第7章 逆転大勝利!夢のプレミアムナイト ライブ編

 

 

この章も途中で我が神子が理性をなくすかも知れぬので、我ら二人で案内する。

そして、神子の気が著しく乱れたために神子の“心のかけら”がかなり集めにくくなって

いたので、一部記憶違いのところがあるかも知れぬことを先にお断りしておく。

 

 

 

あれっ?

 

プレミアムナイト開始の予定時間の18:00になった。

今回でプレミアムナイトの司会は三度目、つまり毎回司会をやっているという“上田

ゆみこ”さんという方が出て来て挨拶をした。そして、自分の旧型の携帯を取り出し、

「みなさ〜ん、携帯は“グッバイ”でOFFにしてくださ〜い。」

とその場で自分の携帯を切って見せた。

そしていよいよ始まると思いきや、

「お二人は支度に時間がかかっているので、先にゲームをしましょう!」

との言葉が…。会場からはブーイングの嵐が起こる。司会のお姉さんはひるむことなく

「それでは、じゃんけんゲームをします。私とじゃんけんをして、勝った人だけ立って

 てください。あいこと負けの人は座ってください。」

とゲームを進めて行った。

我らが神子とご友人神子は確かこの時は1回戦敗退。

「そんなにいいこと続くはずないよね。一番前の席で見れるだけで十分だもの♪」

二人は小声でそう言い合っていた。謙虚なのはいいことだ、神子。

何とその“じゃんけんゲーム”はあっけなく3回戦で終了!

「上田さん、じゃんけん強すぎ!!」…そう神子が言っていた。

勝ち残った16名の神子たちは前に行って、水野先生のサイン入りのポスターを受け

取っていた。みなとても嬉しそうだ。

 

思いのほかゲームが早く終わってしまったので、上田さんはちょっと困っていた。

「早く終わっちゃいましたね。もう少しかかると思ってたんだけど。まだもう少しお時

 間がかかるようなので…」

また会場からブーイングが起きた。

「今日は東京からとか、みなさん遠くから来てくださってるんですよね。私が一番遠く

 から来たと思う人は手を上げてください!」

と呼び掛けた。会場から応えがなかったので、

「じゃあ、北海道から来た人っていますか〜?」

と聞いた。そうすると一人の神子が手を上げた。

「一人いますね。立って、みなさんに顔を見せてあげてください。この人が北海道から

 来てくれた方で〜す。」

そして今度は

「九州から来た人はいますか〜?」

と聞いた。すると今度は四人の神子が手を上げた。

「四人もいますね。それではみなさん、立ってください。この方たちが九州から来られ

 た方々で〜す。」

そうして上田さんはお二人の準備が整うまで何とか場をつなぎ通した。プロとして立派

だと思う。そうこうしているうちに準備完了の連絡が入ったらしい。

「やっと、お二人の支度が整ったようです。それではみなさん、盛大な拍手でお呼びし

 ましょう!」

やっと三木頼久(いや、今日は頼忠と呼んだ方がいいのかな?)と保志永泉(こちらも

泉水と呼んだ方が?)の登場である。二人の登場とともに大きな拍手と二人の名を呼ぶ

黄色い声が飛び交った。

 

 

 

オープニング

 

オープニングのトーク。

「キャラクターがたくさんいて楽しいですね。」と保志泉水。そして、「永泉いるの?」

とちょっと探すようなふりをして聞いた。「ホテルの間を借りてのイベントなんていう

のはなかなかないんで、新鮮!」だそうだ。

三木頼忠は「皆さんよくいらしゃいました!」と挨拶した後で、「昨日も(フェスタが)

あって、今日もあって、何を着ようかと考えながらつけてたら、全部つけちゃえって、

つけて来ました!」と言って、客席をわかせた。確かにかなり派手な服装だ。青のサテ

ン地に龍虎の柄の派手な上着(はっぴのような感じの)に頭にバンダナ、サングラス、

黒のレザーパンツに黒の靴という出で立ち。それに対して、保志泉水はどこにでもある

ような茶色のジャケットに黒のトレーナー(だったよね?)にズボン。地味と派手の対

称的な服装であった。

 

