大学の教授・助教授・講師・助手などの公募では、提出書類として健康診断書を要求される場合がある。健康診断書を病院などで作成してもらうには、半日を潰し、しかも手数料として5〜6千円を支払わなければならない。これで採用が決まるのなら喜んで健康診断を受けに行くのだが、世の中そんな甘いものではない。ひとつの公募には一般に50〜100名もの人数が応募してくるのだから、仮に100名が応募した公募では残り99名が不採用になり、彼らの健康診断書が無駄になるわけである。こんな馬鹿な話はない。
健康診断書は、公募で採用が決まったときに提出させるか、或いは最終候補者を2〜3名に絞り込んだ段階で提出させれば済む問題ではないのか。「規則だ」と言うのなら、そんなおかしな規則は変えるべきである。健康診断書の提出が公募条項にあることで、優秀な人材が応募をためらっていることに、採用する側が思い至らなかったとしたら、それは両者にとって不幸なことに違いない。