4k50:モコタン想像図ができるまで

 

 

 私はいつも同じ鞄を肩からさげて通勤する。
 今日もバスから降りて電車に乗り換える。幸いにして目の前に座っていたオトウサンが席を立ったため、私は座って原稿を書くことが出来る。今日は楽だ。良かった。

「おはよう、はらたまさん」

ピンク色の生物、カバとも犬ともつかぬ不思議なモノが鞄の中から顔を出している。

「ん? 何だ。モコタンか」

モコタンである。私の鞄の中にどうやって入ったのかわからないが、朝から迷惑な奴である。

「何だはないでしょ。こうやって顔を出せるようになったんだから、挨拶くらいさせてよ」

初めて顔を見たモコタンは、何だか私が想像していたよりも可愛らしい顔なのである。

正直に言ってみる。

「何だか思っていたよりも可愛らしいではないか。良かったな可愛く描いてもらって」

「はらたまさんが描いてくれないから『想像』のままで終わるところだったんだよ」
「いいのか?俺が描いても。ロクな仕上がりにならんぞ」
「……」

「そ、そうだはらたまさん。僕の想像図が出来たところを見に行こうよ」
「おお。何だか面白そうだな。実はこれから会社に行かねばならんのだが、気にせず行くことにしよう」

場面は変わる。
ついでに時も遡って想像図が出来る場面に立ち会うことになったのである。

「もうすぐ僕の想像図が出来るはずだよ。歴史的瞬間だね」

病院なのである。

「あそこにいるのがあらきさんだよ。『はらたまにあ』を自称している変わった人だね」
「ありがたいことだが、あまり感心しないな」
「『はらたまにあ』なんて言葉自体、ほんの数日しかサイトに載せてなかったのにね」
「確かに。よく覚えてたな。まさにマニアなのかも知れん。感心はしないが」
「素直に感謝したら」

それはそうだ。感謝。

あらき氏、待合室の椅子に座って青い顔をしているのである。

「どうやら腹が痛いようだな」
「ロトウイルスというのに感染したらしいよ」
「なんだそれは。あらきさんといえば『ロト6』買ってどうのこうのという話があったような気がするが、もちろんそれとは……」
「うん。関係無いよ」

ちなみにロトではなくロタである。


「あ。何か出した」

あらき氏。胸ポケットから飛びだしている情報端末(ソニー製)を取りだしたのである。顔は青い。

「何もあんなに長い端末をむりやり胸ポケットに入れることはないんじゃないか?」
「いいんだよ。本人は違和感感じてないってことになってるんだから。それよりもはらたまさんこそ、treoは短すぎてポケットの中で横向いたりして取り出しにくい時があるって言ってたじゃない」
「痛いとこつくな」

あらき氏、情報端末をパチパチと折り返し、液晶面を専用のペンでなぞりはじめるのである。

「顔は20代だね」
「ちっ。確かに若そうだな。実年齢は俺の方が3歳ほど若いはずなのだが」
「はらたまさんの見かけ年齢が35歳とすると、あらきさんとの見かけ年齢差は10歳近くあるということになるね」
「うるさいな。俺は良いのだ。職場でもネタにしているし、もう後にはひけん」

あらき氏、引き続きソニーの情報端末に何やら書き込んでいるのである。これこそモコタンの想像図なのである。

「何もこんな緊急事態に落書きしなくても」
「気を紛らわす必要があるんだよ。下痢だしね」
「モコタンの想像図は下痢とともに生まれたと言うわけだな(にやり)」
「はらたまさあん」

かくして「はらたまhome」のトップページにモコタン想像図が貼りつけられるのであった。

素直に感謝である。これでトップページに画像が使えるのである。

ところであらきさん、モコタンの胸(腹?)についている@マークは一体なんですか。

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