かった時、本当に本当に

それは偶然が重なって起きた。

 

その鉄板は少し反っていて、ガタガタしていた。そして我が神子が足を上げるのと、

他の者が鉄板を踏んでその反対端が持ち上がるのがすごい確率でたまたま一致した。

そして、その結果として我が神子は不幸なことに突然生じた障害物に足を引っ掛ける

形になってしまったのである。

 

我らは真っ直ぐ地面に向かって倒れ込んだ。そのまま倒れたら我らはまともに砂利に

叩きつけられるところであった。フェルト製の身体に硬質ガラスの目の我らは砂利に

直接叩きつけられて擦れてしまったらきっとひとたまりもなかっただろう。

 

だが、そういうことにはならなかった。

驚くことに我らはかすり傷ひとつ負ってはいなかったのだ!

 

我が神子が倒れる瞬間、本当にコンマ何秒かの短い時間だったと思うが、とっさに我

らが直接砂利に叩きつけられないように我らを抱きかかえるようにしてかばったのだ。

傍でその様子を目撃した神子ミズキもそう証言している。

 

しかし、そのお陰で我が神子は右足の膝から膝下の付近にかけてかなりの傷を負って

しまった。それに左足と両手の平からも血が…

 

だが、そんな神子の第一声が

「チビたちは!?」

だった。“痛〜い!”とか言うことも忘れ、我らを第一に心配してくれたのだ。

ご友人神子も我らが無事かどうか確認した。

「あっ、大丈夫みたい。よかった〜」

そう言って、我が神子は我らを抱きしめてくれた。何てやさしいのだ、神子。

 

だが、私は結局神子の役には立てなかった…あれほど忠告していたのに神子には全く

通じていなかった。それどころか神子にあんな傷を負わせてしまうとは…

おそらく我らをかばいさえしなかったらもっと傷は軽いものですんだだろう。

そう思うと自分の不甲斐なさに腹が立った。

そして、私は今までと違う意味で…後ろを向いた…

 

我が神子は幸い(?)花粉症気味だったので、ティッシュをたくさん持っていた。

そこで取りあえずティッシュ5枚ぐらいで流れ出る血を拭こうとした。だが、血は後

から後から溢れてくるので、とっさに押さえて止血するしかなかった。  

 

そして、運悪くそのすぐ後でバスごとの集合写真の撮影。この傷では前列に行くこと

はできないので、後ろの方の足が見えない位置に行って、取りあえず写真に写る。

神子〜そんな怪我した状態で我らも写真に入れるのを忘れないなんておまえという

やつは〜  だが、それだけ我らのことを大事にしてくれているのだな。嬉しく思う。

 

写真が終わってその場から離れようとした時、Aコース3号車の見知らぬ神子が我が

神子のところへ消毒薬を持って来てくれた。他に絆創膏を持って来てくれた神子もい

た。まったく見も知らぬものにそのようなことを…。この時ほど他人(ひと)の親切

のありがたさが身に染みることはなかったと神子が言っていた。

我が神子は取りあえずティッシュで血を拭き取り、一瞬血がなくなった隙にお借りし

た消毒薬で傷を消毒した。この時の消毒薬は本当にありがたかった。

Aコース3号車の写真撮影が終わると先ほどの神子を探し出し、丁重にお礼を言って

消毒薬をお返しした。

幸いご友人神子が絆創膏を大量に持ってきていたので、それをもらい、取りあえず両

足の特にひどいところにべたべたと何枚も貼り、応急処置をする。絆創膏を貼っても

まだ血が滲んでいるが、それは仕方がない。

立って歩けるということは幸い骨には異常はないようだ。いくら見た目がひどくても

外傷だけで、まだよかったと神子は思ったとのことである。

 

とりあえず、応急処置が終わり、神子たちは文塚へ向かった。

「ごめんね。私のために見る時間減っちゃって。」

「ううん。」

とご友人神子は言ってくれたが、傷の手当てのため、せっかくの拝観時間が少なく

なってしまってすまないと我が神子は恐縮していた。

 

