夜道が怖い


「暗い夜道には気をつけな」といった、他人から恨みを買って襲われる話ではない(これも「なきにしもあらず」といったところではあるが......)

早い時間帯で午後8時前後、遅い時間帯で午後11時過ぎになる、大学から徒歩で約20分間の下宿への帰り道は、ほとんど街灯がない。すれ違う他人の顔が、場所によっては判別できないほどの暗さである。私は歩くのが速く、後ろから他人に追い越されることは滅多にない。道路交通法を守っているという意識はないが、右側通行をしているので、道路の左側を歩いてくる他人に前方で気をつけていれば安心である。

ところが、最近「怖いなあ」と思うのは、暗い夜道で右側を後ろから近づいてくる、無灯火の自転車である。無灯火でも、手入れが悪くてギーギー音を立てている自転車なら、近づいてくるのが分かるのだが、音もなくスッと近づき、いつの間にか背後にいる自転車は、かなり怖い存在である。その自転車が、何事もなく私の横を通り過ぎていったとき、いつも妙な安堵感を覚えてしまうのは、世の中がおかしくなっているからに違いない(1)。

自転車が、暗い夜道を無灯火で、しかも右側を走るのは危険である。何か事件が起きる前に、なんとかして、これらを取り締まる方法はないのだろうか?

自転車は、左側通行をしなさい。暗い夜道では、火を灯しなさい。

[脚注]
(1) ここ数年、すれ違いざまに歩行者が襲われる「通り魔」事件が後を絶たない。登山ナイフやアーミーナイフといったナイフ様のもので刺されたり、カッターナイフで切りつけられたり、棒で殴られたりといった、そのほとんどが無防備な弱者を狙って繰り返される卑劣な犯罪である。また、歩行中の未成年者の誘拐・略取事件や、路上強盗、強姦といった事件も多発している。これらに対する地域ぐるみでの取り組みや、自己防衛の必要性が叫ばれるようになって久しいが、抜本的な対策が取られているとは、お世辞にも言い難いのが現状である。


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