Prismer in paradise
in treo的コラム

□ はらたまhomeへ □

□ PIPIt目次へ □

PIPIt05:CLIE Organizerについて書いてみる その2

― 手書きメモってみる。カメラあってナンボだと思う ―

前回、いかにも「予定表の機能についてバリバリ書くぜ!」てな感じで予告しておきながら、今回は手書きメモについて書くことにします(あれ?)。

さて、CLIEOrganizerの「手書きメモ」は、こんな感じの画面です。

集合場所の地図らしい

ペンの太さと色を選んで、グリグリと書くのみ。簡単です。
電話を受けながらのメモ書きなど、それこそ紙に書くのと同じ様な感覚で素早く書き込むことが出来ます。ま。割と普通の手書きメモですな。
私は、この手の手書き系ソフトが割と好きで、今まで使っていた機種でも必ずインストールし、実際に使って来ました。
TH55 の ClieOrganizer では、この「手書きメモ」が標準で付いてきますので嬉しい限り。標準でついてくるということは、母艦PC側との連携が簡単に出来るということです。これが出来ると出来ないとでは大違い。だから嬉しい。

CLIEOrganizerforPCでの表示。三角関係を説明する図なぞ書いてみました。

では、実際にどのような機能があって、私がどんな使い方をしているかをご紹介します。

ある日の事です。
私は勤め先で作業服の胸ポケットにCLIEを入れ、常時携帯しているのです。
その日もいつも通り愛機TH55を持って勤め先ビルの1Fにある応接ブースへと向かいました。来客があったからです。
私は某製造業勤務で某開発担当なので、来客といえば某部品メーカーまたは某取り扱い商社などが圧倒的に多いのです。売り込みとか購入している部品についてあれやこれやとかいう内容を打ち合わせます。

この日も某商社の担当者氏と打ち合わせ。
この担当者氏、私が入社して以来の付合いなので、私が打ち合わせの席でVisorDXとかVisorPRISMとかTreo90とかTH55とかそういった怪しげな機械を使っていても特に気にする風ではありません。それどころかいつの間にかTJ25を購入、時々ポケットから出して使ってみたりしているのでした。予定表や電卓として使っているようです。こういうのは何だか嬉しいものです。
打ち合わせ時のメモは紙のノートを使うときもあれば、TH55 に手書きメモで書き込むこともあります。短く済みそうな用件のときはTH55で済ませることが多いでしょうか。別にどちらを使うと決めている訳ではなく、気分です。大事な事はあとでTH55に入れるようにはしていますけど。
さて、打ち合わせも無事に終わって担当者氏を玄関まで見送って、お茶の入っていた紙コップなど片付けていると、受付嬢の MY さんが観葉植物の根元にしゃがみこんで何か覗き込んでいます。

私:「何してんの」
MYさん:「ああはらたまさん。見てくださいよこれっ」

何故にキノコ……。

キノコが生えています。
どうなってるんだうちの社の玄関は。お客様をキノコがお出迎え。
私は反射的に胸ポケットからTH55を取り出し、撮影しました。どうなってるんだうちの社の社員は。

「これ、『コガネキヌカラカサタケ』って言うんですよ。調べました」

MYさんは得意げに説明してくれました。何してるんだか。
しかし「ふーん」とか何とかいいながらTH55で『コガネキヌカラカサタケ』と、手書きメモをとる私。どっちもどっちです。

「カサタケ科で、これはアガリクス茸とかマッシュルームと同じなんですって。高貴な生まれみたいですよ」

マッシュルームって馬糞の培地から生えるんだぜとか教えてあげたくなりましたが、ここは無理に教えることをせず私は聞いたままにチョイチョイとメモをとりました。

CLIE Organizerの手書きメモには、シールや写真を貼り付けることができます。
先ほど撮影した写真をペタっと貼り付けるとこんな感じになりました。

思いつくままにさらさらっと。

いやあ役に立った(仕事に使えよ)。
ちなみに貼り付けた写真をダブルタップ(ちょいちょいと二回突っつく)すると、画面一杯に拡大された写真を見ることができます。

さて、数時間後。別のお客さんが私のところへやってきました。
同じく応対する私。
そして打ち合わせも無事に終わって担当者氏を玄関まで見送って、お茶の入っていたコップなど片付けていると、受付嬢の MY さんがまたしても観葉植物の根元にしゃがみこんで何か覗き込んでいます。

