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「やさしい気持ち」     

心の奥底に溜まった

言えない言葉が叫んでる

むき出しの私

ありのままの私が

大切な貴方に向けて

溢れた気持ち

傷つけてごめんね

今日1日だけでも

優しさで包むから

チュール「やさしさを考えてみる」

 

「前進」

通り雨が描いた

夏の色図

水滴に縁どられた

鮮やかな輪郭に

はめ込まれた

極彩色のピース

瞳に映る景色は

今年もまた廻り

走り続けるままに

僕は明日を追いかける

 

「サラバンド」     

熱を感じる

指先に震える

白い空気の綿

眩い光の描く

星々の船

冴える青の間に

静かな旅路を往く

魂の軌跡

ヘンデル「サラバンド」

 

「鳥篭姫」     

空っぽの鳥篭を抱いて

君は静かに微笑む

青い月が冬空に煌めく

19年ぶりの夜更け

愛しい人の思い出を

深く深く抱きしめて

幸福な君は

ただ1度だけ

美しい歌声を響かせる

谷山浩子「鳥篭姫」

 

「MARE」     

欠けた太陽が

地面に描く

正午の三日月

幾重にも重なる

祈りの合唱

真白く輝く

世界を満たして

愛を祝い続ける

彼方の歌声

志方あきこ「MARE」

 

「夏草の線路」     

茂る夏草をかき分け

錆びた線路を歩く

赤銅色のレールは

長い年月に曝され

触れると

ぼろぼろと崩れ落ち

碧の土に還った

遊佐未森「夏草の線路」

 

「crocodile」

乾いたコンクリの上

ひび割れた皮膚の底で

ギラギラとした瞳が

映しだす

緑の先に続く空の青

濁々とした

ナイルの水の流れ

細胞に残る

記憶の一つ一つが

悲鳴をあげる

ZABADAK「わにのゆめ」

 

「王国」

雪と氷に閉ざされた

灰色の王国

棺に横たわる君と

墓守の僕

2人だけが住人の

時を忘れた王国に

姿の見えない鳥が鳴き

春の訪れを

淡い水彩で彩る

谷山浩子「王国」

 

「桜雨フル」

広がった青空

薄紅の更紗

後朝の唄に似た

桜の降る音

桜が空に帰る音

私を包む

甘く優しい別れの音

 

 

「遠い音楽」

耳を澄ませば

遠い森から

見えない海から

足の下の大地から

聞こえてくる音楽

愛しく抱きしめて

そして思い知る

人は永遠に

貴方に恋してるのだと

 

「吹雪の音楽」

雪嵐の早朝

soraは白と青の斑模様

この世の不可思議は全て

祗園精舎の鐘の音と共に

窓の外に奏でられる

ブリザード・ミュージック

 

「かごめ」

白い月の光り

曝される傷だらけの手

幾重にも渦巻く薔薇

誰も居ない月光遊園地に

眠り姫は夢を綴る

仄暗い夜の底で

午睡む籠の鳥

イツイツデヤル?

 

「水緑幻想歌」

冷たい水辺に

君の夢をみる

遠く近く

揺れる幻

あふれる光り

微かな子守唄

静かな水面に

溶ける現実

 

「月の歌」

狂い咲く満月に

君がかけた

魔法の呪文

桜咲く夜

木ノ花咲夜

青い月が花開く

ここから続く

百年の満月へ

 

「思いで鳥篭」

窓に鳴る風鈴

空に満ちた火の花

手をたたいて

喜んだ君

この部屋に閉じ込めた

思い出の残骸

 

「雨の底」

夏の雲に呪文を懸けて

どしゃぶりの雨

眠らない夜に

何かが叫ぶ

私も貴方も

水に溶けて

この広い大地の底へ

 

「月見てはねる」

私はずっと空を見て

月が欲しくて飛び跳ねる

手が届くわけもないくせに

貴方が欲しくて飛びあがる

やがて私のこの足は

支える大地を振り帰り

ホントの優しさ知るだろう

君の支えに答えるだろう

 

「コクモツノアメガフル」

空はどんより雨曇り

遮光カーテンに覆われた

隠れんぼする太陽と

街に広る黒トカゲ

ぱら・ぱら・ぱら

降ってきたのは粟の骨

どしゃぶり警報

洪水勧告

ビルも道路も骨だらけ

みんな、みんな

白い粟の骨の底

 

「夏草」

草に覆われた線路を

僕等は黙って歩いた

暑い夏の日

 

『真っ暗森』

冬枯れの木立に積もる雲

笑い茸が笑う声

通りすぎていく

空飛ぶ魚の群れ

足元は硝子張りの地面

遥か地底では

地上の星座が綺羅ゝ光る

 

『月見唄』

餅をつくつく

お月見うさぎ

夜の彼方で

ぺったんぺったん

薬煎じる

お月見うさぎ

月の川原で

ごろごろごろごろ

団地の畳に

お月見うさぎ

狭い檻の中からさ

遠くの月を眺めて寝るよ

 

『宇宙かたつむり』

ズンズンズンズン行く

ナイフだってガラスだってへっちゃら

どこまでもどこまでも

道無き世界を進んでいく

僕の前には道は無いが

僕の歩いた跡には光る道がつくられる

ズンズンズンズン宇宙の果てまで

 

『しっぽ』

右へ左へ

ぐるりとまわして

床をたたいてリズム打つ

ピンと伸ばして

くりんとまるめて

毛を逆立てて太くなる

僕の顔 僕の相棒 僕のしっぽ

 

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