 

『お題&質問』のコーナー

 

まずはテーマトークのコーナーが始まった。

司会の上田さんが「それでは、お二人には座ってお答えしてもらいましょう」と言って、

二人が用意した椅子に座ると、後ろの方から「見えな〜い!」という悲鳴に近い叫びが…

 

この日の椅子の形式は、ホテルの大広間にコンサート形式で配置。椅子はすべて前向き

で、1列に20個ずつ部屋の後ろまでずっと並べたもの。それに対してステージは学芸

会ぐらいの低さ。当然、後ろの方からはかなり見えづらい配置である。

もっと考えてよ、JTBさん! と言いたくなる。

 

 ステージ 

                                     ↓我が神子は確かこのへん!

○○○○○ ○○○○○ ○○○○○ ○○○○○

○○○○○ ○○○○○ ○○○○○ ○○○○○

○○○○○ ○○○○○ ○○○○○ ○○○○○

○○○○○ ○○○○○ ○○○○○ ○○○○○

○○○○○ ○○○○○ ○○○○○ ○○○○○

:     :     :     :  

:     :     :     :  

 

神子たちの悲痛な叫びを受けて三木頼忠が

「それでは立ったままやります!」

と言って、用意した椅子を引っ込めさせた。神子たちから今度は歓喜の叫びが上がる。

 

『お題&質問』コーナーはお題が書かれたカードが何枚かあり、それを引いて、それに

関するトークをするというもの。カードは保志泉水が引いた。

 

最初のお題は「お互いの好きなところは?」というもの。

そこですかさず、保志泉水は

「じゃあ、上田さんは僕らのどこが好きですか?」と聞いた。すると上田さんは、

「ホッシーさんとは同い年なんです。下調べをホームページでして来ました。

 遙かなる…でホッシーさんにお会いできるのでどんな方かと楽しみにしていましたが、

 想像以上にステキな男性でした。」と巧みに答えていた。

続いて、保志泉水が「僕は三木さんの『声は』好きです。」と言うと、三木頼忠はすか

さず「“声は”?」とつっこんだ。そのつっこみを受けて、保志泉水は「三木さんの

『声も』好きです。」とすぐに言い直した。

「三木さんはいろいろこう見えてよくお世話してくれるんですよ。アフレコの時も折り

 方が違うって言ってくれましたし、先程も髪を手入れしていたら、『ムースついてる

 よ』ってやさしくアドバイスしてくれました。」と言っていた。

…それが“お世話”なのか? 泉水…

そして三木頼忠によるとホッシーのいいところは、“いい意味でマイペースのところ”

だそうだ。いろんなことをグルグルと考えてる、そこがかわいいと言っていた。

「今までで一番あせったことは?」という質問に保志泉水は仕事であせるとのこと。イ

ベント関係でもあせるが、「結構仕事の準備をしないで臨むとあせります。」と言って

いた。台本チェックをするのに保志泉水はとても時間がかかるそうだ。30分番組で

237カット、22分で結構セリフがある時は2〜3時間はかかるとのこと。テストを

やりながらルビをふったりしているらしい。物理的時間がない時はあせるそうだ。

そして「皆さん、知ってます? ゲームの台本って分厚いタウンページぐらいあるんで

すよ。」とも言っていた。

三木頼忠の方は今までで一番たいへんだったのは3時間拘束の5日間の仕事だそうだ。

物理的に無理だと思う状況だったらしい。

でも、『遙か』は楽しいと言っていた。

保志泉水も「『遙か』はそれほど台本分厚くないし」と言っていた。ただ永泉の言葉遣

いが難しかったそうだ。永泉は超超ていねい語なので、たいへんだったらしい。

三木頼忠もいつもあせっていると答えたので、すかさず保志泉水が「うそだ!」とつっ

こんでいた。それを受けて三木頼忠が「年のおとろえが…」と言った時、次のお題に

移った。

 