前回は道なき道を行って、私に「思慮が足りぬ」と言われた神子たちは今度はちゃん

と順路通り進んだ。少しは学習したのだな。前回神子たちが通ったところはやはり今

日もぬかるんでいた。もしかしたら、あそこは一年中ぬかるんでいるのかもしれぬ。

二度目の文塚でまた神子たちは写真を撮る。カメラも砂でかなり汚れてはいるが取り

あえずは無事だったようだ。よかった。

我が神子はご友人神子に写真を撮ってもらった。あかねほどではないが、どちらかと

言うとミニスカートをはいていた我が神子はそのままでは足の傷も写ってしまうので、

どうせコートで見えないからとスカートをギリギリまで下に下げ、何とか足の傷にス

カートを被せて隠してから写真を撮った。  

 

 

社務所へ行き、また友雅スタンプを押した。前回も押してはいるのだが、今回の旅行

のために我が神子は『京 旅の手帳』をもう1冊買ったので、そちらに押した。

そしてやはり前回来た時、欲しかったけど買いそこねたと言っていた小野小町の御香

を買っていた。

バスに戻ると、向こうからJTBの人がやって来て、

「神凪(仮名)さんですか?」

と声をかけた。

「はい。そうです。いろいろご迷惑をおかけしまして。」

と我が神子が挨拶すると、

「いいえ、こちらこそ。担当の者から聞いていると思いますけど、往きの切符の領収

 書の方はお持ちですか?」

と聞いた。往きの新幹線の切符を買う時領収書をもらって来るように言われていたの

である。

「はい、持ってますけど、今、お渡しした方がいいですか?」

と聞くと、JTBさんは少し考えて

「では、次の場所で取りにうかがいます。」

と言って、去って行った。

バスに戻ってみると、もう他のみんなは揃っていた。そして、我らが乗り込むとすぐ

に発車した。

「あれっ、集合時間間違えたかな?」

「でも、確かに聞いていた時間は35分までだったよね。」

と神子たちは言っていた。  

 

そんな時、無線で“OLYMPUSのカメラ”の忘れ物があるとのやり取りが耳に入って来た。

1号車で聞いたが該当者なし、3号車で聞いたが該当者なし…と聞こえて来た。

「えっ? OLYMPUSのカメラ?」  

ととっさに我が神子が自分の周りを見たが、カメラらしきものがない。そこで、

「あの〜、それ私のかも知れませんが…」とバスガイドさんに申し出た。

「え〜と、名前が書いてあるはずなんですけど…」

そう言って名前を確かめてもらったら確かに我が神子のカメラだった。名前を書いて

おいてよかったな、神子。

Aコースの方はもう発車してしまったので、Bコースのバスに乗せて来てくれるとの

ことである。一応安堵。

 

「それにしてもどこで忘れたんだろうね。全然気がつかなかった。」

とご友人神子が言った。

「スタンプ押す時かな? 奥の方に置いちゃって手からはずれたのに気がつかなかっ

 たのかもしれない。」

それにしても…災難は続く。怪我に忘れ物に…二度あることは三度あると言うから次

はいったい何が起こるんだろう。神子の顔が曇る。

 

この頃になって神子はようやく私の後ろ向きと事故の因果関係に気づいてくれたよう

だ。私が後ろを向いていると

「あ〜ん、あっきー、後ろ向かないでよ〜!!」

と頼むようになったから。だが、神子、今気づいても…少し遅い。

 

 

 

将軍塚で雨に見舞われる

 

この日、最後の訪問地は将軍塚。向かう途中、バスの窓にポツポツと雨のしずくがか

かる。 怪しいなと思っていたら、将軍塚に着く頃には小降りだが雨になっていた。

「あんなに晴れていたのに、なんで!?」

と神子が言った。今日は一日暑いと思わせるほどの快晴で、雨とは無縁のように思え

たので、我が神子もご友人神子もホテルに傘を置いて来てしまったのだ。

 

将軍塚に着いて、雨の中、まずその名の通りの塚を見て、それから見晴台の階段を

昇った。 今日、災難に見舞われている我が神子は雨が降っているので、特別すべらな

いよう注意しながら登って行った。見晴台の上は風が強かった。雨と風…もう何とも

言えない。まあ、雨の方はかなり小降りではあるのだが。我が神子は手元にカメラが

ないので、ご友人神子に将軍塚と見晴台から見える景色を変わりに撮っておいてと頼

んでいた。  

 

 

