他人のそら似


2004年4月26日(月曜日)の午前11時50分頃、工学部と大学院自然科学研究科管理・共通棟の間を通る道路脇の歩道を歩いていたとき、ちょうど30mくらい向こうから「田中環(たなかたまき)君(1)」が歩いて来るのが見えた。彼も気付いたようなので、いつものように軽く右手を挙げて挨拶し、話をしようと近づいてみたら、何かが違う。環君のほうが私より背が高いはずなのに、目の前にいる彼は私より小さく、また微妙に顔の輪郭が異なっていた。その彼も、近づいてみて、私が知り合いではないことに気付いたようである。

私が「あ、いや、失礼。数学科に田中環君という教授がいて、彼かと思ったもんだから......。でも、似てるなあ」と言うと、その彼も「いえ、私も......。お髭のあたりがそっくりだったので、知っている人かと思ったものですから......」と言うので、なるほどと思い「お互いに『そっくりな人を知っている』ということですね」と言って、その場を後にした。

しかし、それにしても、余りにも似過ぎている。大学構内で、再び彼に出会ったら、たぶん、また間違えるんだろうなあ......。

[脚注]
(1) 環君は、私の学生時代の仲間で、新潟大学理学部数学科に所属し、卓球部のマネージャーもやっていた。また、当時、私が毎日のように食事をしていた、現在は無き「ブラジル」という喫茶店の常連客でもあった。大学院に博士後期課程が設置されたときも同様に進学したのだが、彼は途中で弘前大学の助手として採用され、新潟を離れてしまった。その彼が、今度は大学院自然科学研究科の教授として、新潟に戻って来たというわけである(そっくりさんとの会話で、私は「数学科に田中環君という教授がいて」という言い方をしたが、厳密に言うと、彼の所属は数学科ではない)。


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