4k38:小さな侵略者

 

 見えない敵(場合によっては見えるようだが)、花粉との戦いが始まりつつあるようだ。私は花粉症ではないが、隣の席にいるST君は既に花粉の攻撃を受け始めているようだ。くしゃみが出たりしているのだという。なんだか目鼻が赤いぞ。
 通勤電車の中でもマスクをした人を見かけるし(風邪かも)、目薬をさしている人も見かける(コンタクトが乾いているのかも)ので、敏感な人は対策を開始していることが伺える。
 昨年花粉症関連のネタを数回にわたって扱ってきた私であるが、花粉症である方の本当の苦労を知らない。そりゃそうだ。花粉症でないのだから。が、しかし何時私が発症しないとも限らない。今年がXイヤーかもしれぬ。その時のために心構えだけでもしておこう。そう思った。

ちょっと心構えしてみる。

まず、みっともなく大騒ぎしないのである。

あわわわ、花粉症だあへっくし、ずるずる。目が、目がチカチカするようかゆいよう。花粉症って目にもくるのか知らなかった。誰か助けて花粉症の先輩助けてへっくし、ずるずる。へっくしつらいよくるしいよう。

とかいった感じにならないよう心構えたい。なんと言っても花粉症、日常生活全てに及ぶのだ。デンと構えて受け入れるのである。
キーワードは2つ。「花粉症であることを受け入れ落ち着きはらった態度」、「対症療法的な対策に終始せず、先手を打つ」である。

「おはよう」
「あれ、マスクなんかして。はらたまさん風邪ですか」
「いや、花粉症」
「あーとうとう来ましたね。仲間ですね。仲間」
「あー確か一昨年くらいからなってたかなあ(実は一昨日から)。気づかなかったか?」
「え? そんな事言ってましたっけ」
「通勤の時だけ念を入れてマスクを着用しているのだ。朝出かける時にゴマ油を鼻から飲んでいるのでそれほど鼻水は出ないのだよ」

完璧である。

研究を重ね、発症と同時に対策をとる見事なソフトランディング。これが理想だ。良いマスクをチョイスするのだ。目を保護するゴーグルなども調べておいた方が良いかもしれない。格好良い奴だ。新庄がつけてるようなのが良いかもしれない。って、あれはサングラスだ。

薬学方面の力もさりげなく借りたい。
茶も色々試す必要があるかも知れぬ。
鼻がスーっとする薬などは種類にもよるのだろうがST君にとっては逆効果らしい。かえって鼻の粘膜を刺激してしまい、鼻水が出るのだという。粘膜に詳しいのであった。


花粉症の本当の辛さを知らない私のような人間がこんな事を書いていると、全国2000万人の花粉症な人たちを敵に回してしまいそうだ。

 いや、そんなつもりは無いのですよ。花粉症の皆様。仲間入りする時に必要な手続きを確認しているだけですから。本当。

 どうにもここ数日目がかゆい。まさか花粉症じゃないよな。へっくし。ずるずる。
 ひょっとして。

 あわわ。オロオロ。


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