次のお題で上田さんが言った。

「冬と言えばラグビー。」

客席から「えーっ!?」と野次が上がる。上田さんは気を取り直して続けた。

「冬と言えばラグビー。ラグビーと言えばタックル。ホッシーさんはタックルがたいへ

 んお得意とおうかがいしますが、次のお題はタックルでまいりましょう!」と。

三木頼忠が「ホッシーは “タックル協会の会長”だからね」と言った。保志泉水は

「えっ? えっ?」とびっくりしていた。昨日のフェスタで森川エルンストが“犬に

タックルされて保志さんが飛ばされた話”をすでに話していたから。保志泉水はフェス

タには参加していないので、当然前の日にその話が出たことはご存知ない。昨日フェス

タに参加した神子たちは当然すでにこれを聞いている。だから、会場にいる神子たちの

多くが頷いていた。三木頼忠は「知ってるの? 知ってるのかい…」と少々がっかりし

ていた。

そして、「昨日のフェスタに来た人!」と言って手を上げさせたら、多くの神子たちが

手を上げていた。やはり日にちが日にちだけにフェスタに参加した神子が多いようだ。

この前、関さんもタックル仲間に入った…なんて話も出たし、森川さんも“タックル協

会”の会員で、保志さんが勝てない相手には、森川エルンストのところのアクセル君に

タックルしてもらうんだ…なんていう話も出た。それを聞いた三木頼忠に「それ手下

じゃん。タックルにも階級があるの?」なんて言われていた。そして、さらに三木頼忠

は「ホッシーは人として森川くんの飼っている犬にタックルで負けたんだよ。アクセル

君のタックルはプロ並! 音速でタックルする犬!」などとつけ加えた。

 

次にバスの中で神子たちが書いたアンケートをもとにした質問コーナーに移った。

 

《質問1》

今日のバスA−1号車の方よりの質問

お花見では花より団子派ですか?

(こ…これだけ? 短い…)

 

保志泉水はすぐに「花も団子も。」と答えていた。そして、

「団子で聞こうと思ってたんだけど、団子…のさ…京都あまり来たことないけど、修学

 旅行で来た時、“茶団子”っていうのがあったんだけど、あれは“草団子”と違うの?

 あれはそこらへんで売ってるのかな?」とみんなに聞いた。

 

客席のあちこちから「宇治〜!!」という声がする。

 

それを聞いて保志泉水は

「えっ? みんなでうじうじうじって! まっ、売ってるってこと? でも、草団子と

 買い間違えないかな? 緑なのに… 詳しいことはアーツビジョンの方へ。」

と言ってから「すみません。個人的に時間使って。では、三木さんのコーナーへ。」

と三木頼忠に振った。

三木頼忠は「僕は“酒”ですよ。酒と仲間がいればいい。」と言ったので保志泉水に

「団子いらず!」と茶化されていた。

そして、保志泉水は「団子に花見じゃなくていい。家で食うから。」とも言っていた。

司会の上田さんが最後に「私はもちろん団子派です。」と言ってこの質問はしめくくった。

 

《質問2》

最近見た夢は何ですか? お二人はカラーで見ますか?

私は“『遙か』学園編”の夢を見ましたが…というもの。

 

