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「アポロンの棘」

天の頂に燃える大車輪が

ぐるぐると炎を噴き上げて

轟かせる

夏の盛り

地表に降り注ぐ

灼熱の不可視光線

飽和する熱量と

沈黙する水の深淵

 

年々暑くなりますね。

 

「夏一日」

伸びあがる入道雲の彼方

青い空が逃げてゆく

ジージーと鳴く

蝉の声が耳に張り付き

気づけば夏は盛り

満開に咲いた百日紅が

紅白の花を風に飛ばす

 

 
もうすぐ夕立が来そうです。

 

「雨花」

窓ガラスに張り付いた

1枚の薔薇の花びら

冷たい雫に

しとしと打たれて

静かに漂わす

想いの残り香

忘れえぬ君へ

置き忘れた心は

滲む水の底

深く沈む

 

 
メルマガNo.67 雨を見ながらぼんやりと。

 

「夏は過ぎ」

セミの声が

窓の外に響いてる

かけ足する

見知らぬ子ども

そんなに急いで

通り過ぎないで

祈るように呟く

遠い夏

白い太陽がみせた

夏の端の夢

 

メルマガNo.67 急かずとも良いのに。

 

「夏休み」

空の上の太陽が

ぎらぎらした夏を囁き

大きく弧を描く

肩に背負った

ビニルの水泳バック

小さな君は

その引力に負けて

コツンと転んだ

夏の昼下がり

 

 
メルマガNo.61 重力は強かった。

 

「夏季休暇」

休暇中の校舎前

迎えを待つ

坊主頭が2つ

じりじりと焼ける

背中には汗の粒

2人だけ残った

アスファルトの駐車場

お互い口はきかず

沈黙の隣

大きく咲いていた

花の名は槿

 

 
たまにはケンカもする。

 

「影送り」

正午の太陽は

天高く昇り

いつからか

夏は西へ傾いた

長くなる

黒い影法師

白い残像が

青の空(くう)に瞬く

 

影送りってやったことある?

 

「通過点」

遠くに木魂する

誰かの呼ぶ声

微かに香る水の匂い

瞼の裏には

ちらちらと瞬く緑色

柔らかな子守唄は

水と緑に縁どられ

懐かしい記憶の残滓が

僕の身体を通り過ぎる

 

 
もはや夏とグリーンスリーブスは切っても切れない。

 

「氷雨」

透明な雫が

空から降る

頬にあたった

小さな塊

真夏の光りに透けて

きららと溶けた

 

あぁ、氷が恋しい。

 

「夏隠れ」

枯葉色の風が

白い雲を吹き飛ばし

朝方に咲く

花々は眠りの午睡

ぷくぷくと

夢の泡が空に舞い

その何処かに

夏を隠して

 

今年も夏が終わります。

 

「夏浴」

水に潜る

ざわりと囁く

玻璃の境界を透過して

菊水に咲く

気泡の粒を口に含む

喉の奥

微かに薫る

ナトリウムの記憶

 

海の水は塩からいです。

 

「七の呟き」

日の落ちる朱夏に

藍色の夜を流し込んで

小さな目印を1つ

天の片隅に燈しましょう

貴方が迷わないよう

静かに瞬く星明り

「お帰りなさい」

本当は言いたかった

言葉の代わりに

 

7月7日。思わず空を見る。

 

「氷すぺしゃる」

しゃりしゃり降る

氷の欠片

きらきらする

極点の空

世界で1番大きな氷で作る

地球サイズのかき氷

 

如月司さんへの暑中見舞いお礼。

 

「サザンクロス」

南の星を

地上に咲かせた

仄紅い花が

枝の先

貴方の上に

花が降る

貴方の上に

星が降る

 

メルマガNo.52 南の空を想う

 

「露草」

空の青を

濃縮還元して

閉じ込めた

地球の欠片

 

 
メルマガNo.46 道端に花が咲いてました。

 

「神鳴」

空に走る稲妻

青を裂く轟音

大気の震えは

地表まで達し

硝子の檻の内側

机に向う

私の鼓膜を揺らす

 

雷が鳴ってるなぁ

 

「氷夏」

きらゝ降る

夏夜の花火

仄蒼い氷の欠片が

空から落ちて

真夜中の街を

静かに埋め尽くす

 

景気好くドカンと…。

 

「迎え盆」

お帰りなさい

伝える声は

雨に霞んで

生温い夏の午後

赤いほうずきの実が

軒先で廻る

 

ホウズキ、あまり見かけなくなりました

 

「GREEN CAGE」

さらさらと鳴る

桜の葉音

時を数える

緑の揺らめき

春は散り落ち

夏も過ぎ行く

移ろい去りし季節の中で

今も僕だけが

ここに縛られる

 

BGMはもちろん「グリーン スリーブス」です

 

「熱帯魚」

乱反射するプリズムに

虹色の瞬きを灯して

硝子の檻に囲われたまま

ほろほろ歌う

泡の歌

遥かなる

南の海は夢に遠く

 

帰りたい?そう思うのは人間だけ?

