お待ちしておりました、神子殿。
杜若の襲が良くお似合いです。
女性のために重ねを選ぶなど初めての事なので、内心不安だったのですよ。
あ、神子殿・・・動かないで下さい。
挂に蛍が・・・
このように小さき虫も貴女を慕って飛んでくるのですね。
蛍はただ一夜限りの恋に身を燃やし、こうして光るとか。
以前までの私だったら一笑に付していたかもしれません。
儚げな光の意味する所を知らなかった私でしたから。
ですが、今なら・・・・
貴女という美しい光に包まれている幸福を得た今ならば
分かるような気がします。
貴女は蛍の如く儚い光ではないけれど、消えてしまわぬよう
私が大切にお守り致します。愛しい神子殿。