それを聞いて「『遙か』学園編? そんなの作っちゃうんだ。」と三木頼忠が言った。

保志泉水が「“夢”どうですか?」と聞くと、三木頼忠は「見ますよ。もちろん。」と

答えた。すると保志泉水は「すごく見ますね。」と言い、三木頼忠の「カラー?白黒?」

との問いに「薄いカラー。TVで昔の映像が入った時のバチバチっていうの。だいたい

薄いカラー。懐かしいと感じる夢かな? 毎回同じ小学校。さっきも見た。」と答えた。

それに対して「君、さっきいたっしょ?」とのつっこみに保志泉水は「さっきのさっ

き!」と返し、「新幹線乗ってた時。何か寝ちゃったんだよね〜」と言っていた。

三木頼忠は「白黒でもカラーでも」見るそうだ。そして保志泉水に「両刀?」とつっこ

まれていた。三木頼忠は「夢ってつながる」と言った。「怖い夢…追っかけて来る夢は」

と言ったら、すかさず保志泉水が「あるある。猛犬に追っかけられる夢!」と合いの手

を入れていた。よほど犬に襲われたのが強く残っているのだな、泉水は…

三木頼忠は精神的に疲れてる時、追っかけられる夢を見るそうだ。何でも先日見た夢は

スキンヘッドの人が追いかけて来る夢だということ。逃げて来て、小屋の入り口で振り

返ると下の方でその男が笑っている。そして、小屋に入ってお風呂の窓を閉めようとし

た時、そこにその男が立っている…という内容だそうだ。そして、その日に限って、寝

汗をかいているとのこと。他の夢では水中都市(だっけ?)の夢。「水中でファンタ

ジーだったのに、気がついたら下の方を人より遅く泳いでいる…結局ダメな夢だったん

だよね。」と言っていた。

 

上田さんが、「ボケとツッコミが決まってるんですね」と一言言って、次の質問に移った。

 

《質問3》

お二方は今回、初参加ですがどうですか?

(おいおい、大雑把過ぎないかい?)

 

「何か“楽しげ”ですね。」と保志泉水が言ったので、すかさず三木頼忠が「“楽しい”

とかじゃなくて“楽しげ”ですか?」とつっこんだ。

保志泉水は「イベントっぽくないのが不思議。修学旅行なんかに出てるみたいだ。」と

言っていた。三木頼忠も「不思議な感じ」だそうだ。保志泉水はさらに「何かタイムス

リップした感じ」とも言っていた。

三木頼忠は今度は客席の神子たちに「初参加!」「3回目!」「2回目!」とそれぞれ

手を上げさせた。そして中で出てきた“かぶってる”という言葉にすかさず反応して、

「それ(かぶってる)、業界用語だよ。」と言い、前列のコスプレ集団に「そんな服着

てるし」などとつっこみを入れていた。

三木頼忠は「とりあえず僕たちは楽しい。みんな楽しいでしょ?」と聞いたので、また

それに応えるように神子たちから歓声が上がった。そこで『お題&質問コーナー』は

終了。

 

 

 

『遙かなる時空の中で2』ライブドラマ

  “飛び立つ鳥のように”

 

次は待ちに待った“ライブドラマ”のコーナー。司会の上田さんが

「今日の日だけに用意したライブドラマです。今回はお二人にお座りいただきます。」

と言うと椅子とマイクスタンドが用意された。

当然のことながらまた後ろの神子たちから「見えな〜い!」とブーイングが起こる。

三木頼忠が「ごめん!」と手を合わせて謝って、何とか神子たちを静めてくれた。

上田さんが

「後ろの方は見えにくいかも知れませんが、お二人の声は届くと思いますので、お一人

 お一人が神子殿になったおつもりでお聞きください。お楽しみください。それでは皆

 さん、ライブドラマで思いっきり『遙か』の世界にひたっていただきましょう。」

とムードを盛り上げた。後は始まるのを待つのみ…

 

だが、プロジェクターとパソコンの連動が上手くいかないらしく、なかなか画像が出て

来ない。JTBの御池さんが悪戦苦闘している。それを見て、上田さんが

「今、添乗員の御池さんが頑張っていますので」

と言うと、神子たちから「御池さん、頑張って〜!」という声援が飛んだ。

パソコンに詳しい人(?)が御池さんに変わってマシンを再起動して調整している。

その準備に手間取っている時に三木頼忠が保志泉水に「今日、朝、何してた?」と聞い

た。さすが一流の声優。何とか場をつなぐらしい。頑張れ! 保志泉水が「朝? 寝て

たけど?」と答えて、その話題はすぐに終わった。三木頼忠はさらに「何かこれラブレ

ターみたいだね。」…と言っているうちにプロジェクターにタイトルの文字が映った。

神子たちから歓声が上がった。

いよいよライブドラマ『飛び立つ鳥のように』の始まりである。

 

画面には『遙か2』のゲーム画面の頼忠と泉水の姿が映し出された。

神子たちから「おお!」と歓声ともため息ともつかぬ声が上がる。

我が神子たちも大画面に映し出されたお二人の姿にうっとりしていた。

画像はライブドラマの上演中、場面場面で背景もキャラの表情もそれに応じて変わり、

それが変わるたびに神子たちから声が上がっていた…

 

