4k85:わたしのさとがえり

 

 

――それでは、本日は『わたしのさとがえり』というテーマでインタビューをさせていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

よろしくおねがいいたします。

――広島、下関と車での移動が主だったとか。

そうですわね。おとうさまもおかあさまもがんばってうんてんしてくださったわ。こんどわたくしもやってみることにしましょう。 こうみえてもおうちのなかではじょうずにうんてんしますのよ。

――それは無理ではないでしょうか。

そうかしら。おとうさまよりはわたくしのほうがじょうずにできるとおもうのだけれど。あしでけって、うしろにもすすめますのよ。

――移動中、退屈ではありませんでしたか。

おちゃをのんだり、ねむったりしてのんびりとしたものでしたわよ。
たいくつといえばたいくつかもしれませんけど、わたくしくるまはすきなほうなの。

――広島での数日間はいかがでしたか。

そりゃたのしかったわよ(わらい)。
「こ」おねえさまともあそんでいただいたし、とししたの「そ」ちゃんもとてもかわいらしかったわ。まだにさいになっていないのですって。それにみなさんとてもやさしくて。

――広島と下関のおじいさん、おばあさんの区別が付くようになったとか。

ひろしまのおじいさまは『いちにいさんのおじいさま』とよばせていただいているわ。いつもかけごえをかけてわたくしをたのしませてくれるのよ。

――沢山食べたそうですね。

しつれいねあなた(わらい)。
ぶどうなどをいただいたわ。すきなものをたくさんたべられるのでさいこうね。まいにちでもいいわ。

――それでは『さとがえり』になりませんね(笑)

あらそうかしら(わらい)。

ちょっとたべすぎておなかまわりのらいんがすこしくずれてしまったかも。さいきんちょっときにしているわ。

――お父様の様子はどうでしたか。

おとうさまはねてばかりいたわ。さとがえりだからっていって。
いつもねてばかりいるのにね(わらい)。

――広島、下関と『さとがえり』された訳ですが、何か印象的な出来事は?

そういえば、どちらのおうちでも『はっぽーぽーしゅ』についてきかれたわ。
「これなんていうの?」って。
『はっぽーぽーしゅ』だっていったらみんなわらっていたわ。しつれいなひとたち(わらい)。
「これは『びーる』っていうのよ」なんてみんないってたけど、あれは『はっぽーぽーしゅ』よ。きいろかったし、あわがでていたわ。まちがいない。
おとうさままで「これはびーるだよ」なんていって、だまそうったってそうはいかないわ。

――それは本当に『ビール』だったのではありませんか?

まあ、あなたまでそんなことを。だまされないわよ。あれは『はっぽーぽーしゅ』です。

――他に楽しかったことはありますか?

おさしみをたくさんたべたわ。あらあたくしたべてばっかり(わらい)。
おとうさまったら、わたくしを『だし』にしてごじぶんがたくさんおさしみをたべようとしているのがみえみえだったから、わたくしがたくさんたべてあげたわ(わらい)。
おかげでおなかまわりのらいんが(わらい)。

――海にも行かれたそうですね。

ちょっと、すなあそびをね。
みずぎをもっていかなかったし、ひとがぜんぜんいなかったのでわたくしのないすばでぃをひろうすることはなかったけど、たのしかったわ。

――帰りの車では一気に500km以上の行程となった訳ですが、疲れませんでしたか。

いえぜんぜん。わたくしはすわっているだけですもの。
ただ、おとうさまがたべていた「するめ」というのがとてもくさかったのにはこまったわ。

――その、お母様はどうでしたか。

なんだかたくさんものをもらってらしたわ。くるまだからって。
そういえばひいおじいさまからいただいたかみのふうとうはおかあさまにあずけたのだったわ。あれはどこへいったのでしょう。こんどおかあさまにきいてみることにするわ。

――最後に、一言お願いします。

やっぱりまたあしたくらいにいきたいわ。
こんどおかあさまにおねがいしてみましょう。

――それでは『さとがえり』にならないのではないでしょうか。

あらそうなの。じゃあそのつぎのひにでもしてもらおうかしら。
ところで、『さとがえり』ってなんですの?

 

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