 

「窓辺で」

窓を打つ雨音

その向こう側に

轟く波の音を聴く

飛沫をあげる

海の幻影を視る

 

日常生活中にこんな幻を見る

 

「紫陽花 -shiyouka-」

梅雨前線急接近

ぱらぱら葉を打つ

歓喜の合唱

紫の濃淡が世界を埋める

紅紫から紫紺色

紫傾斜の大音響

雨に沈む6月の窓辺

 

紫陽花の正しい読み方は「あじさい」です

 

「嵐未満」

雲に透ける

青い空

高くに広がる

太陽の光り

風に流されてゆく

重たい雨雲

彼方は今も光り満ち

地上の荒廃さえ届かず

いつ、いつまでも大気は青く

 

メルマガNo.24掲載。この所、前に使った題が続く

 

「海」

指先を

碧色の水に浸す

手の中から

逃れゆく逃げ水

重い力に引き寄せられて

ふわふわとした波間

白い気体が

空に弾けて

思い出す優しい言の葉

 

メルマガNo.23掲載。晴れた日の海は優しい。

 

「夏の蜃気楼」

太陽が空から降る

蜃気楼に似た

昼日向の白昼夢

教室の時計は午後2時

南中した太陽は光源

首筋を焼く陽射しを

睨み返して

やってくる僕らの夏を待つ

 

メルマガNo.21掲載。夏って力強い。

 

「半夏生」

それは何処かで生まれた

混沌と光

炎と熱気

眩しい何かに惹かれて

つかれたように境界を目指す

流れ込む気体は

透明で生温く

じっとりとした水の気配に

目を細めながら

それは半分だけ

産声を世界に響かせる

 

「夏」が生まれてくるってこんな感じでしょうか?

 

「透明な雪」

透き通る空の果て

透明な硝子のように

はりはりと

夏の雪が降る

 

メルマガNo.2掲載作品の改定。

 

「午睡」

昼下がりの教室で

先生の声が遠く

教科書の白と蝉の子守唄

目を閉じると

海を泳ぐ

泡色の雪うさぎ

 

メルマガNo.1掲載。補習の教室にて。

 

「あしあと」

遊ぶ水の声に震えて

泳ぐ水面にくちづけた

眩しく煌く

水天

緩やかに孤を描く

夏の軌跡

 

水につかっているのが好き

 

「Photography」

空に向かって

伸びあがる夏の花

蒼と黄色が

瞼の底に焼き付く

 

ヒマワリが咲いています!

 

「遠い花」

地球の起床に付き合って

レム睡眠はフリーズ

視界に咲いた別世界

ゆっくり微笑む

化石花

窓の外で呼んでいる

薄桃した流れ水

 

古代蓮の咲く時間は早い〜。

 

「線香花火」

弾けた火花

ぽろぽろぽろ

ぼんやり残った

赤く熟れた

熱の塊

 

線香花火もいいが、ナイアガラやかぶろも好き

 

「海」

聞こえないはずの

波の音が

耳の遠くから

届き続ける

教室の隅まで

 

補習中の教室で、よく「海に行きたい」と思った

 

    bure
   魚は空を飛び
  鳥は水中を泳ぐ
            さあお
   地球は真青
見渡す限りの青の世界

 

去年の詩を発掘した。ルビって上手くふれない

 

「睡夢」

紫に染まった雲

紫に咲き誇る大地

水の辺を満たした

静かなる芳香

現に疲れた僕は

香りに手を引かれて

眠りの大海原

黒い瞳は閉じられて

静かな寝息の音

 

ラヴェンダー畑の中で

 

「7月7日雨」

空に零れた

星屑の波間

漂う君は遠い空

逢いたい僕は

地上の寝間で

虫の声だけ傍らに

 

ウソです。今年は晴れました(笑)

 

「正午の午睡」

翔けあがる夏の体内音

干からびた咽に流れこむ

トオメイな花

満たされた深層水

冷たい海の底

目を閉じてまどろむ

 

