プリンプリン

 

 ビール製造会社がプリン体をカットしたとする商品を開発、売り出し始めている。
苦労しているのだな、と思った。付加価値を懸命に追い求めるビール製造販売会社の方々の姿が想像される。
どういうことか。
プリン体はビールに含まれているモノ(なにやら細胞の核を構成している物質らしい)で、何やら体に悪いものである(痛風の原因になる)という扱いである。もともとビールに含まれているプリン体をどのような技術でもって抽出するのかわからないが、コストアップの要因にはなろう。
ビール製造販売会社はそれぞれ何種類もビールの銘柄を持っている。それらには当然の如くプリン体が存在していよう。ビール製造販売会社はプリン体カット商品をアピールすればするほど既存の銘柄を傷つけることになるのではないか。
そういう風に考えた訳である。
 実際私など、ほぼ毎日ビールを飲んでいるのでプリン体だらけということになるはずだが今までそんなことを考えたことも無かった。ビール会社がプリン体カットの新商品を出したりしなければ、私は気にせず(今もそんなに気にしちゃいないが)ビールをガンガン飲んでいたはずである。ま、結局飲むのだが。
 ビール製造会社はそういったリスク(わざわざプリン体の存在をアピール)を覚悟の上でもプリン体カット商品を出さざるを得なかったのだ。無視できぬほどプリン体に対する認識が広まったと判断したのか。

と、ここで今画面の前でこの文章を読んで下さっているあなたの心を読ませて頂くことにしよう。

 

今、ドイツ人のことを考えただろう。

 

よし、思い立ったがGoogle検索。「ドイツ人」、「プリン体」っと。

安土桃山時代に日本を訪れたポルトガル人宣教師のルイスさんという人がいて、その人は日本人には痛風がないと記録したのだそうだ。明治のはじめにもドイツ人医師のベルツさんが「日本には痛風がいない」と記録したのだという。

なるほど。こういう具合にヒットしましたか。昔の日本人には痛風がいなかったと。そりゃビール飲んで無かっただろうしね。

しかし、色々見てみるとなるほどやはりビールだけが悪い訳ではなさそうだ。先に「4k11:数字を疑う」を読めという話である。プリン体という目に見えない物質と誤解を生みやすい表現に騙されてはいかんぞ、自分。

 要するにプリン体はビールばかりが悪い訳にあらず、肉やらにも多く含まれているのだ。

参考にしたサイトでは、

プリン体の多い食品:
するめ、エビ、肝臓、にぼし、いわし、大豆、かつお節、あじ干物、干し椎茸、肉のスープ。

プリン体の少ない食品:
 穀類、パン、いも類、牛乳、チーズ、かまぼこ、鶏卵、かずのこ、ちくわ、野菜類、豆腐。

 むう、結局遠回しに酒を飲むなと言われている様な気がしてきたのであった。でも湯豆腐食べながらビールなら良いということか。ならオッケー。何がオッケーだ。

プリン体は血液中の尿酸値を高くする。血液中の尿酸濃度が高くなり、高尿酸血症になると腎臓やらに結晶が沈着し、痛風と呼ばれる状態になるという。
通常なら尿酸は体外に排出されるので許容値内のプリン体摂取は問題にならないはずだ。

 そうとわかればこっちのものである。ビールの分だけ枠を取っておけばよいのだ。オッケー豆腐。オッケー鶏卵。
 ん?大豆には多く含まれているのに豆腐には少ないだと?大豆-豆腐=オカラという式が成り立つのならオカラにはプリン体が多いということになる。むう。はっきりさせてくれ。豆乳はどうなのだ。これも教えてくれ。

結局ドイツ人とプリン体の関係はよくわからなかった。肉食べてるから痛風多いかも知れない。
ああ。すき焼き食べたくなってきた。なんてったって卵はオッケーですからな。

ビールは飲むかって?そりゃ飲みますとも。


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