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何処までも続く 金の道

手探りで進む 未知の世界

遥か先には

朧に滲む銀の標

 
紙の陸の上

太陽は南天に傾き

視界に広がる白い空

瞬く真昼の星は

黒い文字の切れ端

本の海に溺れる

文字の深海をさ迷い

暗い水底を覗く

静かに浮かんでくる泡は

渇いたインクの匂い

     
 

つれづれなるままのおと

それは世界が呟く音

世界の全ての音

今日も何処かで綴られる

幾億の言葉たちへ

窓の外

空に恋した白樺は

ただひたすらに天を目指し

叶わぬ思いに

溜め息1つ

 
 

懐かしい場所

DNAに残ってない

記憶の浅瀬に

忘却したはずの

忘れ得ない心

     

空に響く魔法の鐘

淡水彩の

柔らかな虹の端を

ぱくりと食む

今は居ない誰かの

忘れ物

忘却という

白いノート

 

きらきら光る

色とりどりの花

水面に浮かべて

月の舟を漕ぐ

 
 

カーテンを揺らす

見えない手

硝子の先に透ける光り

何処かへ続く

鈴の鳴る道

 

鏡の中に踊る人形は

硬質な微笑を浮べて

冷たい反射面から届くのは

永遠の謎ばかり

 

冷たい寝台に

身を横たえて

手繰り寄せる記憶は

静かな眠りの底

 
    (C)Studio Blue Moon
Photo by Tomoyuki.U
※1番上の月の写真のみ蒼い猫様撮影

 

2001年後半にサイト内に飾られていた詩。
装飾を目的に素材の窓に合わせて創りました。
ちなみに素材は[Studio blue moon]の物です。(写真部分については1番上の物以外は内田友幸氏の物とのこと)この次に創った「青いトリ」よりこちらのが好きでした。

 

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