将軍塚から見える景色の中にいくつか小高い丘があって、あれのどれかが双ヶ丘では

ないかと神子たちは言っていた。そして、それらしいものに目星をつけて写真を撮っ

ていた。夕方の雨の中で撮影したので、いささか見えにくいかも知れぬが、私の右下

にある3つ連なった丘がそれらしいものである。確か前に通った時、意外に街中に

あったような気がするので、おそらくこれではないかと神子が言っていた。

 

 

バスに戻ると先ほどのJTBの人が領収書を取りに来たので、用意してあった領収書

を渡した。そして、JTBさんはさらに

「カメラの方はBコースのバスで係の者が持って帰ります。Bコースの方が少し遅れ

 て到着しますので、ホテルに着いてしばらくしてからフロントの方に取りに行って

 ください。」

とつけ加えた。我が神子は少し顔を赤らめて

「はい。後でフロントに取りに行きます。」

と小さく返事した。

 

バスの中でプレミアムナイトのアンケート(例のごとく声優さんへの質問と声優さん

へのメッセージなど)とプレミアムナイトのプログラムが渡された。それを見た我が

神子は思わず

「え〜っ、歌のコーナーはないの〜?」

と声を発した。

「昨日も三木さん歌わなかったのにね…」

とご友人神子も言っていた。

「でも、ライブドラマがあるんだね。昨日は横浜と同じ内容だったから、これ、とっ

 ても楽しみ!!」

二人の神子の気分はもうプレミアムナイトへ飛んでいた。

 

 

 

あまりにも出来すぎているんではないかい!?

 

ホテルに戻ると、第1回プレミアムツアーと同じように八葉のウェルカム葉書が机の

上に置かれていた。図柄も内容も第1回と同じものである。第1回の時のような新鮮

な感動こそないもののそれでも神子たちはその葉書を見て大いに喜んでいた。

実は前の日、もしかして葉書があるのでは…と期待していたら置いてなかったので、

「やっぱり昨日はプレミアムツアーじゃないからね。今日は置いてあるかな?」と

いささか期待感をもって見てみたら、この葉書があったので、嬉しかったのである。

そして、出発前のゴタゴタがあったから、他の神子たちと同等に扱ってくれた…その

何でもないことの再確認にまた喜びを感じていた。

 

我が神子は取りあえず、怪我をした足を洗った。さすがに石鹸はしみるらしい。だが、

ばい菌が入らないようにとシャワーで丁寧に洗い流していた。

そして、またご友人神子から絆創膏をもらって貼りかえる。まだ血は完全には止まっ

てはいないようだ。だが、出血も大分減って来てはいるので、一安心していた。

 

「それにしても、転んだのが随心院なんてあまりにも出来すぎだよね。」

と我が神子が言った。

「そうか! 友雅のゆかりの地だもんね。ああ、だから、まろの…」

とご友人神子もうなずいた。

「きっとあの“○ろ茶”がいけなかったんだよ。私はほとんど飲んでなかったけど、

 涙はたくさん飲んでたから。そうだ、そうに違いない! 残り飲むのよそうっと。」  

 

あ…あの、後ろを向いていた私の立場は…お〜い、神子〜

 

そして、二人の神子は京都にいる間、二度と“○ろ茶”を飲むことはなかった…  

 

フロントからカメラが届いていると連絡が入り、我が神子はフロントまでカメラを取

りに行った。プレミアムナイトに行く時に取りに寄ってもよかったのだが、そうした

らきっと受付で預けるかまたは部屋へ置きに戻らなければならないだろうからとその

前に取りに行ったのである。届いてたのは確かに神子のカメラ。取りあえず戻って来

てよかった〜

 

もうじき楽しみにしていたプレミアムナイト。

一抹の不安を残しながらも、我が神子は一応おしゃれ(?)をし、手作りの泰明首飾

りを身に付けた。

 

もう一つの運命の時が刻一刻と迫っていた…

 

 

《『遙か』京都旅行での教訓?》

1.泰明スタンプを押す時は決して失敗してはいけない。慎重に押すべし。

  特に、顔の部分は絶対に失敗することなかれ。

2.京都では“○ろ茶”は買っても飲むな。

  特に友雅のゆかりの地へ行く時は厳禁である。(笑)

 

ちなみに神子の傷は意外に深かったらしく、丸一週間経った今日現在でもほとんど治っ

ていない…

 

《追加》

3月20日現在、傷の方は大分よくなってまいりました。

ご心配くださったおやさしい神子様方、どうもありがとうございます。

        

 戻る  第6章へ