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「秋天」

突き抜けるような

透明な青い空

ふわりふわりと浮かぶ

白いちぎれ雲

手を伸ばせば

いつか届くと思っていた

ずっと疑うことなく

そうできると信じてた

 

秋の空は好きですが、ちょっともの哀しい。

 

「black magic」

木枯らしの冷たさは

乾いた大樹を揺らし

頭上から降る落ち葉に

歓声をあげて逃げまわる君

触れたらお終いだよ

真っ黒な羽の鳥が

クスクスと笑い

暮れてゆく空は

朱と藍の重ね模様

 

ハロウィンも定着しましたね。

 

「十三夜」

月に被る

鉄色の雲

藍を深くした

闇色の空

黒い翼の天使が

天の淵

見下ろす世界は

刻満る十三夜

 

十三夜も見事なもの。

 

  「ダーク・グリーン
           
-グロリオサ-

秋の終り

空に透ける風を

狐姫が駆けていく

ケンと鳴く

高らかな声を白雲に

紅く燃える狐火が

雪に姿を隠すまで

 

「植物の夢」シリーズ。別名は狐百合。

 

 「ダーク・グリーン
          
-金魚草-

空を泳ぐ夢をみた

色とりどりの

小さなひれを

冷えていく

秋の風になびかせ

緑の茎から解き放たれる

幸せな植物の夢

 

「植物の夢」シリーズ。タイトルは某SF漫画より

 

「サボテンの花」

窓際に咲いた

黄色い1輪

銀の針に包まれた

触れる者ない

孤高の愚者

 

サボテンの花って可愛いですよ

 

「真夏の夜の夢」

虹色の万華鏡に

銀の粉を降りかけて

雪白の蝶が夜の杜

月の咲き誇る

待つ宵草の晩

 

月夜というのが何となく秋っぽい

 

「椛 -momijiー」

水面に浮いた

無限の紅の葉

ざわざわ鳴る

風の音に誘われて

揺らめくビジョン

秋を呑み込む

赤の群像

 

紅葉、椛、もみじ…。

 

「聖地」

北の十字が西に落ち

空に昇る天馬の嘶き

私を何処かへ

連れていってくれますか?

真夜中の空に問いかける

答えのない星の音

本当は知っている

私はここにしか生きられないことを

 

メルマガNo.30に掲載。1行の文字数が多い(少し不本意)

 

「香音の森」

透明な光りの辺

高い空に広がる

大きな枝葉達

笑いながら

これまで来た道を

振り返る

頭上に降り注ぐ

金色の花々

世界は柔らかな

香りの音に包まれて

 

メルマガNo.29に掲載。秋の匂い「金木犀」

 

「秋色画廊」

早くなる日暮れ

色を変える樹木

高くなる空

硝子玉の瞳に映る景色は

定められた移ろいの中

今しかない絵画を

世界に描いてく

 

メルマガNo.28に掲載。日本の四季って絵になる。

 

「夕焼け」

どんぶらこっこ

夕日が沈む

どんぶらこっこ

赤い実、沈む

紅掛空の雲海の水に

どんぶらこっこと

日が暮れていく

 

メルマガNo.27に掲載。空を海に見たてて。

 

「風車」

朱い風車が

幾つも 幾つも

くるくる廻る

秋風の渦

風の音楽に揺られて

遠くの空を眺めて

 

「風車」て名前の菊もあります。

 

「枯葉乱舞」

どこまでも降りしきる

黄金の雨に打たれ

濡れそぼる

空っぽになった僕の躯

探し物はどこかへ消えうせた

記憶の渦に沈んで

今はもう

すべて帰らない

 

大量の落ち葉の下に立ってたら不思議な気持ちになった

 

  「逃亡者」

紅い枯葉の降る朝に

扉を開いて出かけよう

頭上に広がる

高い空

ただ、ただ、広く青い空

車のキーを探り出し

何処までも続くこの道を

行く当ても無くひたすらに


さぁ、何処へ行こうか?

 

 

逃亡したいです。切実に…。

 

「残照」

止まらない電車の

日焼した座席には

夢の忘れ物

あの頃

僕等は確かに夢みてた

光りに包まれた

眩しい夢を抱いてた

 

メルマガNo.6に掲載。夕暮れの見せた幻

 

「消失天」

秋になると思い出す

高い霄に飛んだ紅い葉

吹き始めた木枯らし

霄に吸いこまれた君の歌声

灰色の校舎

屋上の入り口に鍵はかけられ

今も君は

思い出という鳥篭で

終わらないアリアを歌い続ける

 

メルマガNo.5に掲載。秋のアリア

 

夜天の群雲

    鼠色の夜

     藍に縁どられた金の月

 

メルマガNo.4に掲載作品を改良

 