私:「何してんの」
MYさん:「ああっはらたまさん見てくださいよこれ。カサが開いていますカサが」

……。

見てみるとなるほどさっきまでツクシのようなフォルムだった高貴なるコガネキヌカラカサタケ様は堂々としたお姿に。
再びTH55のカメラを用意。シャッターを開けると撮影モードに切り替わりますのですぐに撮影可能です。
ちなみにシャッターを閉じると直前のアプリケーションに戻るようになっているので、

手書きメモ中にシャッターを開ける → 撮影 → シャッターを閉じれば手書きメモに戻る

という動作が簡単に出来るようになっています。当たり前のようにして欲しいことが出来ていると気持ちが良いです。はい。

私:「確かにさっきはこんな感じだったよなあ」
とか言いながら数時間前の写真と見比べます。
手書きメモに貼り付けた写真はダブルタップ(スタイラスで二回つっつく)すれば画面一杯の表示で見ることが可能です。

さて、このように状況をとりあえず記録しておきたいときにはなかなか便利な「CLIE Organizer手書きメモ」です(長い名前だ)。手書きメモが好きな方は良いのではないでしょうか。

さて不満点。

CLIE Organizer手書きメモの良い点をあげつつ、使い方の一例を書いたつもりですが、ここからは不満点を幾つか。

・表示が遅い
 これ、意外と致命傷になりかねない感じです。
 何枚も書いた手書きメモを順番に見ようとすると、画面が切り替わるたびに細い線が表示された後、その上を太い線がなぞっていく様子が見えてしまうほどに遅いです。ちなみに今回のスクリーンショット(キノコに関する手書きメモ)では画面表示完了まで5〜6秒くらいかかってしまいます。
線が多いほど表示に時間がかかりますので、このソフトで凝った絵などを書いてはいけません。なるべく線を書かないように、字を書くようにしましょう。とほほ。

・シール機能はあまり使い道が無いような気がする
 画像を貼るのと同じ操作でシールを貼ることが出来るのですが、今回は全く触れませんでした。なぜならその機能を使っていないからです。
 シールはあくまで記号の延長であり、写真ほどに雄弁ではありません。シールを貼る操作をするくらいなら手で書いた方が速いのでした……。
 無理やり使って見たのが先ほどPCで表示させたスクリーンショットにあるものです。

・PCとの中途半端な連携
 PC用のソフト「CLIE Organizer for PC」で手書きメモを見ることができます。貼り付けた写真についても表示されますので確認することができます。
 ところが、写真は.jpg等画像ファイルとして二次利用することができませんし、貼り付けた画像がメモリースティックに保存されていた場合、CLIEをPCにマウントした状態で操作をしないと貼り付けた画像を大きく表示させることができません。
「ページに貼り付けられている静止画のオリジナルデータが存在しません」てな感じで怒られてしまいます。

 TH55で撮影した画像をPCで利用するためには、画像ファイルをメモリースティックに保存しなければなりません。撮影時にメモリースティック上に画像を保存する設定にしておけば、CLIEを介してメモリースティック内のJPG形式ファイルを取り扱うことが出来るのですが、それではいちいちCLIEとPCを接続しなければならないし……。
しかし、メモリースティックに保存した場合、CLIE Organizer for PC上では大きなサイズで表示させることができなくなってしまいます。
あちらを立てればこちらが立たず。むう。
せっかくHotsyncでPCとデータをやり取りしているのだから、カメラで撮った写真をどこかのフォルダにまとめてJPGファイルとして置いてくれないかな、と考える私は贅沢でしょうか?
これはCLIE Organizer for PCを使っているとあちこちで感じられるもどかしさの一つです。画像だけではないので今後ぼちぼち書くことになると思います。

だらだら書きましたので読みにくいとは思いますが、それでは。また。