暑くって、だるくって。溶ける様に海の中で眠りたい。

 

「夜風の囁き」

眠れない夜更けに

柔らかな風を千切って

朧な月の下

三月うさぎのお茶会

帽子屋がくれた紅茶は

琥珀の水の底に

消えて行くチェシャネコ

笑う声だけが

夢の淵

 

「夏は夜!」 枕の草子より

 

「花星天」

空の蒼は皐月色

水に溶いた紫

静かに深呼吸する若葉

ぱらぱらと舞う

夢幻数の花星

 

ライラックの花をイメージ。初夏の花だな(もう真夏日)

 

「梅雨円舞曲」

白銀の雨が

霞みの如く降り続き

揺れる紫陽花

鈍足の蝸牛

雨蛙は水田の中

ふわふわふわ

大きく開く傘の花

 

ところで梅雨は夏なのか?

 

「地上の彦星」

天から落っこちた僕は

純白の翼を

羽毛布団に変えながら

飛行訓練

見かねた3月うさぎが

空飛ぶ自転車をくれた

ある夏の日

 

まだまだ七夕には早すぎた。

 

「summer snow」

新緑の葉と白い花弁

初夏の陽射の中

風に揺れた

小さな花達は

夏を歌って散り落ちた

その名の通り

溶けて消える夏の雪

空気に透けて

大気に滲んで

そして夏の空へ

 

サマー・スノーはバラの名前。小さい白いバラ

 

「夏を呼ぶ」

入道雲と遠雷

大きなひまわり

海と線香花火

夕立の雨の匂い

扇風機の風と風鈴

君と過ごした夏の記憶

君と過ごす夏の記憶

あの暑さと眩暈と気だるさを

僕等は何度も繰り返す

 

まだまだ夏は遠い先なのですが。最近、夏が恋しい

 

「深山幽谷」

深山幽谷に迷い込みて

水密の香りと冷酒を楽しむ

甘き香りが鼻腔を塞ぎ

杯は溢れんばかりに満たされる

爪弾かれる琴の音は

華吹雪と共に風に飛び

魚と共に水下を泳ぐ

何処まで流れ行くのか

 

ちょっと漢詩っぽいものを目指してみた。

 

『夏の断片』

青い空に広がる

白い入道雲

耳に残る蝉の声

リボンのついた麦藁帽子

虫篭と虫取り網

駆けて行く子供の背中

帰ることのない最後の夏休み

 

大人が望む永遠の夏のイメージですよね。

 

「食」

金の月は眠りの海へ

全天は宵闇の中

瞬く無数の星々

天を満たす淡き白光群

300年に1度の宙の大祭

 

20世紀最後の皆既月食。夏は月とはよく言ったもの。

 

「かき氷」

氷の上にかけられた

真っ赤なシロップは

仄かな苺の味がした

 

かき氷、フラッペ、赤いイチゴが懐かしい

 

「夏祭り」

夜の藍の中に

極彩色の灯かり

祭囃子は騒がしく

浴衣の少女たちが駆けていく

通り過ぎる下駄の音

灯りの下にある非日常

浮かれた空気に酔っ払う

 

お祭りの高揚した気分は好き

 

『光』

閃光は全ての物体を飲み込んだ

後には無だけが残された

 

夏の光りは何もかもを焼き尽くしてしまいそう

 

「七月七日」

月の船に乗って

あの人に会いに行きたいのに

舟守はいじわるで

舟には乗れない

鵲よ鵲よ

どうか私をあの人のもとへ

 

1年に1度会える恋人同士は幸せか不幸か?

 

「天の川」

きらきらと光る

星の川

今夜は水かさが多くて

君と一緒に流されようか

 

天の川が氾濫したら星が空へこぼれるのでしょうね。

 

「短冊」

七夕の晩に

短冊に書いた願いは

誰にも秘密

教えてあげない

 

願い事、何か書いたのですか?

 

「花言葉」

『移り気』と呼ばないで下さい

一つの物しか愛せない人よ

私には大事な物がたくさんあるのです

 

ちょっとイヤな花言葉ですよね。

 

「ajisai」

水溜りに薄紫の花が映る

空には灰ねずの雲

雨はやまない

誰も来ない

紫陽花よ

お前は何を思って天を見る

 

紫陽花の花は雨に顔を向けて・・・。

 

「風の通り道」

風が通り過ぎていく

金色の海を揺らして

青い空を翔けていく

ナニヲミルノカ

ナニヲツタエルノカ

ドコヘユクノカ

 

風は何処から何処へ向かうのかなぁ。

 

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