 

「遙かなる時空の中で2」ライブドラマ“飛び立つ鳥のように”

 

オープニングは神泉苑。泉水が、神子の気晴らしのためにと散策中だった神子と頼忠の

二人に出会うところから始まる。そして二人の会話の中で他の八葉の面々の話が出て来

る。幸鷹は忙しく数日来れない、イサトは寺院の手伝いで東寺へ行く、勝真は陰陽師で

なければ片付かないことがあるため泰継に会いに安倍の屋敷へ、泰継は陰陽頭を助ける

ため安倍の屋敷で儀式をしている、彰紋は政務が続いている…と残りの5人が来られな

い理由が次々と述べられて行く。

 

――えっ? 5人…一人足りないではないか? 誰だ? 青龍はいるし、朱雀もいるし…

  そうか! 翡翠が出て来ないのだ! この時点では翡翠はもう伊予に帰っていると

  いうことなのだろうか? それとも単に入れ忘れただけかも知れぬな。

 

そして、これから気晴らしに神子殿の思い出の土地をめぐると頼忠が言い、泉水も同行

することになり、次の土地へと向かう。

 

次の場面は宇治橋。ここは今回のプレミアムツアー3で最初に訪れた土地。頼忠が

「ここで召し上がった昼食はいかがでした?」

と聞いたので、神子たちからまた声が上がる。どうやらこのライブドラマでは、今回の

ツアーで訪れた神子たちの思い出の土地を巡って行くらしい。なかなか粋な演出ではな

いか!

ここで神子は今度は私たちも(ここでの昼食を)ご一緒したいと泉水に言われ、恐縮す

る頼忠も一緒に来ようと誘い、次の約束を取り付ける。

阿弥陀堂の方へ向かおうとした一行は橋を渡った先の木の下に地に伏しながら、羽を動

かして飛ぼうとしている一羽の鳥を発見する。どうやらその鳥は何かに驚いて飛び方を

忘れてしまったらしい。神子が飛べるようになるまでこの鳥の面倒を見ると言い出し、

一緒に連れて行くことに。布にくるんで頼忠が持つと言うが、神子が「私が抱いて行き

たい。」と言い出し、暴れて危ないという頼忠を説得し、鳥を受け取る。すると、今ま

で大暴れしていた鳥が途端におとなしくなった。

なぜ頼忠が抱いている時はあれほど暴れたのか…泉水が言うには「頼忠は大柄だから、

鳥には怖く映ったのかも」と。

 

――泉水、それはないのではないか? あとでいくらフォローしても、頼忠が傷ついて

  いるぞ。

 

そして、一行は鳥を抱いていては阿弥陀堂には入れないということで次の土地へと向か

う。

 

次の目的地は随心院。我が神子が例の怪我を負ったある意味思い出深い場所だ。

梅の話が出て、3月末が見ごろだと。今回の設定は雪が降っているころ…というものな

ので、大分先という前提で話が進んでいるのだ。物知りの泉水がここの紅梅は薄紅色の

異名である「はねず」と呼ばれるとも説明してくれた。鳥がいるので本堂へは行けない

ということで、まだ見ぬ梅に思いをはせながら散策することに。

散策する間、鳥を預かって待っていると頼忠が申し出て神子から受け取ろうとするとま

た鳥が暴れた。くちばしで手の甲をつつかれ、爪にひっかかれ、血まで出たと…すごい

状況に。神子がハンカチを出して頼忠の手にまこうとしたが、鳥を抱いているので、か

わって泉水が手当てをした。神子の手の中に戻った鳥はまたおとなしくなったらしい。

 

――それにしてもつぐっち、なぜ頼忠はこうまで鳥に疎まれているのだ?

