それと同じくらい真っ白な羽根の天使が

1人地上に降り立った。

「僕は天使でいるのに疲れたんだ」

引き止める空に別れを告げて

地面にしっかり足をつけ

前を向いて歩き出す。

「可笑しいかい？僕は人間になるんだよ」

消えてゆく翼を撫でてやりながら

囁いた声はやがて雪に混じり溶けた。

「さよなら。今までありがとう」

雪がゆっくり降り積もる。

天使の降りた欠片も残さず

全てを白く覆い尽くして、

ただしんしんと雪は降り続く。

こういうＣＭがあったような、なかったような。