「流星夜」

獅子吠えて

ころころ

転がる

星1つ

とろとろ

午睡の最中で

びっくり

天から

転がり落ちた

 

獅子座流星群、シーズン到来

 

「豊穣の月」

橙の果実

黄金の穂

薄紅の花々

満ちてくる

豊穣の季節に

月の恋は

静かに

実り落ちた

 

秋に訪れるのは豊穣か終幕か

 

「秋景色」

たわわな冬柿

こげ茶の木造屋敷

高い青空

何処かで見た景色

誰かが見た記憶

記憶の中で

遺伝子がみた幻

 

昔はどこにでもあった風景

 

「天馬」

空にはばたく

白い翼

天上を翔ける

光る天馬

何よりも強く

どんな時も逞しく

永遠に

輝き続ける

 

秋の夜空に広がる星座

 

「吾亦紅」

紅い綿毛

揺れる灯り

燈る標

眠り続ける

君の元へ

続く花歌

 

ぽわぽわした吾亦紅。花は平和への子守唄

 

「月齢14.9」

貴方の頬を撫でたくて

銀色の手を

精一杯伸ばす

永遠に届かない

この手を

愚かにも呪って

ただ地上に

君を見上げて

僕は月に狂う

 

月をみあげる薄は寂しげ

 

「紅迷図」

霄舞う秋は紅迷図

腕に溢れる

紅椛

霄に零れる

大銀杏

韓紅の秋の淵

細く縁どる銀の月

 

秋は赤。「椛(モミジ)」の字、紅葉を木の花、すごいです。

 

「天空の花」

優しさは全て

彼岸の彼方へ捨てた

哀しみは全て

赤い曼珠沙華に染めた

もうこの躰は空っぽ

手も足もばらばら

風に吹き飛ばされて

蒼い蒼い空の何処か

 

彼岸花は去年も使ってます。仏教で「天界の花」なのだそうです。

 

「秋」

空腹に絶えきれず

ぱくりと食べた

熟れた赤い月

以来、秋の夜長は月無し

あんまりだと嘆く

兔に向かって

説教たれた

食い意地の秋

 

冷蔵庫にプリンをしまったら、プリンの夢をみた

 

『レオニス』

響く咆哮

百獣の王の舞

細い下弦の月の下

流れ流れる星の群

月明かりを外套に

銀の従者を従えて

猛る声が宙を揺らす

 

秋の夜の祭典、獅子座流星群。

 

『大銀杏』

記憶果てる程の遠い時間

原子は崩れ去ることもなく

その幹を形作って

人の起源も

人の行く先も

枯葉舞に覆い尽くした

金の雨に混じって

時の鐘が鳴り響く

 

樹木は人間より遥かに長生きですね。

 

『石榴』

春の消えた庭園に

紅く光る果実が実る

枯れた噴水

壊れたブランコ

何処かへ消えた生き物達

入り口に実った

赤い宝石が手招きする

口にすれば

ほら・・・

聞こえてくる

冥府の王の呼び声

 

ペルセフォネのギリシャ神話に登場する石榴です。

 

『神無月夜更け』

秋の夜長

古書の匂い

朧なランプの灯火片手に

色あせた紙をめくる

刻まれた記録

遠い御伽噺

歴史の回廊の果て

壱人の翁がほくそえむ

 

友人の古事記論文完成祝い。

 

  『秋雨』

鉛色の曇った空

肌に触れる冷たい空気

赤い傘をさして

あなたの隣を歩いた

息がかかる近いのに

顔が見れないくらい遠いかった

あの時と同じ

雨に混じって

金木犀の香りがする

 

 

秋の代表的花「金木犀」。香りが印象的です。

 

 

「光降」

窓から落ちる

秋の光は

途方もなく明るい

その先には空の青

小さな白い雲が呼んでいる

さぁ 息を吸いこんで

秋の街へ出かけよう

 

空の青と光りが眩しい季節です。

 

「通りゃんせ」

小菊を抱いた

かむろの少女

父母に手ひかれ

七つの参り

紅葉、銀杏、朱色の鳥居

いきはよいよい

かえりはこわい

 

七五三、「とおりゃんせ」、お参り

 

「夜の香り」

月詠の君が庭に

蒼き燐光

bule dalia

夢幻に開く花なれば

その香りにて

暗き儚き夢一夜

 

カレンダーにダリアの写真があったので。

 

「higan」

秋の花は風に揺らいで

遠く遠く現世を連れ去る

聞こえてくるのは水の音

流れる水は何を誘う

此の岸辺には白曼珠沙華

彼の岸辺には赤曼珠沙華

立ち尽す

私が在るのは現世か彼岸か

 

ヒガンバナの花畑はちょっと恐いです。

 

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