――やはり大柄で怖いからなのだろうか…いや、それよりも鳥も神子に抱かれている方

  がきっと心地よいのだ。

――そうかも知れぬな。単にそれだけの理由なのだろう。

 

今度は泉水が自分が抱いても暴れるのだろうかと好奇心を持ち始めた。きっと神子なら

大丈夫、頼忠はダメと言うことなら、自分なら大丈夫じゃないかという心があったのだ

ろう。しかし、頼忠に制されると…「私のようなものに触られるのは、鳥もいやがるで

しょう」ととても後ろ向きな発言を…。

 

――つぐっち、あの者は確か“泉水”であったな。

――確かそのはずだが…

――私は一瞬“永泉”かと思ったぞ。

――・・・・・

 

次の訪問場所は…将軍塚へ行こうかと思ったが、時間がかかるとのことで、結局は景色

もよく、鳥も多い逢坂山へ向かうことに。

 

最後の訪問地は逢坂山。泉水が「鳥のさえずりが聞こえるような気がする」と言い出し、

この鳥と同種のものかどうか訪ねる泉水に頼忠がよくわからないからと謝り、またそれ

を受けて泉水が謝り…と二人が何度も謝り合っていると、「二人とも謝り合戦してる」

と神子が楽しげに笑い出した。その神子の“笑顔”でまた幸せな気分になる頼忠と泉水

の二人。

二人の言葉を聞いて顔を赤らめた神子に鳥が重いからだろうと思った頼忠が怪我をして

もいいからと鳥を受け取ろうとすると、急に鳥が羽ばたき始めた。そして、神子がまっ

すぐ手を伸ばして鳥を放すと空へと飛び立って行った。鳥は一度高く舞い上がった後、

神子にお礼を言うようにまた降りて来て神子の腕に止まってやさしくさえずった。

そしてまた、仲間の呼ぶようなさえずりを聞き、再び大空へ。

その様子を見て、泉水が「私たち八葉に似ている。」と言い、京を二分する争いの中で

神子が大切なことを教えてくれたので、京のために力を合わせることができるように

なったと。そして、頼忠と泉水の二人がこれから私たち八葉が神子の力となれるよう努

力する、あなたをお守りすると誓い、美しい夕焼けの下を家路につく…

というところで“The End”となる。

 

――ああ、頼忠最後の「足元にお気をつけて」という言葉をもっと早くに我が神子に

  言ってほしかったぞ…

――だが、いい話であった。次の回には我らもぜひ出演したいものだ…

  (そうして!そうして!泰明さん、泰継さん!!)

 

ドラマが終わっても、神子たちはしばし余韻に浸る…

 

 

 

運命の『ゲーム大会U』

 

このゲームでの賞品は…

今演ったばかりのライブドラマの頼忠&泉水二人のサイン入りのアフレコ台本が5名、

そしてサイン入りのPS2のポスターが15名。

 

我が神子はこれを聞いた時から「絶対あのアフレコ台本欲しい!!」と強く心で願って

いたようだ。

 

「あのドラマの後にやるのはすごい緊張するんだよ〜」

「長編だもん。」

「何のトラブルもなく、アドリブとかも入れてないし…」

「友雅殿、〜殿とか言えないんだよね。」などと少し話をした後、

「これで大分くずれたかな? それでは、ゲームクイズコーナー!」

とゲームのコーナーが始まった。

 

ゲームの進め方は二人がクイズを出して、それに神子たちが○×で答えるというもの。

正しいと思えば○、違う…NO!…Nothing!だったら×を出すとのこと。

まず神子たち全員が立ち上がり、勝ち残った神子はそのまま立ち、間違えた神子は座る

という進め方。まっ、ここらへんはいつもと同じだな。

 

まず第1問!保志泉水からの出題

「駅で(だったよね…)うなぎ弁当を見て、買ったか?」というもの。前日のフェスタ

で宮田詩紋が昼、夜の2回にかけて“うなぎ”の話題を出題したので、これには多くの

神子たちがとても迷っていた。どう計算すればよいのか…。

我が神子は勢いよく頭の上で手を交差させ、“×”を宣言!

答えは「×」。うなぎ弁当は買わなかったそうだ。

よしよし、まずは第1問勝ち残ったな神子。

 

第2問は三木頼忠からの出題

「今日着ているこの(青い龍虎柄の)上着は東京で買って来た!」というもの。

我が神子の答えは“×”。

答えは「×」。京都で買ったそうだ。

よし、ここまではいつものパターンだな。問題はこの次だ。

 

第3問はまた保志泉水からの出題

「この前、アフレコをしたんだけど、その時、靴下に穴が空いたか?」というもの。さ

らにヒントとして「僕はよく靴下に穴が空くんだよ。」と言っていた。これがひっかけ

なのか、それとも本当のことなのか…読みが難しいところだ。空いたと思う人が○、空

いてないと思う人が×を出すということになった。

我が神子の答えは“○”。

答えは「○」。穴が空いたそうだ。

ここまで勝ち残り、立っている神子たちの数も大分減って来た。

我が神子は緊張の面持ちで次のクイズに臨む。頑張れ、神子!

 

第4問…これがラストとなったのだが、また三木頼忠からの出題

「靴を右から履いたか、左から履いたか」というもの。確か右からだと思う人が○、左

からだと思う人が×…だったと思う。このへんに来ると神子の記憶がもう興奮で定かで

はないので、多少あやしいが…。

この問いに関しては我が神子は確信していた。この質問の前から我が神子は三木頼忠が

左足から出す癖(?)がやけに目についていたそうだ。何故か一歩を踏み出す時も支え

る時も三木頼忠は左足を出していたのだ。だから、我が神子は迷わず“×”を出した。

そして、その答えは予想通り「×」。左足から履いたとのこと。

この問いでは多くの神子が“右”と答えたので、残り人数が一気に少なくなった。

 

この問いが終わって、係の人が立っている人数を数えると過不足なくジャスト20人!

「では、立っている人は前へ来てください。」

そう言われて、我が神子は喜び勇んでステージ前に行く。これで賞品をもらえるのは確

実になった。それだけでももう有頂天である。

 

台本が当たるか、ポスターが当たるかは三木頼忠が持っている封筒を一つ引いてその中

味で決まる。右端から何人かの神子が封筒を引いた後、保志泉水が封筒を半分取りに来

て、半分より左側の人は保志泉水の手より封筒くじを引くことになった。

我が神子は右寄りにいたので、三木頼忠の手からくじを引くことになった。神子が引い

た時は残りの封筒は5つ。真ん中の部分を途中でごっそり保志泉水が持って行ったので、

差し出された封筒は向かって右側に3通、左側に2通と分かれていた。左側から2番目

の封筒を引いてほしいような頼忠の気を感じたのだが、それよりも右側から3番目の封

筒に自分を呼んでいる非常に強い気を感じ、我が神子は迷わず右側から3番目の封筒を

手に取った。

 

そして、運命の開封…

 

折りたたんでいた紙を開いた我が神子から思わず

「わぁ〜っ!!!」

という声が上がる。それには『アフレコ台本』としっかりと書いてあった。

(それには『ライブドラマ』と書いてあったのかな? 『サイン入り』とも書いてあっ

 たのかな? もう喜びで実際にどう書いてあったか記憶にないのです〜。

 だから、違っていたらごめんなさ〜い)

 

右半分は三木頼忠が直接賞品を渡した。右側の神子から賞品名が書かれている紙を渡し

て、一人一人直接三木頼忠がそれぞれ該当する賞品を渡して握手をする。

いよいよ我が神子の番になった。

「アフレコ台本です!」

我が神子は紙を渡しながら元気な声で言った。三木頼忠は台本の入った封筒を渡した後、

握手をしながら

「みんなで演ってみてね」(だったと思うが、細かいところは定かではない。)

とお言葉をくださった。確か我が神子は

「はい。みんなで演ります!!」

と答えたと思う。

 

 

そして、全員が賞品を受け取った後、喜び勇んで自分の席に戻った。

席に戻った我が神子はもう神子ミズキと一緒にキャーッキャーッと大騒ぎ!

それまでの我が神子があまりにも悲惨過ぎたためにその喜びようと言ったらきっと常軌

を逸していたに違いない。周りの神子たちがその喜びように胡散臭い目で見ていたよう

な気がするので…

 

賞品を受け取ったすべての神子が席に戻ると、エンディングトークへと移った。

 

 

 

エンディング・トーク

 

最後は『遙か2』について何か語ってからしめくくるというもの。

「こっちに来て」という呼び掛けに頼忠の方へ近寄る泉水に「じゃなくて、前の方へ」

と促す。本当に最後まで楽しませてくれる、この二人は。

保志泉水の言葉。

「(『遙か2』は)今はゲームONLY。“1”の方でOVAをやり始めたけど、先週

 末にアフレコをして来た。“2”はいつCDドラマ出るんだろうね。自分で永泉と泉

 水は若干演じ方が違っている。泉水は大人になってそれほどいじけてない。でも…先

 ほどのライブドラマ…泉水だったでしょ? 永泉じゃなかったでしょ? そのへんに

 もっと育てたいという…やはり泉水だろ?」

確かに少し永泉の後ろ向きが入っていたような…客席がわく。

そして保志泉水は続ける。

「“1”の方は展開が広がっているけど、“2”の方はどう展開するか…。」

そこでまた話題を変えた。

「永泉も泉水も頼久・頼忠にかしずかれるところがいい。」

と言っていた。そして、

「こういうイベントに参加したことがないので、貴重な体験になる。三木さんは(すで

 に)参加しているけど、フェスタシリーズ、そっちの方にはお邪魔したいなと思って

 いる。また、皆さんの前に現れて、ライブドラマ…ライブやるかどうか分からないけ

 ど…やるかな? 今日は楽しい♪」

そう言うと三木頼忠が「すばらっしい〜」と声を掛けた。

「今の話、まとまるかなと思っちゃった。」と保志泉水が言った。

三木頼忠の言葉。

「こういうことができた。今までにないこと。こういったイベントに関わったことがよ

 かった。頼忠、頼久。皆さま方ファンに一番に支えられて、応援あってのもの。

 “2”の方もこれから展開して行くと思う。そして、“2”の方も“1”があったか

 らこそ“2”がある。“1”も“2”も両方大事! 今回ツアーは初参加だが、

 ツアー・イベントとも長いつきあいになるようにしたい。」

そのようにしめくくった。

 

そして、上田さんが「今までの中で一番大きな拍手でお二人をお送りください!」

言って、三木頼忠と保志泉水は神子様方の盛大な拍手に送られてステージを後にした。

夢のプレミアムナイトの第1部ライブ編はこれで終了。

 

我が神子とご友人神子はまだ夢の中。我が神子は台本の入ったA4サイズの大きな封筒

を胸にしっかりと抱いたまま、食事の会場へと向かった…

 

それにしても泉水よ、“漫才楽”の笛の方はさっぱりだったのに、いつ“二人漫才”を

覚えたのだ? なかなか楽しませてもらったぞ、ふふふ。      《つぐっち談》

 

[あとがき]

みなさん、ものすっご〜くお待たせいたしました!

私が風邪をこじらせてしまったために前回のUPからすでに一週間以上…

楽しみに待っていてくれた皆さん、本当にごめんなさい!

前回のプレミアムツアー1の時は本当に記憶だけをたどってツアレポを書い

たのですが、今回はツアー・レポートを書くことを前提に実はメモを取りな

がら聞いていたのです。ですが、目は舞台のお二人を見たまま一切手元を見

ずに書いたので、後で見たら「何じゃこりゃ?」というぐらい判読不可能な

文字が並んでいて…。いつもならメモリー涙ちゃんはこういうメモに自分の

記憶を足して書くのですが…本当にゴメンナサイ! 前半はしっかり頭に刻

みつけながら聞いていたはずが、この時ばかりはあまりの嬉しさに本当にそ

の時の記憶がすべて一瞬にして飛んでしまったのです!! 本当にこういう

ことってあるのですね。

でも、“アフレコ台本”GET、この出来事で、出発前のトラブルも随心院

での怪我もカメラを忘れたこともすべての災いがふっとんで行きました。

そして今までにない幸せな気分に…そしてこの後もささやかな幸せがいくつ

か続くのです。そちらは本当にささやかですが、私にとっては幸せと感じる

こと。それはまた後のレポートで少しずつ。

それからライブドラマの部分は著作権問題がありますので、台本通りのセリ

フはあえて上げませんでした。どうぞご了承ください。

        

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